見知らぬ通帳 | 不満の水滴

不満の水滴

結婚9年目で離婚した夫との、出会い~離婚までを綴ります。
小さな不満の水滴が、1滴1滴溜まって最終あふれたことによる離婚。
※四半世紀前の出来事を思い出して書いています。※

ルカも3歳を過ぎ、保育園にも入れた。

私はお昼のパートで働きだした。

このぐらいか、もう少し前だったか、の時期に携帯電話を持ち始めた。
出張のジンにも連絡は楽にとれるようになり、助かっていた。

「今から帰ります」

の帰るコールも有難かった。


ある時、ジンが出張中に車の中を掃除していた。

ダッシュボードの中に郵便貯金の通帳が入っていた。





郵便貯金の口座なんか作ってなかったはずだ。

見ると、新規で1000円という1行だけ。

嫌な予感がして、すぐ記帳に行った。


記帳はガシャガシャと続いた。



出てきた通帳には・・・

義母からの入金があった。

一度だけ10万円という大金があったが、

ほどんどが3万円とか1万円。

出張のある今の会社になってから半年以上、毎月のように。
中には3万円を入れた翌週にまた1万円というときもあった。

それらを、ジンは出張先から引き出していた。

現在の残高も数百円。



はぁ・・・・ショボーン

もう溜息しか出なかった。

怒りというよりも、情けなさがあった。


ジンに問い詰めたとしても、

きっと


"だって、お前に言うたら怒るやん。"


としか言わないだろう。

もうあいつが言う言葉は容易に想像がつく。



とりあえず、使い道だけは確認しとこう。

携帯に電話をしてみた。

あくまでも口調は優しく、おだやかに。


あのさー、郵貯の通帳見つけてんけど。
お義母さんからお金振り込まれてるみたいやけど、
これ何なん?



え!?

あー・・・
まぁ、出張先でのご飯とかタクシー代で・・・
田舎やから飯食うにもかなり遠く行かなアカンし、牛丼屋みたいな安い店は少なくって。
あ、それと散髪とか、コインランドリーとかちょこちょこ経費かかるねん。


(出張先での生活費としては1日3000円計算で渡してるはずなのにな)

はぁ・・・
そうか・・・
もらったんか借りたんかはわからんけど、ジンがどうにかしーや。
私は知らんから。



怒ることなく電話は切った。


出張から帰ってきたジンに、郵貯のことはもう何も言わなかった。

普通にご飯を食べ、普通に会話をした。


そして、ジンが寝た後、
財布を探り、携帯電話を盗み見た。


もう少し前からはジンに対して気持ちがかなりなくなっていた。

怒るっていうのは、愛情があるからこそということだ。

好きだから、

大事だから、

私たちは夫婦なんだから、

そんな気持ちがあるからこそ、

思いやりのない行動やウソをつかれるという裏切りに対しては怒りの感情もわくのだ。


だけど、義母からの送金では怒りも湧いてこなかった。

(ああ、とうとうここまできたか。
再構築も無理かな・・・。)


そうは思っていたが、
まだ夫婦である以上、隠し事があるなら真実を知りたい、という欲求が芽生えた。



そして、見つけてしまったのだ。

お金の本当の使い道を。