Google 中国からの撤退で窮地に立たされた中国政府 | x68030cのブログ

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だんだんテーマが支離滅裂になりつつあります

この件で世間ではGoogleは将来の巨大市場を失ったとGoogleが大きな痛手を負ったというコメントが目につきますが、むしろ、中国当局が被った痛手は計り知れないほど大きいと思います。

今回、中国政府は「中国の法律」を楯にしてGoogleを非難してますが、その「中国の法律」が一体誰の利益を守るためなのか?を考えたとき、天安門事件の情報にアクセス制限をかけられて知る権利を剥奪されている中国人民のためではないことだけは確かです。

それでも、中国は高度経済成長下にあり将来への期待で中国内で世界の目を引くほどの暴動は起きていませんが(当局による強力な統制が働いていることもあるでしょう)、中国の経済拡大は人口ボーナスによるがおわるあと5年で早ければ終わるといわれています。その時、中国内の不満は中国政府に向くことになります。そのとき、情報統制にほころびが生じたら情報統制に手を貸して天安門事件やチベットの件などの事実を隠蔽してきたIT企業もその片棒を担いで欺いてきたとして憎悪の対象になるのは明白です。それを考えればGoogleの判断は上手く将来のリスクをヘッジしたと思います。

一方中国政府は、今回の件で情報統制を続けなければ体制維持出来ない懸念があるほど脆弱で、国民の信任されていないことを自ら露呈してしまったと言えます(まあ、自国民を軍隊で虐殺する当局を信用出来るわけもありませんが)。また、中国当局が一企業に一方的攻められ大きく威信を傷つけられた心証は拭えません。

以前、各種機器のソースコード開示を要求が大きな波紋を呼びましたが、Googlが撤退を真剣に検討するほど中国進出は極めて高いリスクを内包していて、熱病にかかって判断力が麻痺しつつある企業には目が覚める冷水だったと思います。