玲子の場合 序章 | キャリアウーマンのそれぞれ -「タレントの卵・営業日誌」連載中-

玲子の場合 序章

「ふぅ・・・」
 ため息をつきながら顔をあげると、机の上のデジタル時計は22時を過ぎていた。
 明日の午後からの会議用の書類がやっと完成した。

 幹線道路沿いにある商社ビルの8Fの窓から見える寒々とした空気。
 誰もいない部屋はスーツの上着を脱げるほどの暖房がきいていた。
 職場で乱れた服装など考えつかない玲子はスーツのままで仕事をしていたので、顔が少し火照っていた。

 玲子は本社の国内営業本部の課長代理。
 今年の4月から新入社員研修も担当している。
 この時期は実践研修の仕上げ時期に入るので、明日の午前中は書類を作る余裕がなかったのだ。

 仕上がった書類をプリントアウトしている間、明日の研修で玲子の隣の席にやってくる新入社員の大沢健司のことを考えていた。
 今風の端正な顔立ち、178cmの長身に引き締まったボディ。
 大学時代は陸上部だったらしく、少し日焼けしている肌。
 シミもたるみもないであろう大沢の体を想像していた。

 想像していくうちに、玲子は頭の中で大沢に犯されていた。
 この広い部屋の中で、自席の机に手をついてスーツとブラウスのボタンを外されている玲子。
 スカートをめくり上げられ、足首にはパンストとパンティが絡まっている後ろから大沢が玲子の腰を持って、男根を突き上げるところを想像していた。

 きっと若い大沢には繊細なテクニックなど望めないだろう。
 一心不乱に腰を振り続けるだけのsex・・・。
 玲子は頭の中で犯されている自分が物足りなくなってきた。

 想像の中の大沢は、いつの間にか隣のグローバル営業本部長の山下に替わっていた。
 腰使いが微妙なグラインドに変わる。
 腰を持っていた手は右の胸へ伸び、左手は秘所の小さな突起を弄る。

 大沢との想像の時に熱くなった玲子の秘部は、山下部長に犯されはじめた途端に熱い蜜を蜜つぼの奥から流し始めた。
 壁の成績表あたりを見ていた目線が段々潤んできた。
 玲子は自分で自分を慰めたくなる衝動にかられる。

 次の瞬間、山下部長が関根常務に代わった。
 関根常務は自分のものを入れずにバイブを玲子の秘所へ押し込んできた。
 玲子の体中を関根常務の指が弄る。
 ねっとりとした関根常務の唇が、舌が玲子のうなじを這い回る。

 この部屋で3人目の男に犯されている玲子の想像は、現実の玲子の体に如実に現れはじめる。
 秘部の蜜つぼの中から蜜が玲子の太ももを伝うような錯覚。
 押し込まれたバイブもしっとりと湿っているような錯覚。

 恍惚とした表情の玲子は、まさに絶頂の時を迎えようとしていた。



 プリンターの音が止まった。
 玲子は現実に引き戻され、想像するのをやめた。
 潤んだ瞳だった玲子の顔はキャリアウーマンの顔に戻り、全身から出ていたフェロモンは一瞬にして消え去った。
 この書類の人数分のコピーを誰に頼もうかと考えている玲子の頭の中は課長代理モードに切り替わった。

 しかし・・・

 立ち上がってプリンターの吐き出した書類を取ろうとした玲子の股間は下着を通り越してパンストをも湿らせていた。
 伸ばした腕のせいで、スーツの上着が揺れてブラウスの下のブラをかすめた時、ブラの中に隠されている乳首に言い知れぬ快感が走った。

 それは玲子の体の現実。



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