駄洒落の言葉の笑い | りおみーのブログ ニュースとお笑い芸人に不毛な突っ込み

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主にお笑いのネタに関して、時々ニュースに関して、「これってどういう事?」をロジカルに分析してます。

駄洒は笑い?

前号続きです。。。

□□□□□□はじめに□□□□□□

駄洒落って何が面白いのでしょう?

「似通った音」が面白い?

でもラップで韻を踏んでいるからといって、
面白いとは思いません。

駄洒落が笑いになるという事は、
駄洒落のレゾンデートルである「似通った音」とは別に、
何らかの「笑いのフォーマット」があるという事です。

前号では、
「駄洒落を言うという事実」そのものがディスコミュニケーションと感じられる場合を考えました。

一般的に駄洒落が「レベルの低いもの」と認識されるのは、
この「駄洒落を言うという事実」のみが笑いになる場合じゃないでしょうか。

では、
「駄洒落を言うという事実」は笑いになっても、
「駄洒落の言葉」で笑いは獲れないんでしょうか?

そんな事ないでしょう。

「言葉の意味」や「言葉が使われる状況」がある訳ですから、
そこに逸脱があれば、
「笑いのフォーマット」として感じさせる事が出来るはず。

後は何から逸脱させればいいかを考えればいいだけです。

□□□□□□元の言葉から逸脱□□□□□□

まず思い付くのは元の言葉。

「元の言葉の意味」、「元の言葉の発話者」、「元の言葉の発せられる状況」など、
「元の言葉」から逸脱する事で「笑いのフォーマット」を作れます。

「元の言葉」からの逸脱は、
「上品な言葉」と「下品な言葉」や、
「子供の言葉」と「難解な専門用語」など、
「元の言葉」と「駄洒落の言葉」にイメージの落差をつけたり、
「元の言葉の発話者」と「駄洒落の言葉」にイメージに落差をつけたりする事が出来ます。

例えば、

ママ:「あらあらどうしたのぉ?ご機嫌だねぇ。。。」
赤ちゃん:「バブゥ、バブゥ。」
ママ:「アラ、何?欲しいの?シャブ?シャブ(覚醒剤)?吸いたいの?」
パパ:「そんな事言うかぁ!怖いわ、そんな事言ったら!」

< 基準 >:元の言葉のイメージ
< ズレ >:駄洒落の言葉のイメージ
<ツッコミ>:「そんな言葉と一緒にすな!」

「元の言葉」と「駄洒落の言葉」のズレが大きいですね。

「元の言葉」の「意味」だけではなく、
「発話者」、「状況」など多くの面で、逸脱していると言えます。

□□□□□□駄洒落の発話者から逸脱□□□□□□

「元の言葉」とは無関係に、
駄洒落の発話者の性別、年齢、性格など、
「駄洒落の発話者のキャラクター」から逸脱する場合も考えられます。

A:「この前、友達から旅行のお土産もらったんだけど、それがスゴい美味しくってさぁ、、、ほら、あれ?何だっけ?名前出てこない、、、あの木の年輪みたいなお菓子。」
B:「木の年輪?あぁ、あれね。……アウフヘーベン(※)。」
A:「バームクーヘン!」
(※:ヘーゲル弁証法において矛盾するテーゼを総合、解決する事。止揚。)

大学の哲学科の教室におけるこの会話を想像するより、
JKの会話を想像した方が、
面白くないですか?

「音が似ている事」が面白い訳ではありませんね。

元の言葉とは無関係に、
「アウフヘーベン」という駄洒落の言葉自体が、
発話者のキャラクターに似合わない方が笑いになるんじゃないでしょうか。

< 基準 >:発話者に似合う発言
< ズレ >:発話者に似合わない発言
<ツッコミ>:「そんなん言うんか!」「この口からそんなん出る?」

□□□□□□聞き間違い□□□□□□

実際のネタから具体例。。。

コントでの「聞き間違い」って、
「似通った音を持つ言葉」でボケるという意味で、
駄洒落と全く同じですよね。

サンドウィッチマンの有名なネタから、、、(台詞はアバウトです…)

店員:「こちらのハンバーガーのセットがオススメです。」
顧客:「じゃあ、そのハンバーガーのセット、、、」
店員:「ハンバーガーを1000個?」
顧客:「業者か!」

やってる事は、
駄洒落と同じ「似通った音を持つ言葉」でのボケ。

やはりこれも、
「音が似ている事(又は、似ていない事)」が面白いという事ではないでしょう。

「"setto"と"senko"って、頭の"s"と最後の母音の"o"だけやん!」
「促音と撥音は違うやろ!」
って、突っ込みたい訳じゃないですよね。

コントの笑いの基本は、
そのコントの設定の職業や状況から逸脱する事。

このやり取りもコントの基本通りの逸脱です。

その逸脱を「聞き間違い」という形で提示しているにすぎません。

つまりここにあるのは、
「設定の状況」からの逸脱。

「ハンバーガーを1000個」注文するというその台詞の意味が、

「店舗のカウンター越しの店員と客のやり取りという状況」から逸脱しているのが面白いんですよね。

だからこそ伊達さんの突っ込みも、

顧客:「業者か!」

見事な「笑いのフォーマットの再提示」。

「ハンバーガー1000個」という注文は、
「業者間のやり取りという状況」に相応しい事を示す事で、
「店舗のカウンター越しの店員と客のやり取りという状況」からは逸脱しているという事を再提示している訳ですね。

< 基準 >:カウンター越しの客の注文にも拘わらず
< ズレ >:カウンター越しの客としてあり得ない注文
<ツッコミ>:「食えねぇわ!」「業者か!」

店員自身がオススメしたものを、
客が注文するというマニュアル対応の流れも、
「店舗のカウンター越しの店員と客のやり取りという状況」の前振りとして効果的だと思います。

このやり取りも間違い無くホリプロの堀義貴社長のいう「駄洒落や語呂合わせなど」に当たりますが、
これを「レベルの低いもの」の一言で片付けられます?(←前号をお読み下さい)

「業者か!」
という突っ込みなんて、まさに、
「駄洒落や語呂合わせの枠の中で、どうすれば笑いが獲れるか」
を考える事が如何に大事って分かりますよね。

□□□□□□逆転の発想□□□□□□

でもこの、
「駄洒落や語呂合わせなどはレベルの低いもの」という認識すらも、
笑いを作るのに役立てる事が出来ます。

「駄洒落はレベルの低いもの」であればこそ、
「駄洒落」として「レベルの高いもの」を提示されて笑う事ないですか?

この「レベルの高い」にも、
幾つか考えられると思います。

「駄洒落としての難易度が高い」とか、
「内容的に高尚である」とか。

誰でしたっけ、、、?
「ボキャブラ天国」で長いセリフの語呂合わせで笑いを獲ってる芸人さんもいました。

これは、
くだらない駄洒落なのに、
難易度が高い事をやってるのが面白い。

内容的に高尚とは、
上記「アウフヘーベン」もそうですが、
難解な専門用語とか、
時事的な政治、経済用語とかを、
駄洒落に使う事。

難しい事を言うだけで面白かったりしません?

駄洒落を言った事よりも、
難しい事を放り込んできた事、
気の利いた事を言った事に、
突っ込みたくなる事ありますよね。

学術論文や新聞記事に難しい言葉が使われていても面白くはありません。

駄洒落として難しい言葉を使うから面白いんです。

それって、
「駄洒落」と「難しい言葉」にズレがあるからでしょう?

< 基準 >:駄洒落を言うというレベルの低さと比較して
< ズレ >:駄洒落の言葉の内容のレベルの高さ
<ツッコミ>:「何、格好つけてんねん!」「何で難しい事言うた?」「そーゆー事ちゃうねん!」「格好つけてるけど所詮駄洒落やろ!」

下方評価の逆ベクトルバージョンです。

これは、
「駄洒落を言うという事実」を基準として、
「駄洒落の言葉の内容」でズレを作っていると言えるでしょうか?

「駄洒落を言うという事実」で下向きのベクトルを感じさせつつ、
「駄洒落の言葉の内容」でベクトルを反転させる、

「駄洒落はレベルの低いもの」という認識を逆手にとった逆転の発想ですね。

まぁ、そんな事考えて駄洒落を言ってる人はいないと思いますが、、、

□□□□□□緊張の緩和□□□□□□

過去の事をほじくって申し訳ありませんが、
三遊亭圓楽さんの不倫釈明会見の時、
週刊誌で「老いらく」と書かれた事に関して、
「老いらくじゃなくて圓楽!名前変えようかな『老いらく』に、、、」
と、発言して笑いを獲っていました。

このやり取りの場合、
「駄洒落の言葉」の内容面では、
伝統ある名蹟と、
そんな重みと無関係な不倫の記事に使われた言葉のギャップが面白いですね。

< 基準 >:受け継いだ名前の持つ伝統の重さと比較して
< ズレ >:駄洒落の言葉の使われた不倫の記事という状況の軽さ
<ツッコミ>:「そんなんと一緒にすな!」「先代に怒られるわ!」

そういう場でボケる圓楽さんもスゴいと思うのですが、
このやり取りの場合、
そういう場だったからこそ笑いに出来たという面もあります。

不祥事?に関する釈明の記者会見の場だったので、
認めるのか認めないのか、
どんな言い訳をするのかなど、
その場に緊張が漂いますよね。

だからこそ、
「駄洒落」の一言に「緊張の緩和」の効果あり。

< 基準 >:不祥事の釈明会見の場の空気(緊張)
< ズレ >:不祥事の釈明会見の場に相応しくない駄洒落(緩和)
<ツッコミ>:「ようそんなん言えんな!」「そんな空気違うやろ!」

内容の面白さもありますが、
「緊張」を「緩和」する手段としての役割が大きいと思います。

この場合、
「駄洒落」の言葉を思い付く事よりも、
その場の空気を読む事の方が、
「緊張の緩和」の笑いにとっては大事だと思います。

空気を読むって、
お笑い芸人さんの大切な資質ですね。

□□□□□□まとめ□□□□□□

駄洒落の笑いには、大きく分けて、
「駄洒落を言うという事実」で笑いを作る場合と、
「駄洒落の言葉」で笑いを作る場合とがあるという事です。

「駄洒落」そのもの、つまり「音の似ている言葉を言う事」が笑いという訳ではないのは間違いありません。

「駄洒落」そのものが笑いではない以上、
「駄洒落」で笑いを獲りたかったら、
「駄洒落」を媒介として、
その他の「笑いのフォーマット」を作り出すしかない訳ですね。

ただ「駄洒落」を思い付いたからといって、
すぐ口に出しても、
「オヤジか!」って思われるだけ。

同じ「駄洒落」という手段でも、
「笑いのフォーマット」の作り方は色々ある訳ですから、
あとは工夫するしかない!

全国のオヤジ、、、ガンバれ!

m(__)m


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