海外市場に活路を 反ダンピング訴訟も | 徐さんの中国通信

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伝統産業の生産過剰について
度々問題として提起されています。
その過剰な生産能力は国内に留まらず
海外市場にも飛び火しています。


アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は
一昨日(16日)付の紙面で、「中国の鉄鋼輸出急増、
多国から反ダンピング抗議」と題する
署名入り文章が掲載され、
中国の鉄鋼生産の現状も紹介されました。


中国経済の伸びが足踏みの状態であるにもかかわらず、
製鉄所の高炉は相変わらず稼働し、
世界に向けて大量の鉄鋼を輸出している。
そのため、世界各地の鉄鋼メーカーは
自国政府の保護を求める結果になっているとして、
次のように指摘しています。


「今年1月の中国の鉄鋼輸出量は昨年同期比で
63%増の920万トン、この勢いで行くと、
今年度の中国の鉄鋼輸出量は昨年の8210万トンを超え、
2013年比で8210万トンは59%増であり、
今世紀に入り世界でも
鉄鋼輸出の最高記録を更新することになる。


中国の鉄鋼生産量は世界の合計よりも多く、
1970年代ピーク時の
アメリカの4倍以上にも相当する。
しかし、中国経済の鈍化に伴い、中国の工業で
消化し切れない量は海外市場に輸出されている。


世界鉄鋼協会(World Steel Association)によると、
2014年の中国の鉄鋼使用量はわずか1%増に留まり、
今年は更に0.8%増に留まるだろう。その原因は
不動産市場は低迷に向かっているにもかかわらず、
鉄鋼生産のスピードが足を緩めていないからだ。
鉄鉱石価格の下落に支えられている面も否めない状況だ。
需要減に対して減産に踏み切れていないことは、
余所の国の生産メーカーを

(反ダンピングを巡り提訴するか)悩ませている。


これに対して、中国鉄鋼工業協会は、
中国の輸出を阻止しようとする動きは
「貿易保護主義」の行為であると批判し、
生産過剰問題を認識し、輸出を減らすよう
中国のメーカーに指導していることを明らかにした。


アメリカのUSスチールは
昨年644人の従業員を解雇し工場を6か所閉鎖した。
今年更に3500人の従業員に対して
解雇通告を出している。
世界の鉄鋼メーカーが生産過剰による
ダメージの原因の一部に、多くの国が鉄鋼産業を支援し、
国の誇りの一つとして見ているからだ」と
WSJは指摘します。


昨年の10月設立合意のAIIB(アジアインフラ投資銀行)に、
先週(12日)イギリスが参加を表明した後、
フランス、ドイツ、イタリアも昨日参加を表明しました。
新華社通信は今日(18日)午前、
「AIIBはアメリカに(門戸)オープン」だと配信しました。
中国主導のAIIBの設立、国内の生産過剰を
海外のインフラ投資にいかに生かせるかも
目論みの一つではないでしょうか。