ツナグ
“ツナグ”

原作のエピソードをほぼ忠実に映画化
“アイドルの心得”カットした分
後半の傘のシーンが別人に
でもあのエピソードで
死者と再会したために
後悔と贖罪を一生背負っていく嵐が
絶望のなかにも自分らしく生きていくだろう未来を暗示させているのかも
原作になくて映画にあったものが
樹木希林のアイデアだったという劇中詩
途中歩美と祖母アイ子が
掛け合いのように諳んじるこの詩が
この映画を忘れられないものにしています
劇中詩「最上のわざ」(一部抜粋)
ヘルマン・ホイヴェルス神父の友人作<ヘルマン・ホイヴェルス著「人生の秋に」(春秋社刊)所収>
この世の最上のわざは何?
楽しい心で年をとり
働きたいけれども休み
喋りたいけれども黙り
失望しそうな時に希望し
従順に平静に己の十字架をになう
若者が元気一杯で神の道を歩むのを見ても妬まず
人の為に働くよりも
謙虚に人の世話になり
弱って、も早 人の為に役立たずとも
親切で柔和であること-。
老いの重荷は神の賜物
古びた心に、これで最後の磨きをかける
まことのふるさとに行くために-。
鑑賞日;2012年10月13日