私たち家族には、馴染みの旅館があった。


息子がお腹の中にいた時から月一ペースで通っていたその旅館は、2年前から巨大外資企業の保養施設となった。


嬉しいことがあった。


その旅館と契約元企業との契約が半年更新と聞いていたので、予約サイトにたまに目を通していたのだが、ふと見ると空きがでていた。


私は、すぐさま予約をし、週末に行ってきた。



目的地までは約70Km

今日も下道で、途中でお土産を買う。


息子は分かっているのか、いないのか。

とても喜んでいた。



旅館に着くと、いつものなかいさん

おばあちゃん『息子くん。久しぶり。』

確か私の母と同い年。



部屋で暫し語る。



『今日パパは?』



やはり、聞かれる。



これからお世話になることが多くなるので、正直に夫のことを話した。が、なかいさん、信じない。



チョイ具体的に話し、

持ってきた夫の写真立てをみせると、

ようやく信じた。



そして、旅館の皆さんに伝えてもらうようにお願いした。



着くなり息子は2時間お部屋のお風呂に。

わたしは、ひたすらぼーっとした。


月一の家族のお出かけ先は、

思い出しがすごいだろうな。と、心配していたが、それほど酷くはなく、いつもの部屋はとにかく落ち着き、日頃の邪念が消え無になる。



それから夕飯まで、奥さん、別のなかいさん、挨拶にみえた。




あっという間に夕食




懐かしき炊飯ジャー。

いつもふりかけ持参だが、忘れてきてしまった。



それから、今度はおかみさんがスイカを持ってきた。



おばあちゃん『なみだがでたよ。 大変だったですね。 お得意さんのご不幸の時には必ずいくのだけれど、知らなくてごめんなさいね。 息子さんいるから、よかったね。 』




83才のおばあちゃんに

夫の死について話すことは、なんだか不思議な気持ちだ。

息子はスイカを喜んで食べた。



さて、馴染みの旅館。

やはり、相当落ち着いた。


なんなら、自宅より落ち着く。



何を言わなくても夕飯には息子の好きなものが並び、食卓には夫の写真。

息子はひたすら部屋の風呂に入り、

喉が乾いたら息子1人でジュースを買いに行く。

大っきいお風呂に息子1人で入りに行く。



私が気を配る必要などない。




この馴染みは、私たち家族にとって心地よい場所。

また、ここにこれたことを有り難く思う。



※覗きや盗撮はいけません!!

1人で大浴場から帰ってきた息子は誇らしげ


帰りに、大量のお土産をもらい、名残惜しくも旅館を後にする。



驚き『あ わすれものしたー 』



あんなに盛大に見送られてまた戻るのはバツが悪い。来月また予約をしたので、その時に回収しよう。



さて、旅館で食べたスイカ🍉が美味しかったので、帰りにスイカを購入しました。

ニコニコ『おじちゃん。これどれが美味しいんですか?』



おじいちゃん『これか、これだね。』



ニコニコ『どこで分かるんですか?』



おじいちゃん『このヘタのまわり触ってみて。ゴツゴツしてるでしょ。それが食べごろ。サラサラしてるのはまだ熟れてない。』



ほうほう。



帰りの車で、

スイカがゴロゴロ転がる音が。

大丈夫かな。


大丈夫じゃなかった不安




昨日の↓を思い出した。

その後、実家の母にスイカを渡すと、

数十分後

母思い切りがスゴイ。



さて、ウチの馴染みの宿。

お値段少し値上がりしていて、大人2人で33,000円。



これから月一通えると思うと楽しみだ。