神村風子のふわふわ日和。 -2ページ目

神村風子のふわふわ日和。

元SIR美少女♡グリーン担当!
女優・声優・アイドルとして活動中の神村風子の出演情報やイベントレポ、日常などを綴るブログです。


2024年12月11日〜15日

舞台『この碧虚の世界に少しの魔法をかけて』





無事に全公演が終演いたしました


ご観劇いただいた皆さま

本当に、ありがとうございました✧*̣̩☽⋆゜




わたしは星チーム

如月 陽茉莉 を務めさせていただきました!🌟




ここからはネタバレ含む作品についてのお話です。




この作品は、恋愛や友情を謳歌する普通の高校生ハルくんが

ある日恋人である陽茉莉を無差別殺人事件により亡くし、

絶望を乗り越えていくストーリー。

魔法会から来た不思議な黒ウサギや、クラスの仲間たち、先生やお母さん、そしてかつての陽茉莉の姿、

いろんなものに力を得て、悲しみを克服していく青春劇。



……なのですが。

皆さまは、この物語を、誰に感情移入して、誰の視点からご覧になったでしょうか?



きっと、登場人物ひとりひとりそれぞれの視点で、

物語の見え方が変わってくるはずです。




わたしは。

陽茉莉を演じさせていただいた、わたしの視点では。




台本をいただいて読んだとき、

なんて残酷な話なんだろう……と思いました。




重い病気を患って、外に出ることもできなかった陽茉莉。

いつ死んでしまうかもわからない日々で、悲しみと絶望の中にあっても、唯一外への扉である窓から空を眺めて、きっと毎日、今日は綺麗だなとか、少し苦しいなとか、

自分の心と連動していろんな空を見ていたに違いない陽茉莉。


きっと、手術が成功して、高校に入学できるとわかったとき、どんなにか空は美しく見えただろうと思います。


それでも、人と違うことや自分の無知さに

高校でやっていけるのか不安で仕方なかった、曇りがかった心を、

しっかりと晴れさせて青空にしてくれたハルくんに出会えて、陽茉莉は本当に幸せな子でした。


それなのに。

やっと人生の幸せを、やっとやっと綺麗な青空を見つけられた陽茉莉が、

高校を卒業する!という普通の子では考えられないくらい控えめで当たり前のように感じられる出来事を夢見ていた子が、

どうして殺されなければならなかったのか。


あんまりにも理不尽で、苦しくて、かわいそうで。

高校卒業まであと一年というところで亡くなった陽茉莉を、

クラスのみんなにも、誰よりもハルくんに、

ずっとずっと大切に想っていてほしかった。



ハルくんと朱莉ちゃんが付き合うことになった秋のシーンを見て、

どうして死んでしまったんだろう、

どうして生きていられなかったんだろう、

生きていたかった、ってつらくて涙が止まらなくて。

稽古中もずっとこの場面を見ていられなかった。




それでも、こんな残酷な世界でも、

わたしがどんなに悲しい、かわいそうだって泣いても。


陽茉莉ちゃんは笑ってるんです。いつでも。




きっと、陽茉莉だったら、

悲しいし、生きていたかったし、泣き虫だからきっと少しは泣いちゃうかもしれない、それでも、でも、


「きっとこれも運命なんだよ」って。

「神様がくれたボーナスタイムみたいなものだったのかも!」って、

「だから、ハルくんに出会えて、みんなに出会えて、私はいっぱい幸せだったよ」って、


きっと、言うんです。



生き物には役割があるんだ、って陽茉莉は言いました。

彼女が言うように、

もともといつ死んでもおかしくなかった陽茉莉がほんの少しでも生きて、ハルくんにきらきらしたものを沢山見せてもらって、

そして理不尽に死んでしまって尚、ハルくんの背中を押して、見上げる空を美しいものにすることができたのなら。

「ハルくんを応援するのが使命だ」って、

言っていた通り、これから先ハルくんの人生をすこし、素敵なものにできたのなら、陽茉莉は本望なのだと思います。




陽茉莉の死という悲しみを乗り越えたハルくんやクラスのみんなは、すこし強くなってこれからの人生を歩いていく、ハッピーエンドなんだと思う。


人生ってきっとそういうもので、

未来はいつだって、今生きている私たちのためのものだから。


深い悲しみや苦しい出来事があっても、

いつまでもそれに浸っていられないこともちゃんとわかってる。

いつかは、少しずつでも痛みを忘れて、それを乗り越えていかないと前に進めないことも。



「人の死を、いつまでも引きずっていてはよくない」と先生は言いました。


でもね、その人のことを想って、

思い切り悲しんで、愛していたことに気付いたり、その人の大切さを心から感じて、ずっとずっと大事に持っておくことはとても大切なことだとわたしは思います。


ハルくんも、きっと空を見るたび、陽茉莉のことを思い出してくれたら嬉しいな。


そして、観に来てくださったお客様方も。




陽茉莉を演じることになってから、

空を見上げる回数が増えました。



今日はどんな空かなあ。




今日この日のうちに、事故に遭って死んでしまうかもしれない。

明日、大切な誰かが、命を落とすかもしれない。



本当に何があるかわからない人生だからこそ、今この瞬間の空が美しいものでありますように。

皆さまの心を晴れにできる物語であったら嬉しいな、と思っています。





大好きな仲間たち!



まるで本当のクラスメイトのように

青春を感じられる座組でした!



本編のあとにフィナーレショーがあるのもはじめての経験でしたが

S.I.P.Hさんらしさたっぷりで、客席の皆さまとも心が繋がった感じがしてとても楽しかったな桜






大好きな仲間たち、



大好きなハルくん!





陽茉莉のこと

たまに、思い出してくれたら嬉しいな!✧*̣̩☽⋆゜



「知ってる?全ての生き物には役割があるんだよ!虫や花も草にも。」



如月 陽茉莉 役

神村風子






S.I.P.Hさんのエンタメの一員になれて幸せでした!

ありがとうございました✧*̣̩☽⋆゜