2005年06月24日(金)

<タレントの卵・営業日記>その11

テーマ:裏職歴書

これは先日からの「無謀なる野望 」の続きです。


先に序章にあたる部分と、<タレント養成所時代>

<タレントの卵・営業日記>その1 からをお読みになってから、お楽しみ下さい。


(ストーリー順にリンクで続けて読めるようにしてあります)

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そう、あと2~3秒で眠りに落ちる・・・その瞬間に・・・
かずみちゃんのささやくような声が遠くに聞こえたような気がした。



「ぅん・・・ぃや・・・」

ハッとした私は、空耳だろうか?と眠りに落ちる寸前から意識を取り戻した。
眠気には勝てず目を閉じたまま、耳だけが起きている感じになった。

そっと耳をそばだてていると、カサコソと布団の擦れる音が聞こえる。

「ん?!」と思った次の瞬間、朦朧としていた私の意識がす~っと現実世界に引き戻された。





「ダメ・・・みきちゃん、まだ寝てない・・・」

今度はハッキリとかずみちゃんの声が聞こえる。
私が起きてるとマズイことでもあるのだろうか?




「ぁぁん・・・ダメだってば・・・」






Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) これ、完全にかずみちゃんの喘ぎ声じゃないの?!
と、経験値の足りない高校生でも、何が起きているのか想像が出来た。


「あれだけ酔っ払ってりゃ、もう寝てるよ」


「んふっ・・・そこはイヤ・・・」


こうなってきたら、いくら眠くて仕方のなかった私でも目が覚めるってばヾ(-д-;)ぉぃぉぃ




布団の動く音や、漏れるようなかずみちゃんの声。
ソファベッドで身動き1つしてはいけないような気がして、私は石の用に固まってしまった。


耳に入ってくる音で何が起きているのか、手に取るようにわかる。
「いや」「ダメ」と言いながら、かずみちゃんは元彼のすることを
完全には拒否していないのも十分にわかった。









今ならわかるのだが・・・


恐らく、聡さんはかずみちゃんの一番弱い部分を熟知していて
頭ではダメだとわかっていても体が拒否出来ないように攻めていたのだろう。
すぐ側に私が寝ているという状況も、聡さんには刺激的だったのかも知れない。




聡さんが仕事に行くまで2時間ほどあるはず。
このまま、2時間起きてるつもりなのだろうか?


そして、かずみちゃんは元彼を受け入れてしまうのだろうか・・・?







久々の営業日記の割りに短いじゃないか?!と思っても 1クリックヨロシク<(_ _*)> (笑)


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2005年06月11日(土)

<タレントの卵・営業日記>その10

テーマ:裏職歴書

これは先日からの「無謀なる野望 」の続きです。


先に序章にあたる部分と、<タレント養成所時代>

<タレントの卵・営業日記>その1 からをお読みになってから、お楽しみ下さい。


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かずみちゃんと私は顔を見合わせ、黙ったまま身動き1つ出来なかった。

ママが来たのだろうか・・・?


2人とも息を殺したままで、じっとしていると2回目のチャイムがなった。
かずみちゃんは私に手で「ここにいて」と指示して立ち上がり、玄関に向った。


かずみちゃんのマンションにはドアホンがついていない。
部屋の中からインターホンで応対する訳にいかないのだ。




玄関の前に立ったかずみちゃんがドアの向こうに声を掛けた。


「はい・・・。」


ドアの向こうから人の声らしきものは聞こえるが、奥の部屋に座ったままの私には
はっきり聞き取れず、かずみちゃんの応対する声だけが聞こえてくる。


「今頃なに?」


相手の声が小さいのか、私には全く聞こえない。
かずみちゃんは相手の話しを聞いて、玄関を開けたようだ。


「入って・・・。」


簡単に家に入れたということは、ママではなさそうだなと思い
私は座ったまま玄関の方へ振り返った。


「今日は友達のみきちゃんが泊まりにきてるの。」


「あ、そうなの?こんばんわ~」








薄暗い台所を通って現れたのは、私の見た事ない男の人だった。
私は内心の焦りを隠し、ニッコリ笑って挨拶を返した。


「こんばんわ~」


「えっとぉ~・・・私の元彼。」


「あ、そうなんだ。」


「家に帰るのにタクシー乗ったら近くまで来たんで、この前を通ってもらったら
 まだ電気がついてるんで、まだかずみが起きてるんだな?と思ってさ。
 明日の朝も仕事が早いから、泊めてもらえたらラッキーって、来てみたわけ(笑)」


この元彼はしょっちゅうかずみちゃんのところへ来ているような口ぶりだった。





かずみちゃんは滝沢さんと付き合うようになってからも、この人を家に入れているんだろうか?
元彼は滝沢さんの存在を知っているのだろうか?
私の心の中は疑問で一杯になっていった。





「ここからタクシーで30分以上かかるところに住んでる人だからね。
 別れてからも、無料宿泊させてもらおうと、やってくるのよね・・・。」


「でも、かずみが家にいること、少ないじゃん。いても入れてくんないしさぁ・・・。」


やっぱり、かずみちゃんは元彼を家に入れない方針なんだ・・・。
そう思った私は少し安心した。

かずみちゃんに似合わない、軽いノリのお兄さんだと思っていただけに
今まで家に入れなかったのは正解だったと思う。
しかし、今日に限って家に入れたのは何故なんだろう?
私の疑問が全部解消された訳ではなかった。


「いつまでも昔の女に頼ってるんじゃないわよ!」


「今日はすんなり入れてくれたじゃんか?みきちゃんだっけ?
 友達がいるから、安心出来るってことか?オレ、信用ないんだなあ・・・(笑)」


「私には付き合ってる人がいるから、もう来ないでって何回も言ったでしょ?
 いつまでも聡の面倒見てらんないわよ!」


かずみちゃんが滝沢さんの存在をハッキリ宣言してるんだ。
ってことは、無用な気遣いは必要ない。





「だから、前にも言ったでしょ?彼のいる女に手を出す気はないって。
 そんなことより、そこのコンビニでケーキ買ったんだ。みきちゃんも一緒に食べない?」


「あ、そうなんですか。私の分って、あるんですか?」


「このマンションの下に立ってたら、喋り声っぽいのが聞こえたような気がして
 ひょっとして、友達でも来てるのかなあ?って思ったから数は多い目に買ってきたんだ。」


そう言えば、かずみちゃんの帰宅が分かるように、道路側の窓を少し開けたままだった。
ママのことに気を取られていた私たちが、声の大きさなどお構いなしに喋っていたのも事実だ。


玄関先で喋っていた内容は聞き取れなかったが、この元彼はかずみちゃんの性格を熟知していて
「友達が来てるんだったら安心だろ?」とか
「そこのコンビニでケーキも買ったんだよ」とか言ったのかも知れない。






元彼がケーキをテーブルに出し始めた。


「かずみ、ジュースでも・・・。あ!ビールある?」


「あるわよ。さっさと飲んで寝れば?明日早いんでしょ?」


そう言うと、かずみちゃんは冷蔵庫から缶ビールを3本持ってきた。
1本を元彼に、もう1本を私に手渡してくれた。





飲み屋でカラオケの司会と言う仕事をやっている私だが

未成年と言うことをお客さんも店の人たちも知っているので
お酒を勧められることはほとんどなかったのだが・・・かずみちゃんは私が飲めることを知っていた(笑)


「みきちゃんは明日、何時にここを出るの?」


「えっと・・・9時半には出ようと思ってる。」


「じゃあ、俺の方が早いや。6時には出るから」


「実質2時間も寝られないじゃない?!さっさと飲んで寝なさいよ!」


私はかずみちゃんの口調がいつになくキツく感じた。
それでも、元彼の調子のよい喋りに釣られながら、3人でケーキを食べ、ビールを飲み干した。




お酒が飲めない訳ではないが、さすがに時間も時間だったし

しょっちゅう飲む訳でもないので、私は生あくびが出始めた。


「お!みきちゃんが眠そうだぞ?!そろそろ寝るか?」


「ねぇねぇ・・どこにどう寝るの?」


「ここを早く出るもの順に玄関に近い方から寝ればいいじゃん?」


「ってことは、聡さんが一番先で、次が私?!」





待てよ?!
かずみちゃんちには布団が一組とソファベッドしかない。
この順番だと聡さんの隣が私になるじゃないか?!


いくら酔った頭でも、そのくらいの判断は出来る。
私には、その提案は受け付けられない・・・と考えていたら

「いくらなんでも、みきちゃんを聡の隣にって訳にいかないでしょ!
 みきちゃん、ソファベッド使ってくれていいからね。」


かずみちゃんの提案で一件落着した。






3人でテーブルを片付けて、布団を敷く頃には、私が完全に酔っ払ってしまったようで
ふらつく足で、何とかソファベッドに這い上がった。


「んじゃ、電気消すよ~。」


「おやすみ~」


「おやしゅみなさ~い」


フラフラの私はろれつも回っていなかった。




かずみちゃんが電気を消して、布団に入る音が遠くに聞こえる。


目を閉じる気がなくても自然に瞼が下りてくる。
窓の下を通る車の音も段々遠くになり、私の頭の中はす~っと白いモヤが掛かったようになった。


そう、あと2~3秒で眠りに落ちる・・・その瞬間に・・・






何があったのか知りたい人は 1クリックヨロシク<(_ _*)> (笑)


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2005年06月10日(金)

<タレントの卵・営業日記>その9

テーマ:裏職歴書

これは先日からの「無謀なる野望 」の続きです。


先に序章にあたる部分と、<タレント養成所時代>

<タレントの卵・営業日記>その1 からをお読みになってから、お楽しみ下さい。


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「1つや2つって・・・あのママはそんなに武勇伝持ってるんですか?」


「ああ、ママがあの店に移る前の店では
 抗争事件の絡みで、ちょっとした事件が起きそうになったこともあってね。
 そんときゃあ、あのママが店の女の子たちを後ろに控えさせて
 自分が前に出て、その場を収めたって話は有名だよ~。」


確かに、あの店のある辺りは高級なお店が多い。
影の経営者が暴力団だと噂の店も何件か名前は聞いている。
でも、お客さんとして来ているお店で、そんな事件になるようなことがあったんだろうか?


一般人に迷惑の掛かるようなことをする仁義に外れた暴力団と言うのは、私には考えられなかった。
少なくとも幹部と呼ばれる人たちに、そういう人はいないはず・・・・。

ひょっとして、もっと小さいことが大きな噂になっているのかもしれないな、と思いつつ
他の話しも聞き出したかった私は相槌を打ちながら、話しを促した。





「へぇ~・・・マネージャーとか店長とか、男の人はいなかったんですか?」


「並みの男より男気あるママだからね。アテにしてなかったんじゃない?(笑)
 店の女の子や他のお客さんは私が守る!みたいな気迫がすごかったらしいよ~。」


「でも、そこでも雇われママさんだったんでしょう?自分の店じゃないのに?」


「だって、あのママは韓国の血が流れてるんだよ?多分、2世か3世って話だけどね。
 韓国人の家族意識って言うか、身内意識ってすごいもんあるからなあ。
 だから、自分の身内と認めた人間が危ないとなったら
 ママは、体張るのも当然!みたいなところなんじゃない?」


「そう言われてみれば、かなり姐御肌っぽいイメージはありますよねぇ・・・。」


「韓国の女性は強いわ!日本人からは考えられないくらいに強い!」





ママが韓国人なのか、日系何世なのか、私にはわからないが
それまでママと会話していて、アクセントやイントネーションの違和感はなかった。

この運転手さんは、ママが韓国人だと言うことを前提にしているようだが
どこまでが本当なのか・・・。


例え、韓国人であろうと日本人であろうと、あのママがヤクザ相手に
1歩も引かない態度だったと言う話しは信用出来そうだ。
今まで私が見ている限りでも、マネージャーよりは頼りになりそうな印象だったから(笑)





「もっと昔、ママになる前は、他の女の子から客を寝取ったとかインネンつけられて
 挙げ句の果てには、刃物沙汰か?!ってこともあったらしい。
 そんときも
 『寝たの寝ないのって言うってことは、あんたが客と寝てるんだろが!
  そんな安物のホステスに刺されたってどうってことないわ!
  刺すんだったら刺してみろ!』
って一喝したらしいよ。」




これはありそうな話しだなあ・・・と思った。


刃物を持ち出す、持ち出さないは別としても、お客さんを取った取られたの話しで
掴み合いや殴り合いの喧嘩になることもある・・・と言う話しは
店のホステスさんから聞いた事があったからだ。


ママが啖呵を切ったということは、どっちに解釈すればいいのだろう?
当時、まだ高校生の私には判別がつかなかった。





「ってことは、ママはお客さんと寝てないってことだったんでしょうねぇ・・・?」


「昔は綺麗だったから、客の方がほっとかないよぉ~。
 本当に寝たのか、どうかは別にして・・・そんだけの啖呵を切ったら
 普通の女は刺したくても刺せないわな(笑)」


「そりゃそうだ(笑)それだけ聞いたら女性には思えないもん。」


いくら昔は綺麗だったとは言え、今は鬼瓦風になっている。
化粧をしてないママを見るチャンスがあったら、女性に見えるんだろうか?(笑)
とは思ったが、私は口には出さなかった





「あ!でも1度だけ、あのママも女なんだな~って噂も聞いたよ?」


「いくら男気のある人って言っても、男じゃないでしょ(苦笑)」


「いや、それが・・・別のタクシー会社の人間から聞いた話なんだけど
 お客さんに惚れちゃって、かなり熱上げてた時期があったらしくてね。
 そのお客さんには嫁さんも子供もいるのに、相当付きまとったらしいよ。」


「一途な性格なのも、ちょっとわかるような気がするなぁ・・・。」


「お客さんを送るフリして、自宅の場所を知ったら
 今度はタクシーで先回りして待ち伏せしてたり・・・。」


これは今で言うところのストーカーだ。
普通、そこまでされたら男の方も気持ちが醒めるに決まっている。
そんなことをしてもメリットは薄いはず。


わかってやっているんだったとしたら、それはもう、恋は盲目状態としか言いようがない。





「すごいなあ・・・。お金掛けてる(笑)」


「いや、多分、命も掛けてる雰囲気じゃない?
 その人の奥さんとも直接対決したみたいに噂になってるし、会社にも押し掛けたりしてたらしいからねぇ。
 ま、それでも結局は一緒になれなかったんだけど(笑)」


「奥さんと対決はわからんでもないって気はするけど
 会社に来られるのは、いくらなんでもイヤだったでしょうねぇ?」


「同伴のお迎えじゃなくても会社の前に立たれたら・・・それじゃ、男は引くよなぁ・・・(笑)」


「なんだか、狙った獲物は逃さない・・・って感じですねぇ・・・」


「こうと思ったら引かない性格だったんだろうね、昔から(笑)」


「今のママは温厚な姐御ってイメージなのに・・・」


「年を取った分くらいは丸くなってるかもしれんな(笑)」




運転手さんとそんな世間話をしているうちに、かずみちゃんのマンションの前に着いた。
私はかずみちゃんから預かったお金でタクシー代を払い領収書を貰った。





預かった鍵でドアを開けると、私は入り口の手元スイッチで電気をつけた。
毎週のように泊まりに来ているので、部屋の中は十分把握している。


畳の部屋の電気をつけたら、道路側に面した窓を少しだけ開けた。
かずみちゃんの乗ったタクシーが停まったらわかると思ったからだ。



私はTVをつけて、深夜のくだらない番組を小さな音量で見て時間を潰した。


私が頻繁に泊まりにくるようになってからは、かずみちゃんもおもてなしモードではなくなり
「飲み物は冷蔵庫に入ってるのを適当に自分でやってね~」とか
「テーブルの上のお菓子、好きなの食べてくれていいよ~」とか
徐々に同居人のような扱いに変化していた。


その待遇に慣れた私も「喉が乾いたから、お茶貰うよ~」とか声を掛けて
自分で勝手に冷蔵庫へ取りに行くようになっていた。





2本目の深夜番組が終わったところで、私は冷蔵庫にジュースを取りに行った。
ガラスのコップは洗い物の伏せてある場所から取り出し
冷凍室から氷も取ってジュースを注いでいると、玄関の鍵の開く音がした。


「ただいま~」


思ったより早く、かずみちゃんが帰ってきたのだった。

音が聞こえるように窓を開けていたにも関わらず、私が台所に来ていたので
タクシーの停まる気配に気がつかなかったのだ。






「おかえり~。早かったね?ジュース貰ってるよ。」


「あ、どうぞどうぞ。」


私はかずみちゃんの分のジュースも入れて、2つのコップを持って奥の部屋に入った。





どんな話しになったのか興味津々の私は、かずみちゃんからの報告を待つより先に切り出した。


「ねぇ・・・ママとの話しはどうだった?」


「なんだか、ママもかなり本気モード入ってる感じだったけど・・・
 最後は『フェアにいきましょ』って言ってたよ?
 自分の方が有利だと思ってたみたいな感じはあったけど。
 でも、選ぶのは滝沢さんだからねぇ・・・。」
 
「フェアにって、取り合うことになったわけ?」


「うん。でも、さっき、タクシーを降りる時に『どっちが選ばれても恨みっこなしよ』って言ってたから
 そんなに心配しなくてもいいと思うわ」


「ママに送ってもらったの?!ここに?!」


「領収書を1枚にしたいからって。ここの前まで送ってもらったけど?」


「家を知られちゃったんじゃない!!!」


さっきの運転手さんの話しが、私の頭の中をよぎった。




ママはニッコリ笑いながら、このマンションを調べたんじゃないだろうか?

私はタクシーの中で聞いた話しをかずみちゃんに説明した。


「まさか・・・。ここに来たってしょうがないでしょ?」


「でも、マンションまで送ってもらったわけでしょ?
 ここを知られたってことはママがいつ来るか、わかんないじゃん!」


「ここに来るんだったら、滝沢さんの会社へ行くんじゃないの?
 私のところに来たって、滝沢さんはいないよ?」


「違うよ!かずみちゃんが危ないって話しをしてるの!
 ママって、思い込んだら一直線の考え方しそうでしょ?
 プロポーズまでされてるって話ししてないでしょ?!
 それ、知られたら、絶対にここに乗り込んできそうな気がする!」


「え・・・?その話し、今日はしたっけなあ・・・?」


「えっ?!したの?!してないの?!どっち?!」


「・・・・言ったかもしんない・・・。」


「ダメじゃん!ヤバイよ!それ・・・。」


「あ、いや・・・ハッキリとは言ってないと思う・・・。あ~・・・どっちだろ?思い出せないや。」


「かずみちゃん、酔ってるの?!」


「酔ってるってほどじゃないけど、シラフでもないかなぁ?」


「あ~!もう!」





















ピンポ~ン♪






突然、こんな夜中に来客を知らせるチャイムが鳴った。
かずみちゃんと私は顔を見合わせ、絶句した。






誰が来たのか知りたい人は 1クリックヨロシク<(_ _*)> (笑)


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2005年06月07日(火)

<タレントの卵・営業日記>その8

テーマ:裏職歴書

これは先日からの「無謀なる野望 」の続きです。


先に序章にあたる部分と、<タレント養成所時代>

<タレントの卵・営業日記>その1 からをお読みになってから、お楽しみ下さい。


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土曜のいつもの時間、お店に入った私がマイクなどを準備していると
かずみちゃんが通り掛かりのふりをして、ステージの前までやってきた。

「ママから呼び出されてるから、帰りはいつもの喫茶店で待ってて。」


私にだけ聞こえるような声で言うと、かずみちゃんはステージから離れた。



お客さんからアフターを誘われたら、どうするんだろ?
土曜と言えば、お客さんから誘われる確率が一番高いに決まってるのに
お客さんのご機嫌すら取らずに、何の話をするんだろう?


しかも、呼び出しって・・・。
中学生の吊るし上げかカツアゲじゃあるまいし、大人のやることって不可解だわ・・・。



待てよ?!



私が一緒に付いて行くことを、ママは承知してるんだろうか?
ついてきちゃダメ!って言われたら、私はどこで待ってればいいんだろう?


もし、付いて行ったとして・・・修羅場になったら、私は止められるだけの体力はないぞ?!


滝沢さんは今日のことを知ってるのかなあ?
お店に来てないけど、どうしたんだろう?




お客さんが歌っている時、笑顔で手拍子をしたり、マラカスやタンバリンで盛り上げ芸を披露しながら
そんなことを取りとめもなく考えていた。







「今日はありがとうございました。
 また来週の土曜、みきの司会でカラオケタイムを楽しみにご来店ください。」


最後の挨拶をして私はステージを終え、かずみちゃんから言われた通り
例の喫茶店で文庫本を読みながら、かずみちゃんの仕事が終わるのを待っていた。




本に熱中していると、文庫本に影が出来た。
顔を上げると、かずみちゃんがテーブルの横に立っていた。


「みきちゃん、ごめん。ママが2人でないとダメだって・・・。
 先にマンションに帰っておいてくれる? これ、タクシー代と鍵・・・。」


「1人で行って大丈夫なの?」


「大丈夫って・・・そんな心配するようなことはないよ、絶対(笑)
 でも、もし、朝までに私が帰らなかったら、みきちゃんは仕事に行ってくれていいからね?
 鍵は予備があるから、出る時に新聞受けから部屋の中に入れておいて。」


「朝までに帰らなかったらって、余計に心配するじゃん!
 刺されたりしたら、どうすんの?!」




私の頭の中には、新聞や週刊誌などでよくあるような見出しが頭に浮かんでいた。

「美人ホステス刺殺事件 ー痴情のもつれか?!ー」
「怨恨か?!女性の惨殺死体発見」


普段、推理小説が好きで、よく読んでる割りに、大したタイトルも思いつかないのは所詮高校生だ。
しょぼい2時間ドラマのタイトルのようなものしか浮かばない(苦笑)





「大丈夫だよ。お店の系列で、遅くまでやってる中華料理屋さん知ってる?
 あそこの個室だと思うから。そんなところで殺されたりしないでしょ(笑)」


「でも!もし、○○飯店を出た後に何かあったらどうするの?!
 殺されないにしても、殴られるかもしれないんだよ?!」


「まだママの話を聞いてないんだから、殴られるとは決まってないよ?
 まあ多分、滝沢さんの話しだとは思うけど・・・
 案外『あんな男、あんたにあげるわ』って話しかも知れないしね?」


かずみちゃんは私が思ってるより楽天的な考え方をしているようだ。





このままじゃ、誰もいない部屋で待たされることになった私は
かずみちゃんが帰ってくるまでモンモンと心配し続けないといけない。
せめて早く決着がつくようにと提案してみた。


「じゃあ、合鍵がないってことにしておいたらどう?
 ママは、私がかずみちゃんのところに泊ることを知ってるんでしょ?

 明日の朝、『みきちゃんが始発で仕事に出るから』って言って
 鍵の受け渡ししないといけないからって理由にしたらどう?
 ちょっとでも早く帰らせてもらえるんじゃないの?」


私の思いつきにしては、結構ナイスだ。
かずみちゃんもすぐに同意してくれた。


「あ、そっか。そうする。みきちゃんが心配で寝られないだろうし・・・。
 なるべく早く帰れるようにするには、それいいかも。」


「待ってるから。かずみちゃんが帰ってくるまで。 私、絶対に起きて待ってるからね。」


私は何度も何度も念押しをした。

「わかってるってば。それよりタクシー代の領収書、貰っておいてね。」


そう言って、かずみちゃんはテーブルの上にタクシー代と鍵を置いて
ママとの約束の中華料理屋に向って行った。



私は少し時間をずらして喫茶店を後にした。








喫茶店を出て100mほど歩けば、大きなタクシー乗り場がある。
私はかずみちゃんから預かったお金でタクシーに1人で乗った。


タクシーの運転手さんに行き先を告げると、軽いため息が出た。




本当にかずみちゃんを1人で行かせて良かったんだろうか?
私では頼りないかもしれないが、付いて行く方が良かったんじゃないだろうか?
かずみちゃんは「何もない」と強調していたけど、万が一、何かあった時に後悔するのは私。


これから先の待ち時間がどのくらいになるのか、想像も出来ない。
不安な一夜を過ごすことになるのかと思うと、私はまたため息が出た。


ため息が聞こえたのか、運転手さんがルームミラー越しに話し掛けてきた。


「お姉さんはどこのお店?」








お・・・お姉さん?!Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)



私は一瞬うろたえた。
夜の店に出入りするようになって、私が相手をお姉さんと呼ぶことがあっても
私がお姉さんと呼ばれることはなかったからだ。


「○○町の角のビルにあるクラブって言うか、ラウンジって言うか・・・」


「ああ、知ってるよ。
 あそこのママは昔からうちのタクシーを使ってくれてるからね~」


「あ、そうなんですか。ママも水商売が長そうだから。」


「あのママは色々噂って言うか伝説があるからねぇ・・・。」




(・・。)ん?噂?!伝説!?

私は思わず、顔を上げて運転手さんの方を見た。




「あ!お姉さんはあの店の新人さん?」


運転手さんも自分が口を滑らせたことに気が付いたのか、私がホステスかどうか、探りを入れてきた。


「私、ホステスじゃないですよ。
 あの店のカラオケのステージで司会やってるんです。」


「そうかぁ・・・。そうだろうな。
 ホステスさんの服装とはちょっと違うな~と思ってたんだよ。」


運転手さんは私がホステスでないことで気を許したようだった。





狭い車内での会話を聞かされ続ける職業なので、お客さんの会話から色んな情報を入手しているのだろう。
いつもは聞くだけの立場の運転手さんが、関係者のようで部外者の私に
今まで仕入れたネタを喋りたそうな印象を受けた。


高校生の私でも、水商売の世界に長く住んでいるのが想像出来るママようなだったが
どんなプライベートを持つ人なのか全く知らなかった。


「あそこのママって昔は綺麗だったんでしょうねぇ?」


「今は年も取って、あんな風になってるけどさ。 若い頃は綺麗だったんだよ~(苦笑)」


「へぇ~・・・。その頃に会ってみたかったなあ(笑)」


「でも、顔に似合わず色々あったんだよ。
 綺麗な顔とはイメージが全然違うから、その話しを聞いた時は
 ええ~っ?!ってビックリしたもんさ。」


「何があったんですか?」


「いや~それが1つや2つじゃないからねぇ・・・。」


あのママは恐らく水商売の世界で20年以上は生きてるだろう。
でもママのことだから、とんでもない逸話があるのかも?


お喋りそうな運転手さんが話してくれそうだったので
話しを聞き出すために、私は少し水を向けることにした。








また続きかよ?!と思っても 1クリックヨロシク<(_ _*)> (笑)


最近、1クリして頂けるおかげで、一生懸命に書くことを覚えました(^^v


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2005年06月06日(月)

<タレントの卵・営業日記>その7

テーマ:裏職歴書

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私は気を取り直して、かずみちゃんに質問した。

「滝沢さんがママと寝たって・・・その根拠は?何か証拠でもあるの?」


まるで、初めて反対尋問に挑む新人弁護士のような口調になっていたと思う。




俯き加減だったかずみちゃんが、長いまつげの目を私に向けた。
余りの詰問口調に少し驚いたようだった。


「私に対するママの口調がハンパなくキツイんだもん・・・。
 今までとちょっと違う・・・なんて程度では済まないくらいに。」


たまたま、かずみちゃんが休みの日に滝沢さんがお店に来て
ママが席についたらしいことは滝沢さん本人から次の日に連絡があったらしい。

翌夕、出勤した時にママの視線が違っていることを感じたかずみちゃんは
ママに滝沢さんの接客を担当してもらったお礼を言いに行ったら

「他の女の子をつけたらマズイと思ったから、私がついただけのことよ。」

と、そっけなく言われたみたいだった。






その時は特に不信に思うことはなかったらしいが、他のホステスさんから
「ママが滝沢さんのアフターもしてたみたいよ?」と聞かされたらしいのだ。
そして、そのことを滝沢さんもママも、かずみちゃんには一言も言わなかったらしい。

「ふぅ~ん・・・。何もなかったんだったら、隠す必要はないよねぇ?」


私はかずみちゃんの話に初めて相槌を打った。
普通に飲みに行っただけとか、食事に行ったとか、人に言えるようなアフターじゃなかった可能性が高い。
なかったことにして、全く話さないこと自体が怪しい。


「これはかずみちゃんの妄想だけで終わりそうにないなあ・・・」と感じた私は
まず、かずみちゃんの気持ちと、この先どうしたいのかを確認した。





「ママと寝たのが事実だったとしたら、それは許せるの?」


「1度きりの関係だったら、それはそれで許せると思うけど・・・。
 この先、続きそうだったら、それは許せないかもしれない。」


「許せないってことは、もう滝沢さんとは付き合えないってこと?もう別れるってこと?」


「別れるかどうか、それはまだわかんない。
 付き合えないって、はっきりも言えない・・・。」


この答えを聞いて私は
「ひょっとして、かずみちゃんの方が滝沢さんに惹かれてて
 滝沢さんはかずみちゃんに本気じゃないのかもしれない」
と考えた。


滝沢さんのプロポーズは本気だったんだろうか・・・?
水商売に入ってすぐのかずみちゃんを騙す気なんだろうか?
ママとは浮気?それとも本気?
いや、その前に・・・ママは本気?それとも浮気?


次々と疑問が沸いてくる。






黙ったままになった私に、かずみちゃんが声を掛けてきた。

「ねぇ・・・みきちゃん、しばらく土曜の司会に入ってくれない?」


「えっ・・・?」


「なんだかイヤな予感がするの。これから先・・・。
 だから、滝沢さんともママとも、しばらく距離を置きたいの。
 みきちゃんが土曜の夜に店が終わって、ここに泊ってくれたら
 滝沢さんのアフターも断れるし・・・。」


「急に言われても、土曜の子と相談してみないと・・・。
 今すぐに返事は出来ないよ?」


「うん、無理にとは言わないけど、出来るだけお願い。」
 
それから明け方近くまで話をして、2人仲良く並んで寝ることにした。
翌日の昼前、私はかずみちゃんの部屋からイベントの仕事に向った。





後日、土曜の担当MCの子と相談をして、翌々週から交代してもらうことになった。
そのことをかずみちゃんに連絡した。


「よかった。段々ママの態度が変になってきてるし、調度いいタイミング。
 ごめんね、こんなこと頼んでしまって。」


「ううん、最近日曜の仕事も入ってるから 
 かずみちゃんのところは交通の便もいいし、気にしないで。」


それからは土曜のMCに入り、その後、かずみちゃんのマンションで毎週のように泊ることになった。
かずみちゃんは私が泊る時に、気を使わないで済むようにと、私専用のソファベッドを壁際に置いてくれた。





私が泊りに行くようになってからは毎週、かずみちゃんからその後の報告話を聞き
仮眠した後、日曜の営業へ出るのがパターンになって1ヶ月半ほど経った頃だっただろうか?


「ママの態度が最近おかしいんだよね・・・。」


かずみちゃんが推測するには、滝沢さんとかずみちゃんの仲が進展する訳でもなく
かといって、完全に別れた気配がないので
ママが滝沢さんを取り込もうとして必死になっていると言うのだ。

年齢が一回り以上違う年下の男に、そこまでご執心になるにはママの方にも理由があるはずだ。

かずみちゃんがいくら聞いても、滝沢さんは否定するらしいが
ママの執着具合から考えて、1度くらいは大人の関係を持ったのだろう。



ママと言っても雇われママなので、同伴ノルマがない訳ではない。
お客さんを横取りするつもりで、体を張ったんだろうか?



いや、無理にかずみちゃんのお客さんを取らなくても
ママ目当てで通ってくれているお客さんの数はかずみちゃんより多い。
顔は鬼瓦風であっても、客扱いの上手さや面倒見の良さで
ママには十分、固定のお客さんがついているのだ。



じゃあ何故・・・?



もうここまでくれば、他に考える余地はない。ママは滝沢さんに惚れたのだろう。

かずみちゃんが2人から距離を置いたことで
滝沢さんはお店で、かずみちゃん以外の子をテーブルに一切呼ばなくなった。

私には、それが余計にママを苛立たせているように思えた。





ママの態度がおかしいと聞かされた翌週に事は起きた。

かずみちゃんのイヤな予感が的中したのだ。







また続きかよ?!と思っても 1クリックヨロシク<(_ _*)> (笑)


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2005年06月03日(金)

<タレントの卵・営業日記>その6

テーマ:裏職歴書

これは先日からの「無謀なる野望 」の続きです。


先に序章にあたる部分と、<タレント養成所時代>

<タレントの卵・営業日記>その1 からをお読みになってから、お楽しみ下さい。




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タクシーがマンションの入り口の前に着いた。
料金は3000円ほど。
かずみちゃんは滝沢さんから貰った一万円で支払った。



かずみちゃんの住むマンションの隣には小さなコンビニがあった。


「みきちゃん、ジュース買っていこ。」


「あ、うん・・・。」


私はかずみちゃんの後に付いて、コンビニに入った。
かずみちゃんはジュースやお茶、お菓子をカゴに入れてレジに向った。

私が慌てて財布を取り出すと


「滝沢さんから貰ったおつりがあるから、いいよ(笑)」


と、さっさと支払いを済ませ、マンションへ向った。




エレベーターのついていない5階建てのマンション。
かずみちゃんの部屋は2階にあった。


「散らかってるけど、どうぞ。」


促された私は、かずみちゃんより先に玄関に入った。
中を見ると台所部分が少し広めの1LDK。
奥の部屋は畳になっているようだ。




靴を脱いで、1歩入った台所のあたりで立っていると
かずみちゃんがテキパキと部屋の片付けをし始めた。


「そんなところに立ってないで、上がって~。」


「あ、お邪魔します。」


かずみちゃんは読み掛けの雑誌などを部屋の隅に置き
壁際の小さいテーブルを引っ張り出してきた。





出されたテーブルの前に私が座っていると
かずみちゃんがさっき買ったジュースに氷を入れて運んできてくれた。


「今日はごめんね。突然呼び出したりして・・・。」


「ううん。私こそ、滝沢さんとのアフターの邪魔しちゃって・・・。」


かずみちゃんは3段ほどの低い整理ダンスの上から灰皿を取り
バックからタバコを取り出し、火をつけた。
私もつられるように、自分のタバコを出して火をつけた。


「今日は滝沢さんがお店に来るのがわかってたから
 みきちゃんについてきて貰いたかったの。」


かずみちゃんは細長く煙を吐き出した。





滝沢さんはかずみちゃんのお客さんで、同伴もしてもらってるはず。
かずみちゃんが早出の日は、アフターに誘われるのもわかっていたのだろう。

今までのかずみちゃんなら、2人きりでアフターに行っても
上手くかわして危険なこともなかっただろうに・・・今日に限って何故?
私にはかずみちゃんの意図が読めなかった。


「2人きりの時、何かマズイことでもあったの?迫られたとか・・?」


「あー・・・迫られた方がマシだったかもしれない。(笑)」


「へっ?!」





お店ではかなり紳士的な態度で飲んでいる滝沢さんが
まさか、かずみちゃんを強姦したとか・・・?!

一瞬、私の頭の中で想像が妄想に変わりかけた。






「あ!みきちゃん、何か変なこと想像してるでしょ?!
 違うよ、違う!襲われたとかじゃないってば・・・(笑)」


「顔に出てた?!(笑)」


「ステージを降りたら、普通の高校生だねぇ?
 すぐわかったよ。みきちゃん、顔に出まくり(笑)」


まだまだ人生の修行途中の私。
心の中で思ったことが、すぐ表情に出ていたようだ。







「んー・・・じゃあ何?何があったの?」


下手に気を使って遠回しに会話を駈け引きすることを諦めた私は直球な質問を投げた。


「うん・・・実はさぁ・・・。
 滝沢さんからプロポーズ?みたいなこと言われて・・・。」


「えっ?!良かったじゃん♪一応社長さんだし。」


「う~ん・・・それだけだったら相談しないってば。」






かずみちゃんの話しを要約すると、次のようなことだったらしい。


同伴の前やアフターの時、食事に行ったり買い物に付き合ってあげたり、もらったり
そんなプチデートのようなことを繰り返しているうちに
滝沢さんが、かずみちゃんに対して本気になった。

結婚を考えてるから店を辞めて欲しいと滝沢さんは思っている。


そして・・・
滝沢さんとかずみちゃんの仲の良さをママが快く思っていないらしいこと。





フムフムとここまで話しを聞いていたが、私は不思議に思った。


何故、ママが快く思わないのだろう・・・?

確かにお店のルールでは、お客さんとの店外恋愛は禁止だけど、結婚となれば話しは別なんじゃないの?


でも、かずみちゃんに店を辞められるとホステスの平均年齢が上がって
お客さんが減るから、ママは快く思わないのだろうか?


かずみちゃんが滝沢さんを好きだったら、それで問題ないんじゃない?
ママが反対しようと、一緒になりたかったらそれでいいじゃん。


ここまで考えて、私はかずみちゃんに質問した。





「ねぇ、なんでママが快く思ってないと、かずみちゃんは思ってるわけ?」


かずみちゃんに全く心当たりがないなら、一緒に考えてあげたいし
心当たりがあるなら、解決方法を考えてあげたい。
そんな純粋な高校生の気持ちからの質問だった。


「うん・・・・・」


かずみちゃんがしばらく黙り込んだ。






こういう時、私が慌てて話し掛けるより
かずみちゃんから話し出すのを待つ方が良いことを本能的に知っていたので
私は同じように黙ったまま、かずみちゃんから話し出すのを待った。


冷えたオレンジジュースの入ったグラスの水滴を指先で触っていたかずみちゃんが
目線をグラスに向けたまま呟いた。


「滝沢さん・・・ママと寝たことあるんだと思う。」




エェッ!?(* □ )~~~~~~~~ ゜ ゜
鬼瓦権蔵のような顔のママが?!

滝沢さんと?!



私は口から心臓が飛び出すかと思うくらいに驚いた。
年齢だって1回り以上違うように見える。
どこをどう考えれば、あの2人が大人の関係になれるんだろう?!

私は目を丸くしたまま絶句した。


滝沢さんに惹かれているかずみちゃんの女の勘なのか?
それとも単なる勘違いなのか?


勘違いであってくれ・・・



私は祈るような気持ちで、かずみちゃんの次の言葉を待った。







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2005年06月01日(水)

<タレントの卵・営業日記>その5

テーマ:裏職歴書

これは先日からの「無謀なる野望 」の続きです。


先に序章にあたる部分と、<タレント養成所時代>

<タレントの卵・営業日記>その1 からをお読みになってから、お楽しみ下さい。




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滝沢さんは31才の青年実業家・・・と思っていたが
お父さんが交通事故で亡くなって、町工場を引き継いだらしい。
ここ3年ほどの間に急成長させ、かなり羽振りがいいと言う噂は、かずみちゃんから聞いていた。


暗い店内でなく、スポットの当たるステージでもなく
ごく普通の照明の喫茶店で見る滝沢さんは、特別な男前と言うほどではなかった(笑)




「うん、かずみちゃんとみきちゃんが約束してるって聞いていたから
 じゃあ一緒に夜食でもどうかな?と思って(笑)」
 
「んじゃ・・・遠慮なく、お邪魔させてもらいます~!」


私の返事を聞くと同時に、滝沢さんは私のテーブルの上にあった伝票を取り

レジに向かって歩いて行った。


「あっ・・・」


私は自分で払うものだと思っていたので、滝沢さんの後を追い


「それ、私が・・・」


と声を掛けようとしたら、かずみちゃんが素早く私の腕を掴み


「こんな時、こういうのは男の人に払ってもらって、ごちそうさまって言っておけばいいの。」


はあ・・・そういうもんなんですか。





私がかずみちゃんと約束したのだし、ミルクティを飲んだのも私だから
自分で払うのが当然だと思っていた。


それまで食事に誘われるような時は、店を出てそのまま移動したので

その食事分を払って貰うことには抵抗なかったのだが

今日のような場合は、自分で払うべきだと思っていたのだ。


かずみちゃんにとってはお客さんとのアフターになるから
全部お客さんに出して貰ってもいい、という感覚だったのだろうが
私にはまだ理解出来ていなかった。






感覚的に違和感は残ったが、喫茶店を出て「ありがとうございます」とお礼を言い
滝沢さんの後をかずみちゃんと並んでついて行った。


かずみちゃんが小声で私に聞いてきた。


「ねえ、泊まってもいいの?家の方は大丈夫なの?」


「うん、連絡は入れたから大丈夫だよ。」


「よかった。滝沢さんと一緒だから、後でね。」


「うん・・・。」


まだ、かずみちゃんから説明してもらえないことで、少し不信感を持ったが
お客さんと一緒では、何も言えないのだろうと無理に納得した。





壁にお品書きの札がない高級寿司屋で、お腹一杯になるまで食べさせてもらい
私の他愛もないギャグに滝沢さんは大笑いしてくれて、楽しい夜食タイムが終わった。


お寿司屋さんを出ると、かずみちゃんと私はタクシー乗り場まで送ってもらい
私たちがタクシーに乗り込むと同時に、滝沢さんがかずみちゃんに一万円札を渡していた。


「みきちゃんも一緒で楽しかったよ。」


先に乗り込んで奥に座っていた私に声を掛けてくれてから、滝沢さんはタクシーのドアから離れた。

タクシーが走り出す寸前に、私は滝沢さんに向かって会釈した。

かずみちゃんはマンションのある場所を運転手さんに告げたままで、ずっと黙り込んでいる。


小さなボリュームでAMラジオの流れる車内。
あまりの沈黙に耐えられなくなった私が口を開いた。


「滝沢さんって、いい人そうだね?」


顔を窓の方に向け、黙っていたかずみちゃんが私の方を見た。


「んんっ?そう・・・?みきちゃんはそう思う?」


かずみちゃんは私の目を覗き込むようにして聞いてきた。


「うん、かずみちゃんが目当てっぽいのに私が一緒でもイヤな顔しなかったし
 奢ってくれたし、タクシー代まで出してくれてるんでしょ?」


「うん・・・そうなんだけどね・・・。」


かずみちゃんはまた窓の方を見詰めて黙ってしまった。






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2005年05月30日(月)

<タレントの卵・営業日記>その4

テーマ:裏職歴書

これは先日からの「無謀なる野望 」の続きです。


先に序章にあたる部分と、<タレント養成所時代>

<タレントの卵・営業日記>その1 からをお読みになってから、お楽しみ下さい。




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週に1度のカラオケの司会に通い始めて2~3ヶ月もたった頃だろうか?
土曜のピンチヒッターを頼まれた私は混雑する店内でMCをしていた。


次から次へとリクエストの紙が私の元へ持って来られ
慣れた手付きで順番などを捌き、軽快に喋り
お客さんから「可愛い♪」など、野次とも声援とも取れる掛け声を頂いていた。


調度、1ステージ目の終わり頃、ホステスのかずみちゃんから
カラオケの曲目を書いた紙の下に、走り書きのメモを挟んで渡された。


お客さんが歌っている最中だったので、走り書きに目を落とすと、そこには
みきちゃんへ
 1ステージ目が終わったら、更衣室に来て下さい。
 ちょっと相談したいことがあるので・・・     かずみ
」と書かれていた。


なんとなく直感で「この紙は他の人に見られてはいけない」と思い
見た直後、私はポケットに捩じ込んだ。




かずみちゃんはこの店に勤め始めて1年くらい。
店の女の子としては最年少で、MC最年少の私によく話し掛けてくれた人。


カラスの濡れ羽色と表現出来そうな、かずみちゃんのストレートの髪は
肩甲骨のあたりまでのロングヘア。
夜の世界の派手な化粧に慣れていないのか、他のホステスさんと比べて
やや薄めのメイク。


北陸方面の出身で、少し訛りがある大人しい感じの人だ。




曲の準備などをしながら「高校生に相談って・・・何だろう?」と思いつつ
私は1ステージ目を終わらせた。






私は1ステージ目が終わり、2ステージ目までの休憩時間中
よく、常連さんからジュースを頂いていた。

席についているホステスさんから呼ばれて「○○さんがジュースくれるって」
30分の休憩中、ずっとテーブルにご一緒させてもらうこともありました。


私がマイクを持って喋っている時に

ワザワザ注文したジュースを持ってきてくれるお客さんもいらっしゃったが
こちらは、かなり自己アピールしたい人なのがわかるので
マイクを通して「○○さん、ありがとうございます」など店中に聞こえるようにお礼を言うと
お客様の顕示欲も満足なようで、次の時もまたジュースをくれるようになるという小技も覚えました(笑)






私はジュースをゲットするチャンスより、かずみちゃんからの相談が気になった。
こっそりメモを渡してくるということは、他の女の子たちに知られたくない内容のはずだし・・・。

相談内容に心当たりのない私は、マイクのボリュームを切って
ステージ横の休憩室にこっそり向った。


以前ジュースを貰えない時や、お客さんと喋りたくない時は
この更衣室によく隠れていたので、別段不思議に思う人はなかったはず。

私が更衣室に入るとすぐ、かずみちゃんがやってきた。

ホステスさんたちも更衣室に私物を取りに行くことがあるので
他のホステスさんが見ても「たまたま」2人同時に更衣室へ入っていったと思ったはず。





更衣室に入ると同時に、かずみちゃんが私に話し掛けてきた。
かずみちゃんは勤務時間中だから、ゆっくり更衣室で喋っていてはマズイのだろう。


「みきちゃん、急にごめんね。今日、どうしても家に帰らないといけない?
 高校生だから泊ったらマズイ?」


「えっ?どういう意味?」


「今はあんまり時間がないから説明出来ないんだけど・・・
 今日、私のマンションに泊りにきてくれない?」


「あ、いや、そのぉ・・・何かあったわけ?」


「うん、ちょっとね。詳しい事は店が終わったら説明するけど。
 みきちゃんの終わる時間の30分後にお店を引けるから
 お店を出た左の角のとこに24時間の喫茶店があるでしょ?
 あそこで待っててくれない?」


「うん・・・いいけど・・・?」


「もし、ダメだったとしても終電には間に合うでしょ?」


「あ、うん・・・。」


「じゃあ、そういうことで。」


かずみちゃんは言い終わると、すぐに更衣室を出ていった。
私がすぐに出ることで、みんなから変に思われるのもイヤだったから
しばらく更衣室で考え事をしていた。


かずみちゃんの相談って結局何なんだろう?
遊びに来てねって前に言われてたけど、それと違うのはわかる。
ホステスを辞めたいとか、そんな相談かな?それだったら店では話が出来ないのもわかる。


ここまで考えて、ようやく、かずみちゃんのマンションに泊まりに行こうと思い立った。





それまで、事務所を通さない泊りの仕事を何度かしていたので
親に対しての言い訳は別段困らない。
「○○先輩が急に代ってって連絡してきたから」と、電話1本入れれば済む。


携帯が普及していなかった時代の話なので
取り合えず、休憩時間中に店の外に出て、家に連絡することにした。





親を誤魔化すのは得意技だった私は、泊ることだけ連絡を入れた。
店に戻って2ステージ目のMCをし終え

かずみちゃんから指定された喫茶店に移動し、ミルクティを注文した。

持っていた文庫本を読み始めて10分もしないうちに、かずみちゃんが現れた。


「みきちゃん!ごめんね!待った?」


声を掛けられ顔を上げると、かずみちゃんの隣には店にいたお客さんが立っていた。


「あれ?さっきの・・・」


いつもカラオケのリクエスト用紙で名前を読み上げるのだが、この時の私は咄嗟に名前が出ない。


かずみちゃんが1人で現れるものと思い込んでいたせいなのか
記憶力が悪いせいなのか・・・
店で見掛けたお客さんであることは間違いないので、私は営業スマイルで誤魔化した。


「みきちゃん、お寿司好き?滝沢さんが奢ってくれるんだって。」


あ!滝沢さんって言うんだった!と思ったが、顔には出さない(苦笑)


「えっ?私も連れてってもらっていいんですかあ?」
 
ステージを降りて、普通の高校生に戻っている私は無邪気に笑顔を向けた。







こんなところで続きかよ?!早く書け~!人も 1クリックヨロシク<(_ _*)> (笑)


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2005年05月27日(金)

<タレントの卵・営業日記>その3

テーマ:裏職歴書

これは先日からの「無謀なる野望 」の続きです。


先に序章にあたる部分と、<タレント養成所時代>

<タレントの卵・営業日記>その1 からをお読みになってから、お楽しみ下さい。




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先輩がカラオケの司会に入る水曜の18時に、喫茶店で待ち合わせをし
1回目が19時からなので、10分前にお店に入りました。

おはようございま~す!


おはようございま~す!


先輩に続き、店内に入ると、カウンターの中でマネージャーがシェィカーを振りながら
挨拶を返してくれました。




先輩に続いてカウンターの側に行くと、マネージャーに紹介して貰えました。


今度、誰かが休む時、代りに入ってもらうことになったみきちゃん。
 同じ養成所の後輩なんです、よろしくね。


あ、よろしくお願いします。


ピョコンと頭を下げると、マネージャーが


こちらこそ、よろしく。ママにも挨拶してきてくれる?
 関口さんのテーブルだから、そのまま行って。




先輩が店内のママを探すために振り返ったことにつられ
私も同じ方向に顔を向けると、お店の中は既に半分以上席が埋まっています。

薄暗い店内の中、スーツ姿のお客さんが多いのがわかりました。

年齢層はやや高め。
1つのテーブルに1人づつホステスさんがついてる模様。



どの人がママなのか、どのテーブルが関口さんのテーブルなのか、私にはさっぱりわからない。

それでも先輩はママを見つけたらしく、私を促し店内を歩き出した。


近づいてみて (⌒▽⌒;) オッドロキー

水商売の雇われママだと言うのに、美人ではないのだ!
高校生みきちゃんにとっては、かなりの衝撃だった。


今なら水商売は顔じゃないと言うのも十分知っているが
当時の私は、水商売で売れっ子orママ = 美人 の図式が頭にあって
この人が何故、ママ・・・?」と・・・。


年齢的には40才過ぎだろうか?
かつては美人だったのかもしれない面影はあれど
厚く塗られた化粧の下にはかなりのシワが刻まれている。
言葉を選ばずに表現するのなら、かなりの「やり手ばばあ」風味な顔。


スタイルも決していいとは言えず、ロングドレスの下を想像するのも
私的には避けたい感じ・・・ (;´▽`A``





先輩が声を掛けると同時に、ママが私を見た。
と、次の瞬間・・・




鬼瓦なやり手ばばあな顔が一瞬にして天使に変わった!
o(@.@)o ナンジャコリャ!!









決して顔立ちの話しではない。
ママ特有の豹変した営業スマイルが、私の目には天使に映ったのだ。
ああ、男はみんな、これに騙されるんだ・・・。
私はなんとなく、水商売の女性に入れ込む男性が多いのが納得出来た。




先輩から紹介され、ママからは

和美ちゃんの後輩だったら大丈夫ね?細かいことは後にして・・・
 取り合えず、和美ちゃんのステージを見せてもらったら?
 マネージャーに言って、ジュース貰ってカウンターにでも座ってて~。


はい、よろしくお願い致します。


テーブルを離れた私は、カウンターの席に戻った。



この店は女性が席につくのだから、カウンターに座るお客さんはほとんどない。
カウンターの横にあるトイレの順番待ちで、お客さんや店の女の子が休憩に腰掛ける程度。


私は1人でマネージャーの入れてくれたオレンジジュースを飲みながら
先輩がステージに上がって準備しているのを眺めていた。


1ステージ目は19時から1時間半と、30分の休憩の後、21時から1時間半の2回。
ジュースを半分も飲み終わらないうちに先輩のステージが始まった。





テーブルに置いてあるメモに、テーブルNoとお客さんの名前、曲名を書いて
ステージの上の先輩のところにホステスさんが持ってくるのを
持ってきた順番ではなく、1テーブルに偏らないよう適度に分散して次々に捌いていく・・・。


ステージに上がってすぐのお客さんではなく、歌い終わってから
さり気なくインタビュー風にトークしたり・・・
常連のお客さんだろうか?先輩はデュエットこなしている。

私は「見てて飽きない、飽きさせないステージだな」と感じた。





あっと言う間に1時間半のステージが終わる・・・と思った寸前に
先輩がマイクで私を呼んだ。


「今日は私の事務所の後輩、みきちゃんを連れてきてます。
 みきちゃん!こっちへきて~。」


エッ? (;゜⊿゜)ノ マジ?
今日は見学だけって話しだったじゃない?!私をステージに上げていいの・・・?


焦りまくる私に、カウンターの中からマネージャーが声を掛けてくれた。

お客さんに顔を売っておくと、本番の日が楽になるから行っておいで。


確かにそうかもしれない。
腹をくくって、先輩のところへ向かった。






「みきちゃんは18才、現役の高校3年生なんであまり苛めないでね?
 特に、野田さんあたりはお酒を勧めないようにね~(笑)」


私がステージの側まで歩いていく間に簡単な紹介をしてくれている。

そう、ここでは18才で通さないといけないのだ。

「野田さんって誰だぁ?常連さんかぁ?
 タチの悪い常連だったらどうしよう・・・。」

頭の中では色んなことを考えているが、歩きながらテーブル方面に愛想笑いは忘れない。




ステージから見て右奥のテーブルに、手を顔の前で振っている男性が見えた。
恐らく、あの人が野田さんだろう。
先輩の冗談に怒っている様子ではなく、隣のホステスさんと談笑している。




ステージに上がると、私は先輩から
デュエット用に置いてある、もう1本のマイクの音量を上げて手渡された。

マイクを握った私は「取り合えず、ご挨拶だな」と息を吸い込んだ。

みなさぁぁぁん、こんばんわぁぁぁ・・・。」


私の第一声は思いっきりエコーがかかったままだった _| ̄|○


「あ!ごめんなさ~い!さっきシンさんとのデュエットのままでした!」

店内爆笑。







自分のトークの時にはエコーのボリュームを上げ下げしてるのに、私のマイクだけ下げ忘れるはずがない。
その時は一瞬「恥かかせるようにハメられた?!」と思ったが・・・
よく考えてみれば、こんなことで笑いがおきてること自体が、私には理解出来ていなかったのだ。


酔っ払いの中年のおじさまたちにとっては、(おじさまから見れば)小娘程度で、
しかもホステスさんとは違う目線で見ている私たちMCの女の子。
その中でも最年少になる私には可愛らしさを求められているんだと言うこと。


だから、こんなドジっぽい方がウケるのだということ。


この時は具体的にわからなかったのだが
私は次の瞬間、本能的に自分のニーズをはっきり認識していた。







3分ほど先輩とトークして、お客さんにアピールして30分の休憩に入った。
先輩とカウンターに戻ると、ホステスさんが次々「これ、○○さんから」と

私のところへジュースを持ってきてくれる。


店のマネージャーが

「掴みはOKだったんじゃない?
 お客さんからこれだけジュースが届くから(笑)」

と言ってくれたが、高校生の私には今1つ実感が沸かない。





しかし、届くジュースはお客さんの奢りになるのだから
お金を払ってでも「あの子にジュースをあげよう」と思って貰えたのだ、と

先輩からの説明で、ようやく納得出来た。


こういう基本的なことも、理解してない世間知らずの高校生が
水商売の世界でやっていけるのだろうか?と不安になった。





今になって考えれば、お客さんのニーズを瞬間的に掴む能力があるのだから
過度に不安になる必要はないのだが・・・。
当時は「本当にこれでいいの?」と本気で思っていた。


この「瞬時に相手を読み取る能力」は、今もさほど衰えてはいない。
あらゆるシーンで活用している。
この頃の経験があったおかげで、今の私はかなり得をしていると思う。
何にどうお得なのかは、後日機会があれば披露します(笑)







酔っ払ったおじさま相手のMCも、先輩の2回目のステージを見て
なんとなく掴んだ私は2週間後、1人で舞台に立たされることとなった。
泊り仕事の入った別の先輩のピンチヒッターだ。


その日の私は若さと可愛らしさをアピールし、おじさまたちに気に入られ
帰りがけにはマネージャーやママにもお褒めの言葉を貰い、気分良く帰らせて頂いた。


2回目はお客さんにドアのところまでお見送りされるほど気に入って貰えた(笑)





そして翌月、私は週に1度水曜日のMC担当のポストを頂いた。

この店は月曜と水曜のお客さんの入りがやや落ちる日で
慣れない私への配慮と、元の水曜担当のMCの人気がいまいちだったことで
転がり込んできたのだと思います。


後で聞いた話では、私が入ることになったため、元水曜担当者には社長が自ら
長く来てもらって、慣れすぎた。お客さんも新鮮な子を欲しがってるんで」と、断ったそうな。
(≧≦) ゴメンヨー!先輩!





事務所からの仕事などで、何度かお休みを頂いたこともあったし
他の人のピンチヒッターで週に2度MCに入ったこともあった。
結局、ここのMCは1年くらい続けたと記憶している。




定期的に店のMCに通うようになると、店の内部の人間模様も見えてくるし
私を可愛がってくれるホステスさんやお客さんとも仲良くなっていく。


22時半で終わった後、お客さんから誘われることもあった。
そんな時は、必ずママやホステスさんが付き添ってくれるし
私の年齢を考慮して、必ず終電までに帰して貰って、危ないこともないまま
2~3ヶ月過ぎたのだが・・・



何があったんだ?!早く書け~!人も 1クリックヨロシク<(_ _*)> (笑)



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2005年05月24日(火)

<タレントの卵・営業日記>その2

テーマ:裏職歴書

これは先日からの「無謀なる野望 」の続きです。


先に序章にあたる部分と、<タレント養成所時代>

<タレントの卵・営業日記>その1 をお読みになってから、お楽しみ下さい。




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昼間のMCの仕事に慣れた頃、私は先輩に誘われて、夜の新しい仕事を紹介してもらうことになり
「面接」名目で誘われ、連れて行ってもらうことになりました。

道中、先輩から話を色々と聞かされると、この社長はクラブ(踊る方じゃないよ?笑)だけではなく
和食専門店、炉端風居酒屋、中華料理屋、ラブホテルなどなど
客商売系の店をいくつも持っていることがわかりました。

しかも全部自社ビルです。

雑居ビル内に入ってる小さい店もありましたが、そのビルも実は社長の持ち物だったりします。

その店の中の1つで、クラブとラウンジの中間くらいのお店の中にある
カラオケステージの司会の仕事を紹介してもらうことになったんです。
月~土曜の毎日、曜日替わりで司会が入ってるカラオケステージです。


先輩の仲の良い人たちで、仕事を回しているようでしたが
事務所の仕事が入ったり、オンエアのオーディションなどで、どうしても時間に間に合わないこともあるので
ピンチヒッター要員として、私を紹介する・・・と言う話でした。





先輩は初めて事務所を通さない仕事をする私に、念入りな注意をくれました。


「事務所を通してない仕事だから、絶対に内緒だよ?
 それと社長は若い女の子が好きだから、気をつけること。」


若いって・・・その時の私、高校生ですやん・・・_| ̄|○








「16才じゃマズイから向こうには18才って言ってあるからね。
 それも忘れないでよ?みきちゃん。」


はいはい・・飲み屋の仕事は18才からですか。







その時、私が考えたのは「若い女の子が好きって社長、ヤバくない?
今は昼間だし、先輩も一緒だから、とんでもない事態だけは避けられたとして
仕事に入ると夜遅くなるし、1人だし、社長が店に来ないととも限らない。
そんな中、自分の身は自分で守らなきゃいけない。

大丈夫か?!私?!


かなり不安な気持ちを持ちつつ、目的地に到着すると
そこは某高級クラブ(踊る方じゃないよ?もう1回念の為。。笑)
の林立する場所の外れにある社長の事務所でした。


「こんにちわ~。」


先輩が声を掛けてドアを開ける後に続き、私も入室。


「お邪魔しま~す。」


入った瞬間、私は目を疑いました。





高校生の私の頭の中で考えられる「お金持ちそうな社長の事務所」とは
全くかけ離れた雑然さ。


「きっ・・・きちゃない・・・。」

思わず、口をついてしまいそうになる言葉をぐっと飲み込み
高校生みきちゃんは、笑顔で先輩の後ろについていきます。


事務員さんなのか、秘書なのか、わからない女性に案内されて
事務所の隅に置いてある応接セットに先輩と座りました。


パーティションで区切られただけの事務所なので
さっきの女性が社長に電話してるのも筒抜けに聞こえます。


「社長~、○○さんがお見えになってますよぉ~?どうしますぅ~?
 今日はお約束されてたんですかぁ~?」




言葉は丁寧なのかも知れませんが、語尾の伸び方がマヌケ・・・( ̄o ̄;)ボソッ

あの語尾の伸ばし方は相手に対して甘えを強調する女性特有のもの。

こりゃ秘書や事務員じゃないなあ・・・。
高校生の私でも、そんなことくらいわかります。

私が想像するに、社長の愛人の1人なのかもしれません。
だって、平日の昼間の会社の社員にしては、あまりにも念入りな化粧だったんですから(笑)




お茶を運んでくれる時、もう1度マジマジと女性を見詰めてみると、肌の色が微妙に日本人と違います。

東南アジア系の女性じゃないかな?と思い、顔を観察すると
そんなに化粧しなくても美人じゃないのぉ~?!って思わせる感じです。


恐らく、元々まつげが濃いのに、その上へ付けまつげ。
黒いアイラインは上下にクッキリ入っています。
チーク(頬紅)もそんなに、はっきり入れるもの?!ってくらいに入ってます。

率直な感想としては、元々美人なのに勿体無い・・・としか言い様がありません。







真っ赤に光る口紅がた~っぷり塗られた口から

すぐこっちに来ますとのことです。しばらくお待ちください。

と言われた時に確信を持ちました。
アクセントが微妙に東南アジア系の人なのです。


アクセントの違いを文字にするのは難しいので、ここは1つ、雰囲気で理解してください(笑)







この頃も今も思っているのですが、外国から出稼ぎ(?)に来ている人って
基本的に頭のいい人ばかりじゃないでしょうか?


例えば、日本の風俗が稼げるからと安易に思って来日したとしても
体だけ良くても仕事が上手くいくとは限りません。
お客様と全く会話なしでは、どんな商売にもなりませんからねぇ。


この女性もしかり。

きっかけはどうであれ、日本の昼間の会社で、事務員として働こうと思ったら
日本人を相手に会話が成立するだけの言語能力が必要になります。
相手の話を聞いて、理解して、伝達する日本語能力がなければ務まらないのですから
日本語の勉強も大変だと思います。








その美人がお茶を置いて離れてから、私たちは15分ほど待たされ、社長がやってきました。


「やあ~!お待たせ~!」


ドアを開けると同時に大きな声が天井から降ってきました。


押し出しのいい声、と書けば判ってもらえるでしょうか?
ちょっとダミ声風なんですが、張りのある自信たっぷりな感じです。




声に驚いて振り向いた私は、もう1度驚きました。


でっ・・・でかい・・・。


パーティションの向こうに見えたその社長さんの身長は推定185~6cmと言うところでしょうか?
身長もさることながら、肩幅など恰幅が良いのです。

後で聞くとアメフトをしてたそうなんですが
はっきり言って、この人に防具は必要なさそうです(^^;




色が黒いのはアメフト時代の名残なのか、ゴルフ焼けなのか・・・?
事務所の入り口付近にあったゴルフバックを見逃してなかったので
色白の社長が現れるとは予想してなかったのですが・・・
ここまで黒いとは?!ってくらいに黒いんです。


松崎しげるも真っ青になるくらいに黒い(笑)


で、色黒で体格のいい男性がダブルのスーツに身を包んでいると
ヤ○ザに見えてしまうのは私だけでしょうか?(汗)







社長が応接セットのところへやってきたのと同時に、先輩と私は立ち上がって挨拶を交わしました。
その時貰った名刺を何気に裏返すと、はみ出るかと思われる勢いで
やっている事業名が書いてありました。

「色々手広くやってらっやるんですねぇ・・・?」

素直な感想を私が漏らすと、社長は満面の笑み。

「色々やりすぎて、何やってるのかわからなくなるくらいだ。」
┌( ̄0 ̄)┐ ワーッハッハッハッ・・・・


    ↑
私の目の前でこんな感じで笑っているところを想像してみてください。

高校生の私にとっては「さっぶい」笑顔でした(^^;






脂ギッシュな顔立ちをじっと見ていると、想像は妄想を呼び
社長が若い女の子好きと言う、さっきの忠告も合わせて

「この社長に羽交い締めされてホテルにでも連れ込まれたら
 私は絶対に逃げられないな・・・(-"-;)」

なんて考えも頭の中を過ります。


高校生の考えることなんて、この程度です ヽ( ´ー`)ノフッ






私が無駄な妄想から現実に戻ってきた頃、先輩が社長にカラオケの司会の話をしてくれていました。

「みきちゃんだったら、ピンチヒッターじゃなく
 レギュラー持たせても大丈夫だと思うんですけど・・・?」



(゜Д゜) ハア??毎週、固定曜日にカラオケの司会?!
私は高校生なんだぞぉ~~~~?!

とは思ったものの、定収入のチャンスですから黙ってしまいました(笑)





気がつくと1~2回、ピンチヒッターと言うことで投入し
社長の気に入らない子と私をチェンジすることに決まっていました。

そんなこと言われても、大人の世界は全く初めて。
しかも酔っ払い相手のMCなんて、やったことありません。

ヽ( ̄ー ̄ )ノおてあげ 





取り合えず、見てみないことには出来るかどうかもわからないので
遠慮がちに質問してみました。


「あのぉ~カラオケの司会と言われても、店の雰囲気もわからないので
 1度見学に入ってもいいですか?」


提案は即採用されて、次に先輩が司会に入る日、私が同行することに決まりました。





(・・。)ん?こんなところで続きかあ?!と思った方は 1クリックヨロシク<(_ _*)> (笑)

1クリックが終わった人は<タレントの卵・営業日記>その3 へどうぞ(笑)

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