今でもよく思い出す小学校での授業。
「人間は値段にすると、いくらなのでしょう?」
と問いかけがあった。
配られたプリントには、人体図が書いてあった。
あたしたちは
「1億!」
とか
「無限!」
とか
「1兆」
とか
小学生なりに
考えうる限りの最高の価格をたたき出し、
ちょっと考えた子は
「お金では買えない」
とか
「かけがえのない」
とか言った。
でもね。
先生がはじき出した人間の値段はそんなもんじゃなかった。
確か
4,000円かそこらだったと思う。
4,000円だよ。4,000円!
よんせんえんっ?
よーんせーんえーんっ。
信じられないさ。そりゃ。
あたしは4,000円ですか?
先生が言う。
「人間の身体の約70%は水です。水は?
いくらですか~」
あ、そうか。
「六甲のおいしい水はペットボトルで200円くらい」
とか、言ってみた。
・・・。
自分の中の水分が、六甲のおいしい水よりもっと
おいしい水でできていたとしても
絶対に、絶対に1億とかにはならないわけ。
もしかして、組成にダイヤモンドとか何カラットもあって
すごいんじゃない?
とかも、思うんだけど
そんなもの含まれてないわけ。
マジなんです。
人間なんて、物体としてはそのくらいの価値しかない。
このことを知ったのは、ものすごく衝撃的なのでした。
それからは
言葉にしようとすると
なかなかうまい言葉がないのだけど
月並みに言うと
命、というか、人生を
自分、というか、自分を取り巻く皆を
大切にしようと
大切にしようと
思っているのです。
値段にすると、4,000円やそこらのものを
大切に大切に、他の代わりがなくそのものを
愛すことができるのは
とても気持ちよく
とても幸せなことなのです。