『ろんぶ~ん』対立ボケの条件を修正 | りおみーのブログ ニュースとお笑い芸人に不毛な突っ込み

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主にお笑いのネタに関して、時々ニュースに関して、「これってどういう事?」をロジカルに分析してます。

ディスコミュニケーションに縛りがあると面白くなくなる。

□□□□□□はじめに□□□□□□

前号の対立ボケが面白くないという悩みは、
『ろんぶ~ん』♯1の中でも言及されていました。

『Generating Funny Dialogue between Robots based on Japanese Traditional Comedy Entertainment』(漫才ロボットにおける面白いネタの作り方)という論文の中の、
ロボットによる漫才の5パターンのうちの1つが「対立ボケ」。

そのプログラムが、
AIロボット導入で精度が上がった事により、
さらに面白くなくなったそうです。

…何故でしょう?

□□□□□□□□□□□□

では、前号引用の例と似ていますが、
『ろんぶ~ん』での漫才例で説明。。。

A:「2020年夏季五輪の開催都市に東京が選ばれた。」
B:「なるほど。ところで東京ってどんなかわかってるか?」
A:「あれやろ?近畿地方に属する日本の都道府県の1つやろ?」
B:「違うわ!それは大阪やろ!」

東京という「テーマ」に対して、
大阪の事を答える「対立ボケ」。

意味の類似性から、
「東京」に対立する「大阪」という単語を選び出す訳ですが、
その単語には、
2つの条件があるそうです。

(1):同じグループに属すること
(2):同じくらいの認知度であること

(1)のグループは、
Wikipediaから情報入手して、

(2)の認知度は、
グーグルの検索件数から推定して、
認知度の近いものを選択するとか。

ちなみに、
「東京」の対立語ランキングがこちら。

1:大阪
2:北京
3:上海
4:居酒屋
5:ニューヨーク

4の居酒屋は、
居酒屋の名前に東京○○が多いからだそうです。
(↑上記Wikipediaからのグループ化との関係がよく理解出来ません……)

AIを使うようになって、
対立語を見つける精度はUP。

例えば、

【AIありの場合の対立語】
・先輩→後輩
・夏→冬
・コーヒー→レモンティー
・夜→昼
・マンガ→小説

【AI無しの場合の対立語】
・先輩→医者
・夏→少年
・コーヒー→オレンジジュース、
・夜→老人
・マンガ→映画

対立語の2つの条件を考えると、
明らかに【AIあり】の方が正解ですね。

ただ、その結果、
「AIを採り入れてネタが面白くなくなった 」。

比較すると、、、
(メモから再現。間違っているかも知れません。)

【AIありの例】

A:「最近あれが大好きやねん。カレーライス。」
B:「カレーライスってどんなんか知ってるか?」
A:「あれやろ、ハッシュドビーフで有名なやつやろ?」
B:「それはハヤシライスや!カレーライスはインドで有名なやつや!」

【AI無しの例】

A:「最近あれが大好きやねん。カレーライス。」
B:「カレーライスってどんなんか知ってるか?」
A:「あれやろ、ゼラチンで有名なやつやろ?」
B:「それはゼリーやろ!ゼリーライスってなんやねん!カレーライスはインドで有名なやつや!」

面白いのはどちらかというと、
【AI無しの例】の方でしょうね。

「AIで精度は上がったけど、
感覚やセンスをAI でどう実現するかが課題」
といった趣旨の事を話していました。

でもこれ、
「2つの条件」の方が気になります。

「2つの条件」に合う精度が上がる事で面白くなくなったのなら、
「2つの条件」の方が笑いとしては間違い
…ではないでしょうか?

□□□□□□対立語条件(2)□□□□□□

まず先に、
「(2):同じくらいの認知度であること」。

例えば、

A:「2020年夏季五輪の開催都市に東京が選ばれた。」
B:「なるほど。ところで東京ってどんなかわかってるか?」
A:「あれやろ?大分県日田市の一部で、2002年の日韓ワールドカップでカメルーン代表のキャンプ地だったとこやろ?」
B:「違うわ!それは中津江村やろ!」

どうでしょう?

「大阪」より「中津江村」の方が面白いと思います。

「笑えるか否か」の観点からは、
「知っているか否か」は影響しますが、
「認知度が同程度」である必要は無いでしょう。

「東京」とか「カレーライス」のような知名度が高いものがテーマなら、
多くの人に笑ってもらうという意味では、
対立語も同じく認知度が高い方が、
「取りこぼし」が少ないという利点はあります。

でも「対立語」の一般的条件として、
「認知度が同程度」という条件が必要という訳ではないでしょう。

むしろ、
「両方を知っている人」にとっては、
「認知度が同程度」より、
「認知度が異なる」方が、
面白いとおもいます。
(特に、対立語の認知度が低い場合)

何故なら、
「認知度が異なる事」自体が「笑いのフォーマット」になり、
そこに突っ込めるから。

< 基準 >:比較するに相応しい例を出すべきにも拘わらず
< ズレ >:比較するに相応しくない例を出す
<ツッコミ>:「全然違うわ!」「いや、バトルにならへんわ!」

何となく、
「認知度などで比較するに相応しいものを出すべき」という認識があるからこそ、
それと違う事が笑いになる訳です。

でも、
この条件(2)としてあげられている「認知度」ですが、
実は下記条件(1)の議論の1つに過ぎないと思うのですが、、、

□□□□□□対立語条件(1)□□□□□□

条件(1):同じグループに属すること。

「グループ」が何を意味するか分からないのですが、
そのテーマの「属性」というような意味だとすると、
過去記事「大喜利思考手順」でも書いた「お題のプロパティ」の話が当てはまります。

例えば、
上記「中津江村」の例。

東京には、
首都、大都市、都道府県、行政単位、地名などの属性があります。

大阪は、
首都でこそありませんが、
地名、行政単位、都道府県、大都市という属性は、
東京と同じです。

対して、
中津江村は、
首都、大都市、都道府県、行政単位という属性は東京と異なり、
地名という属性のみ同じです。
(中津江村は日田市に合併していて、地名に「村」と付いていますが行政単位ではありません)

「笑い=『笑いのフォーマット』に突っ込みたい気持ち」を前提とすると、
「笑いのフォーマット」を作るために、
大喜利で「お題のプロパティ」から逸脱するように、
「対立ボケ」では「テーマの属性」から逸脱する事が必要です。

必要なのは、
「同じ」「グループ」ではなく、
「異なる」「属性」。

そして、
大喜利で、
お題のプロパティは1つではなく、
逸脱するプロパティも1つにかぎられる訳ではないように、
対立ボケも、
テーマの属性は1つではなく、
逸脱する属性も1つに限られる訳ではありません。

複数の属性から逸脱する事が出来る、
……というより、
多くの属性から逸脱する方が、
「突っ込みたく感じる=笑える」可能性も高いでしょう。

逸脱、ズレを多くして、
多くの「笑いのフォーマット」を提示して、
ツッコミ所を増やす。

ズレ数の少ない「東京→大阪」より、
ズレ数の多い「東京→中津江村」の方が、
ツッコミ所がたくさんあって、
色々と突っ込みたくなりますよね。

別に、
東京の属性は、
首都、大都市、都道府県、行政単位、地名だけではありません。

面積や人口、財政などの規模、
最先端、活気がある、ネオン、超高層ビルなどのイメージ、
(2)の「認知度」だって「高い認知度」は東京の属性の1つ。

面白くしたかったら、
それらの幾つかから逸脱して、
ツッコミ所を増やした方がいいという事です。

中津江村だったら、
「観客、何処泊まんねん!」
「狭いやろ!何競技開催出来んねん!」
「そんな金も施設も無いわ!」
「何も無くて、逆に選手集中するわ!」
「当時の坂本村長しか浮かばへんわ!」
(注:中津江村に何があって何が無いかは知りません。想像で突っ込んでます。)

あくまでも、
観客が対立ボケに感受するツッコミ所の話です。

ツッコミ所が多い方が、
「何でソレとソレを間違えるねん!」
というディスコミュニケーション感が強いでしょう?

実際のロボットが突っ込む「属性の逸脱」が何かはわかりませんが、
まぁ、ストレートなツッコミとしては、
ざっくりと「オリンピック開催都市として相応しい」という総合的な属性からの逸脱に対して、
「出来るかぁ!」
って感じかな?

大阪だと「オリンピック開催都市として相応しい」から、
その点は逸脱してないですしね。

□□□□□□属性の維持□□□□□□

対立ボケで笑いを作るには属性から逸脱する訳ですが、
大喜利で、
全てのプロパティから逸材すると無関係な回答になるので、
最低1つのプロパティは維持すべきであるように、
対立ボケでも、
何らかの「共通した属性(グループ)」は維持した方がいいと思います。

A:「2020年夏季五輪の開催都市に東京が選ばれた。」
B:「なるほど。ところで東京ってどんなかわかってるか?」
A:「あれやろ?鉛筆で書いた字を消すやつやろ?」
B:「違うわ!それは消しゴムや!」

あえて共通点を探すと、
「名詞」という属性は維持してますが、
その他のあらゆる属性から逸脱して共通する属性が無いと、
テーマとは無関係になります。

テーマと無関係だと、
観客は、
言葉の意味は理解出来ても、
どういう笑い(何の「笑いのフォーマット」で笑うべき)なのか、
戸惑いますね。

「消しゴムや!」以外に突っ込みようが無いでしょう。

1つだけでもテーマとの繋がりを感じられると、
その他の逸脱を「ズレ」と感じる事が出来ます。

A:「2020年夏季五輪の開催都市に東京が選ばれた。」
B:「なるほど。ところで東京ってどんなかわかってるか?」
A:「あれやろ?広島東洋カープの本拠地やろ?」
B:「違うわ!それはMAZDA Zoom-Zoom スタジアムやろ!」

都市でも行政単位でもありませんし、
地名ですらありませんが、
スポーツイベントを開催する場所という共通点が1つ維持されるだけで、
テーマに対する対立ボケとして成立するように思います。

その他の逸脱に、
色々と突っ込めますよね。

「野球だけやん!」
「競泳何処でやんねん!」
「東京やっていうのに、自分で"広島"言うてるやん!」

□□□□□□言葉遊びも…□□□□□□

また、
音の類似性を属性の1つと考えれば、
「対立ボケ」と「言葉遊び」(前々号参照)を区別する必要もありません。

中津江村"nakatsuemura"も東京"toukyou"の音から大きく逸脱してはいますが、
その他の属性からの逸脱の方に突っ込みたくなり、
音の違いの方に突っ込みたくなる人はいないでしょう。(「笑いのフォーマット」は存在するけど、感受してはいないという事……)

しかし、
「逸脱」ではなく「維持」する属性に、
「共通する音(例えば、"□oukyou")」を選べば、
それは言葉遊びボケになります。

A:「2020年夏季五輪の開催都市に東京が選ばれた。」
B:「なるほど。ところで東京(toukyou)ってどんなかわかってるか?」
A:「あれやろ?農業生産とか農業者の地位の向上のため特定の法律の元、農業者が組織する協同組合やろ?」
B:「違うわ!それは農協(noukyou)やろ!都市って言うてるやん!もはや地名ですらないわ!ってか、ダジャレやん!」

これは、
意味上は全ての属性からは逸脱していますが、
発音の類似性だけ維持しているという事ですね。

ただ、
突っ込みたくなるのは、
意味上の全ての属性から逸脱する事よりも、
わざわざ発音の類似性だけを維持した事(ダジャレ)の方でしょうか。

「ダジャレを言う事」に、
ディスコミュニケーションを感じる訳です。

「カレーライス→ハヤシライス」の対立ボケより、
「カレーライス→ゼリー」が面白いのも、
「食べ物」以外の属性(例えば「主食」「ご飯にかけるもの」など)から逸脱するのに加えて、
「カレー→ゼリー」の音が類似している事も気になります。

ロボットが「ゼリー」を選んだプログラムはわかりませんが、
人間が選んだと仮定すると、
わざわざダジャレのような言葉を選択した事実にも、
ディスコミュニケーションを感じるでしょう。

ロボットも、何故か、
「ゼリーライス」という存在しない言葉を作ってまで、
音の類似性に突っ込んでいるかのようになってます。

□□□□□□対立ボケの条件□□□□□□

このように、
「同じグループ」「同じくらいの認知度」という条件の立て方、捉え方の方に違和感を感じます。

意味の類似性による縛りが強すぎて、
ボケの幅を狭めてしまっている訳ですね。

「グループに属する」を「属性」同じと考えると、

対立語の条件は、

(1):同じグループに属すること
(2):同じくらいの認知度であること

……ではなく、

(1):最低1つは同じグループに属すること(同じ属性を有すること)
(2):その他のグループは異なること(テーマの属性から逸脱すること。認知度も属性の1つなのでむしろ異なる方がベター)

要は、
「共通する属性」と「異なる属性」を感じさせて、
「異なる属性」に突っ込みたくさせる訳です。

「名詞」という属性は、
普遍的すぎて、
「共通する属性」「逸脱していない属性」とすら感じないし、

「ダジャレ」は、
「全てのの意味上の属性」から逸脱する事で、
「共通する属性(音の類似性)」
が表面化して、
そこに突っ込みたくなるって感じでしょうか。

「感覚やセンス」は、
維持或いは逸脱する属性の選択や、
逸脱している複数の属性のどれに突っ込みたくさせるかに表れると思います。

□□□□□□おわり□□□□□□

『ろんぶ~ん』ではお笑い以外にも面白い論文を取り上げていました。

復活を期待します。。。

m(__)m


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