それでも此処へ住み続ける
避難民へのアンケートでは復興後も此処へ住み続けると答えた人が半数以上だった。
私達は家族があり住居があって仕事があり収入があって それで生活できるとしてもそれだけでは充分でない。
人や地域 土地郷土との繋がりを大事にして生活している姿がこの震災やアンケートで改めて確認できる。
これは東北と言う地域性の特徴が色濃く出ているのだろうか、私はそうは思わない。
個人主義でプライバシーを大切にする欧米と比べ 日本全体に未だムラ社会の考え方が残っていると感じる。
都会にはそれが少なくなってしまったと言う人もあるかも知れないが、例えば職場である。
この震災で米国の自動車生産が部品の調達に支障が出て一時休止レイオフを実施したと伝えられた。
欧米は契約社会であり雇用もドライなビジネスと捉えられ 企業側労働者側双方とも解雇転職に躊躇がない。
日本では家族的付き合いで一生の伴侶とも言うべき関係を築き そこに一種のムラ社会を作って繋がりを強くして暮らしている。
勿論それが職場ではなく何かのグループやサークル ファンクラブのようなものであったりするだろう。
そのような独特のムラ的繋がりが復興の原動力となってこれまでの度々の災害に立ち向かってきたし 今回も同じだ。
そしてその絆は何も災害からの復興にだけ動機として働くのではなく 他の国とは違う日本と言う国の持つ力の源泉として私達の生活の基盤となっている。
その良さを浮き彫りにしたと思う。