アムネシアVエディションは友達のおすすめで数年前にプレイしていた初めての乙女ゲームだったんだけど、この作品がきっかけに乙女ゲームというジャンルを好きになったので、感想を書いてみようと思いました!元々PSPで発売されたゲームで、2013年にVita版も発売され、現在スマホ、スチームやスイッチでもプレイできるようになりました。アニメ、漫画とライトノベルもあるので、是非チェックしてみてください!

あらすじ

 

舞台は現代の東京。8月1日、見知らぬ場所で意識を取り戻した主人公は、突如記憶を全て失ってしまう。彼女の前にオリオンという精霊が現れ、「記憶喪失になったことは隔離されかねないので、決して口外せず隠し通すように」と忠告を受け、オリオンの導きにより、記憶喪失である事がバレないように気をつけながら記憶を取り戻そうとする。以前の記憶がないので、周囲の人間関係、「彼氏」、「上司、「幼馴染」などと出会い、記憶のない主人公がどう接するのか?時折蘇る記憶の欠片やフラッシュバック、そして突然訪れる危機。記憶の先に待っている「答え」とはー

 

ストーリー

アムネシアは多くの乙女ゲームと違い、ルートによって人間関係が全く違うんです。並行世界に攻略キャラごとの世界が存在しているので、あるルートではバイト仲間だったキャラは他のルートではただ学生とか、イジメっ子が他の√では味方など。トランプがモチーフとなっている「ハート」、「スペード」「クローバー」「ダイヤ」と「ジョーカー」の5つの世界があって、最初から選択できます。それに、主人公が働いている「冥土の羊」という執事とメイドカフェの店長、ワカさんは√によって性格が完全に変わります。鬼軍曹、オネエ、無口、アサシン、若など、彼だけは世界ごとに性格が全く異なり、これはこれで面白かったです。その上、共通ルートもないので、金太郎飴感は全くないのが本作の良かった点だと思いました。もう一つの大きな違いは、最初から恋人の状態からスタートし、記憶喪失である事を隠しながら恋人まで経緯を思い出そうとするという普通とは逆になっているシナリオです。

 

サスペンス・ミステリー系でストーリー重視なので、糖度はどっちかというと低い方です。シナリオは中々暗くてバッドエンドが非常に多いので、明るくてツッコミ役のオリオンの存在が本当に救いのようものだったなと思いました。うるさい存在だと思っている方は多いようだけど、主人公には名前と性格の記憶がないので、彼女の内なる声みたいな物をプレイヤーに語ってくるオリオンはゲームのバランスを考えると必須な存在だったと個人的に思いました。こういう空っぽい主人公ってvitaやスイッチの乙女ゲームの中には滅多にないしね。


キャラクター

 

 

本作は初めての乙女ゲームだったんで何が何だかさっぱりだったので、考える事なくリストの順番でプレイしていたんです。今の私なら好きそうな順でプレイしていたけど、当時は乙女ゲームのやり方についてはイマイチ分からなかったので、適当に攻略してしまいました(笑)。

 

攻略制限に関しては、ウキョウだけが全員クリアしてから解放されます。他は自由です。

 

ところで、シン以外に皆の身長は180センチ以上でモデルみたいにめっちゃ高くて、それに全員はガリガリ細い!シンは179センチで平均より高いんだけど、ケントはなんと190センチですよ!イッキは182センチ、ウキョウは185センチ、トーマは181センチ。全員もイケメン。気になったのはあの服装ですね。。。一風変わったというか、サーカス並みに奇抜!

 

当時の攻略順:シンイッキケントトーマウキョウ

乙女ゲーム歴7年の今の私ならの攻略順:イッキシントーマケントウキョウ

おすすめの順:シンケントイッキトーマウキョウ

 

プレイ前の好きなな順:シントーマイッキウキョウケント

プレイ後の好きな順:イッキシンウキョウケントトーマ

 

 

主人公

デフォ名がない19歳の心理学科の大学1年生で、8月1日以前の記憶を失っている。東京で一人暮らししながら、池袋にあるメイド・執事カフェ「冥土の羊」で働いている。突然現れた精霊のオリオンにより、記憶喪失である事がバレたら隔離されかねないので、口外せずに隠し通すようにと忠告される。性格と名前を覚えていないので性格はほぼ皆無なんだけど、オリオンが代わりに思考やインナーボイスを言ってくれるので、自己投影しない方でも安心して楽しめると思います。性格を察すると、おっとりした感じで内気って感じかな。周りに疑われないように慎重に行動しないといけないので常におどおどしているんでしょうね。

 

私の好きな乙女ゲームリストに入った大好きな主人公の一人です!確かに性格が空っぽの状態からスタートするんだけど、凄く可愛くないですか?物語を進めば進むほど元の性格や元の自分のフラッシュバックを見られるので、どんな子だったのか多少分かる事ができます。中々強くて周りに流されない子だったようで、まさに好みのタイプでしたね。例えば、犬の死で冷たい態度を取ったケントとの喧嘩、周りに流されずイッキのファンクラブに加入しなかったこと、シンの迫りにやすやすと承諾しなかった事など、やはり意思が強かったという印象を受けたんです。それに、記憶喪失の状態で一人暮らししながら、バイト、大学の勉強と人間関係の復活を全て同時にこなすのって凄く大変だろうし、ある程度強くないとできないんじゃないかな。

 

シン:無愛想で一途なハート

18歳の高校3年生で主人公とトーマの幼馴染。大学受験のために予備校へ通っているけど、イッキとウキョウ√ではバイト仲間に当たる。無愛想なツンデレで甘やかす事を好まないスパルタなんだけど、実は少々寂しがり屋で幼馴染という不憫な立場から主人公との恋愛関係を焦らせようとするという一面もある。

 

最初に攻略したルートはシンだったんだけど、全体的に探偵ミステリーのような話で中々面白かったです。主人公が崖から落とされて病院で起きて記憶喪失の状態。この事件を解決するためにシンが色々調べていくという感じ。このルートではトーマと三角関係もあって、3人の関係をより深く理解できる√なので、最初か二番目に攻略するのがおすすめかな。シンって強引に主人公をキスしようとしたり、恋愛になるとかなり熱くて一方的で、真面目そうな性格にしてはちょっと意外でした。言い方は中々キツくて周りくどい事とは無縁なんだけど、根が優しくて忠実なのでキャラとしては気に入りました。外見も好み。

 

 


 

イッキ:女性を惑わす魅惑のスペード

今回の一推しキャラはイッキでした!本作だけではなく今までプレイしてきた数多くの乙女ゲームの中に二番目に好きなキャラです(一位はピオフィのダンテ)。22歳の経済学科会計学の大学4年生でケントの友人。ケントに作られた高難易度の数学パズルをやすやすと解けられるぐらい頭が良い。本作の一応チャラ男で女性の取り巻きが大勢いる。イッキのファンクラブまであって、付き合うのだとしたら、期限が三ヶ月間までという暗黙なルールが存在しているらしい。子供の頃、流れ星にモテたいというお願いをしたせいか、目があった異性は誰でも恋をしている気分にさせてしまうという能力を持つようになり、それを防ぐためにサングラスをかけている。自分のルートでは主人公のバイト先輩兼「お試し彼氏」なんだけど、ファンクラブからの嫌がらせは殺人ぐらい異常なレベルなので、バッドエンドが多め。グッドエンド以外のエンドはかなり悲しくて、特にノーマルエンドが切なすぎて初めてゲームで泣いてしまったんです!性格は優しくて女性扱いがとても得意。遊び人にしか見えないチャラ男爆発!って感じでうsね(笑)。でも実はめっちゃ紳士ですよ!最初にイライラする方は多いだろうけど、諦めずに最後までプレイしてみてください!

 

見た目が凄く好みで、私もFCに入るかな(笑)。白い髪、高い身長と白い肌の三つの好みが揃っていて、惚れないわけがないんじゃないですか。このルートで気になった事と言えば、嫌がらせのレベルです。ファンクラブからの嫌がらせが一番酷くて気が滅入ってしまうというか、精神的に来ましたね。それに、イッキの他の女性との主人公所謂だらしない関係に色々イライラはしていたけど、後半ぐらいから好きになりました。攻略について、他のルートと違って記憶喪失疑惑に気をつけないといけない(低い方がいい)。それに選択肢が多くて一歩間違えると即バッドエンド行きになるので、他のキャラもそうだけど攻略サイトを見るのをお勧めします。




ケント:クールで合理的なクローバー

25歳の数学科ドクターコースの大学院生で秀才で、主人公たちの元講師でもある。お客さんとして「冥土の羊」へよく顔を出している。性格は見た目から察しやすいだろうけど、非常に合理的で感情より理論派って感じで、何でも理屈で説明しようとする癖がある。主人公の犬が死んだ時、冷たくて機械的な反応をしたケントと主人公が対立してしまう事もあった。恋愛になると、親友のイッキとは正反対の初心。

 

自分のタイプではないけど、√としては一番刺激が少なかったような気しました。攻略も割と簡単なので、最初か二番目に攻略するのがおすすめかな。恋愛初心者で理屈主義者ということで気まずいところは少々あったけど、全体的に可愛くて純粋な恋愛だったなと思いました。心に悪いバッドエンドが多いアムネシアなんだけど、ウキョウやトーマに比べたら優しめす。グッドエンドでは私が住んでいるイギリスへの留学なんだけど、その続きをFDで楽しめるので気になる方にはそっちもお勧め!




トーマ:慈愛と狂気のダイヤ

20歳の大学2年生でどの世界でも主人王とシンの兄のような存在です。自分の√では主人公の幼馴染だけなんだけど、他の√では主人公の義理の兄かシンの兄に当たります。トーマって乙女ゲームの世界ではかなり有名なザ・ヤンデレ兼束縛系爆発タイプなので、心の準備が必須です。表は優しいお兄さんタイプなんだけど、裏が海の底より深いので私のように騙されないように。主人公の事を大切に思っているんだけど、嫌がらせから守るために手段を選ばないんで、極端な行動を取る傾向がある。感情が強すぎて精神的に不安定のせいか、主人公への束縛がどんどん過激的になり、最後にペット用の檻の閉じ込めてしまう事に。

 

個人的にトーマが凄く苦手でした。人気投票一位って事はやはりヤンデレ好きな方が多いかな。こういうタイプより紳士や王子の方が好きなので、この√は全然ダメでしたね。トラウマになりかねないぐらい衝撃的で眠れなかったんです。攻略に関しては、「猜疑心」という新しいパラメーターがあるので、攻略はイッキのように難易度が高め。刺激的な要素と攻略の難易度を含めて、上の3人を攻略してからプレイするをお勧めします。顔はイケメンで奇抜的な服装だらけの世界の中に一番普通って感じなんだけど、あのカチューシャがちょっとね。




ウキョウ:謎に満ちたジョーカー

24歳のカメラマンで「冥土の羊」の常連客。全ての世界線へ移動できる不思議な青年で部活は15以上在籍している。

ウキョウ√は全員を攻略してから解放される。他の√で現れた謎(異常気象、バッドエンドの数多さの理由、オリオンの存在、記憶喪失など)が全て明かされる真相√になります。性格に関してはなんだけど、実はウキョウが二重人格で、「表ウキョウ」と「裏ウキョウ」と切り替えたりするけど自分の意思で操られないらしい。表の方は優しくてふんわりした控え目な感じなんだけど、掃除や洗濯が全く出来ない。裏の方は…主人公を何度も殺そうとするサイコパスです。でも家事が得意。ウキョウは好きでも嫌いでもなかった謎の中性的なキャラでしたね。それに、全員の中に一番細いような気がしますね。バッドエンドは非常に多くて選択肢を一つでも間違ってしまうと殺されるので、攻略サイトを参考にした方がいいかと思います。そうしないとかなりフラストレーションが溜まるのでしょうね。ホラーのように色々怖かったけど、全ての疑問が無事に解決される√だったので結構面白かったです。

 

糖度:4星

ストーリー重視なので糖度は高いわけではないけど、低すぎでもなかったと思います。糖度を求めるなら、FDのレーターxクラウドをお勧めするけど、本編をクリアしてからプレイした方がいいです。そっちの糖度の方が断然高くて素敵なスチルも多いので、本編のキャラが好きだったなら、きっと楽しめると思います。

 

イラスト:5星

絵師は花邑まい氏で好きな乙女ゲームのイラストレーターの一人です。全員イケメンで主人公もめっちゃ可愛くて好みと言えば好みですね。アムネシアの他にカラーマリスの原画を手がけました。ギャラリーでは特定の部分をタップするとキャラの音声を聞こえるんで、凄く良かったです。でもタップと音声開始の時間の長さがちょっとネックでした。トロフィーのために全てを聞かないといけないんだけど、40分ぐらいかかったぐらい音声の速度は遅かったです。もう少し速くしてくれたら良かったのに。

 

 

音楽:5星

音楽が凄く良かったです。サスペンスを上手く表現する曲が多くて、OSTを滅多に購入しない私が購入しちゃったぐらい好きでした。「見えない真実」という曲が凄く好きで、当時携帯の着信音として使っていました。「暴かれた真実」にもヒヤヒヤ感があって気に入った曲です。FDを含めて全ての曲をユーチューブで聴く事ができます。下のリンクを貼っておきましたので、興味のある方はどうぞ:

 

本編だけ:

 

総合:5星

 

トロフィー

30時間ぐらいかかって、ボリューム的にはちょうど良かったです。バッドエンドが多くてパラメーター調整もややこしいので自力で攻略するのは難しいけど、攻略サイトに頼れば楽です。作業やミニゲームもないので、プレイヤースキルが別に求められていません。私の初めての乙女がアムネシアだったんだけど、刺激的な要素やトーマ√があるので、乙女ゲーム初心者よりも上級者向けなんじゃないかな。私は何も知らずに飛び込んじゃいました(笑)。後悔は一才していないけどね!

 

良かった点

  • 共通ルートがないので金太郎飴感は全くない。
  • √によってキャラの人間関係と立場が変わるので、新鮮味がある。
  • キャラが全員イケメンで身長が高い。
  • サスペンス・ミステリーのストーリーが面白い。
  • 主人公が可愛い。
  • 自己投影しやすい。
  • スチルやイラストがとても綺麗。
  • 音楽が良い。
  • スチルをタップすると音声を聞こえる。

 

気になった点

  • スチルの音声再生が遅い。
  • 自力で攻略するのが難しい。
  • バッドエンド祭り!
  • 糖度はどっちかというと低め。
  • 自己投影しない方にとってはちょっと厳しいかもしれない。
  • パラメーター調整がややこしい。
  • ヤンデレが苦手な方にはお勧め出来ない