燃料棒とウラン崩壊 | xyavのくしゃくしゃブログ

燃料棒とウラン崩壊

  →  引用の続きです。


>今は、もしもまだポットを熱し続けている状態なのであれば、問題は水位がどんどん下がっていることです。コアは露出するまで数時間、数日かかるよう数メートルの水で被われています。一旦燃料棒の頭が出た場合、45 分で露出した部分は1800℃の融点に達します。これが最初の容器、ジルカロイ管が壊れるときです。


そしてこれが起き始めました。


冷却剤が再充填される前に幾らかの(かなり限られたものだが、あることにはある) ダメージがいくつかの燃料棒に与えられました。核燃料棒それ自体はまだ傷ついていません(融点2800℃です)が、まわりのジルカロイ管(融点1800℃)は溶け始めました。


そこで今起きていることは、ウラン崩壊による副生成物(放射性のセシウムやヨウ素) が少し蒸気に混ざり始めたということです。酸化ウランの棒は2800℃に達しない限り問題ないので、大きな問題(ウラン) は依然制御下にあります。


かなり微量なセシウムとヨウ素が大気中に放出された蒸気中で観測されたことも確認されています。これがプランB への"go"だったようです。


観測された少量のセシウムで、作業員は最初の容器=ジルカロイ管のどこかが壊れそうだということを推測しました。プランA はコアを通常の冷却システムで冷却するものでした。プランAが失敗した一つのもっともらしい説明は、津波が通常の冷却システムに必要な精製水を全て持っていったか汚染したか、ということでしょう。


冷却システムで使われる水は純水で、ミネラルが除かれています。純水を使うのは、ウランからの中性子による上述のような反応があるからです。( 純水はそこまで激しい反応を起こさないので、実質放射能をもつことが出来ません。それに対して汚れた水、若しくは塩水は中性子を素早く吸収し、より放射能を持ちます。)


しかしそのことはコアには影響がありません。それが何で冷やされるかは問題ではないのです。もっとも作業員や機械工にとっては、少しだけ放射能を持った水を扱う作業に、命の危険が伴うようになります。


そしてプランA は失敗しました。冷却システムが機能しなかったか、純水が切れてしまったのです。よってプランB が使われました。以下はそこで予想されることです:


コアのメルトダウンを避けるため、作業員はコアの冷却に海水を使い始めました。圧力鍋(二番目の容器) を海水で満たせたかは分かりません。また三番目の容器を満たせたか、圧力鍋を水に浸せたかも分かりません。


しかしそれは問題ではありません。重要なのは核燃料がクールダウンしたことです。


連鎖反応がかなり前に止まったので、今はただ放射性中間生成物の生み出すほんの僅かな余熱が作られているだけです。大量の冷却水はその熱を取り除くのに十分です。大量の水があるので、コアは深刻な圧力上昇を引き起こすだけの十分な熱をもはや生み出すことは出来ません。


また、ホウ酸が海水に加えられました。ホウ酸は「液体制御棒」です。どんな崩壊がいまだに進んでいても、ホウ素は中性子を捕まえ、コアの冷却を加速します。


発電所は一時コアのメルトダウンに近づいていました。


→ 引用は続きます。