1974年11月4日スコットランドはエディンバラにあるアッシャーホールを皮切りに,12月14日ブリストルのヒポドロームまで行われた,冬のブリティッシュ・ツアー(通称:British Winter Tour 1974).

 本ツアーから,ツアー最終に 2夜連続で行われた,ブリストルのヒポドローム公演から 2夜目(:12月14日/ツアー最終公演)をオーディエンス録音で収録した 『 Bristol 1974 2nd Night (Gift CDR) 』 が,ギフト・アイテムとして配布されました.

 元は昨年末に floyd_zenithなる人物が,ネット上にアップした 「 Brainwaves Coherence (REWORKED) 」バージョンだと思われます.

 既発では,古くは Ayanamiレーベルから 『 Heavy Fog In Bristol 』 としてリリース,そして数年前に Godfather Recordsレーベルが,1970年~1974年の各年代から 1公演ずつ収録した 10枚組ボックス・セット 『 The Massed Gadgets Of Hercules 1970 - 1974 (G.R. BOX 09) 』 の 1974年分 『 1974 Bristol (G.R. BOX 09 I/J) 』 に収録されているものの,現在,この公演のみ単発ではリリースされておらず,非常に有難いギフト・アイテム.

 曲間でマイクを触る(位置調整?)音や,"Shine On You Crazy Diamond" の 4分31秒~36秒に何故か音圧の下がる部分もありますが,メーカー情報に記載されている通り,高音質な音源で,各楽器もバランス良く収録されており,初心者でも楽しめる音源です.
 この辺の音源が少しすると,プレスCD化されるのでしょうか.(笑)

  "Raving And Drooling"(:"Sheep") 演奏開始前の約 1分50秒前後にも渡るモノローグ(このテープは1970年12月22日にフロイド史上唯一ライブ [*1] 演奏された "Alan's Psychedelic Breakfast" に使用されたテイクと同じもの)が流れます.

[*1]Rise & Shine (Bonus CDR) 』 を参照下さい.

 メーカー情報では
 『1974年ヨーロッパ&イギリスのWinter Tour最終公演である、12月14日のブリストル公演2日目を高音質オーディエンス録音で収録。
 ネットを介して登場した高品質ヴァージョンを収録。そのサウンドは非常に高音質でRAW。ショウを140分に渡ってほぼ完全収録しており、それでいて初心者でも問題なく聴けるレベルの高い音質、74年英国ツアーを代表する名音源の割には「Heavy Fog In Bristol」(Ayanami)、「Bristol 1974」(Godfather)とタイトル数が少ない不遇の音源でもあります。

 この公演には 2ソースの存在が確認されており、本盤は「Source 1」と言われている音源をピッチ補正(★半音の30~80%低いピッチを修正。)&数か所のアナログノイズ軽減・削除して最良の状態で収録しております。ヒスノイズが部分的に大きくなったりする箇所が散見されるのは従来通りですが、とにかく音が近くマイルドで太く、非常に聴きやすいため、全てのフロイドファンにお薦めしたいと思います。Any Colour You Likeは8秒目でカットがありリックのシンセソロが未収。ソース1はこの部分が聴けるヴァージョンは存在しません。アンコールのEchoesの冒頭ではギルモアの紹介で「今日がツアー最後の公演」であることが語られます。聴き応え満点の2時間20分。現時点、74年ブリストル公演の世界最良ヴァージョンをどうぞ、お楽しみ下さい。

 (コンサートの詳細は 下記の beatleg vol.17「 From the Underground 15 」抜粋をお読みください。)

 英国ツアー最終公演となったブリストル公演2日目の模様を収録。
 ジミー・ヤングの前説からステージは始まる。「Raving And Drooling」は一途乱れぬ強靭なリズム隊とカッティングやアルペジオを交えた表現力豊かなギルモアのギターワークが冴える。間奏のウォーターズによるスクリーミングも強烈だ。「You Gotta Be Crazy」はフェイズシフトをかけたギターのイントロに導かれての疾走感溢れる演奏。ギルモアのボーカルはフラットぎみで伸びが無い。ライトによる幻想的なスキャット、強いピッキングとチョーキングでのフレーズに表現力をつけたギルモアのギターソロ、そしてライトのポリフォニックシンセサイザーをバックにウォーターズが感情を露わにしたボーカルへと続く間奏部は申し分ない展開。「Shine On You Crazy Diamond」は、エコーを除けば原音のままの音質でソロを弾くギルモアと厳かなライトのシンセサイザーソロの掛け合いが非常に良いが、それに続くウォーターズのボーカルは元気が無い。ひきつりながら絞り出すように歌う、いつものスタイルが影を潜めている。間奏部のギルモアのスライド・ギターは強いビブラートと高低差のある幅広い音階で、過激なフレーズを繰り出す。3番の歌詞でもウォーターズのボーカルは気が抜けたまま。
 第二部は「Dark Side Of The Moon」。「Speak to Me」から「Breathe」への移行時、前日と打って変って大音量で突入する。ギルモアのボーカルの伸びやかさは殆どなく、フラット気味な音程も変わらず。「On The Run」はSEがかなりの大音量で挿入され、非常に迫力がある。「Time」は安定した演奏ではあるが、ギルモアとライトのボーカルに伸びなく、どうにか音程を保つのに精いっぱいでハーモニーを構築するレベルではない。「The Great Gig In The Sky」はイントロにおけるライトのピアノとギルモアのスライドギターが美しく、ハーモニーを作り出す。女声コーラスは深いエコーの中で圧倒的な声量でスキャットを披露する。「Money」への移行には十分過ぎるほど時間をかけ、最後はライトのソロで締めくくる。「Money」はギルモアの力任せにシャウトするボーカルがここでも違和感がなく、サックスも激しくブローイングする。ギターソロはここでも長大な演奏になっている。「Us And Them」は女声コーラスの大音量で分厚いコーラスの活躍で、ギルモアとライトのコーラスをマスキングしている。「Any Color You Like」はライトのシンセサイザーソロが未収録。ギルモアのソロ中盤のスローブルース的なソロから収録されている。「Brain Damage」「Eclipse」でもウォーターズのボーカルに緊張感がない。アンコールは「Echoes」で、ここでのギルモアとライトのハーモニーはこの時期としてはまずまず。』

Bristol 1974 2nd Night (Gift CDR)
 
 Live At The Hippodrome,Bristol,UK 14th December 1974

 Disc 1
  1. Introduction by Jimmy Young
  2. Raving And Drooling
  3. You Gotta Be Crazy
  4. Shine On You Crazy Diamond
  TOTAL TIME (59:03)

 Disc 2
  [The Dark Side Of The Moon]
  1. Speak To Me
  2. Breathe
  3. On The Run
  4. Time
  5. Breathe (Reprise)
  6. The Great Gig In The Sky
  7. Money
  8. Us And Them
  9. Any Colour You Like
  10. Brain Damage
  11. Eclipse
  12. Echoes
 TOTAL TIME (79:23)

 Raving And Drooling
 
 The Great Gig In The Sky
 
 Money
 
 Echoes
 


[参考]
 The Massed Gadgets Of Hercules 1970 - 1974 (G.R. BOX 09)
 
 1974 Bristol (G.R. BOX 09 I/J)
 


狂気
コレクターズ・ボックス [DVD付]




コレクターズ・ボックス [DVD付]



British Winter Tour 1974
 November
  04 Usher Hall,Edinburgh,UK
  05 Usher Hall,Edinburgh,UK
  08 Odeon,Newcastle-upon-Tyne,UK
  09 Odeon,Newcastle-upon-Tyne,UK
  14 Empire Pool,Wembley,London,UK
  15 Empire Pool,Wembley,London,UK
  16 Empire Pool,Wembley,London,UK
    [Alan Freeman Show,BBC Radio 1,Broadcast 11th January 1975]
  17 Empire Pool,Wembley,London,UK
  19 Trentham Gardens,Stoke-on-Trent,UK
  22 Sophia Gardens Pavilion,Cardiff,UK
  28 Empire Theatre,Liverpool,UK
  29 Empire Theatre,Liverpool,UK
  30 Empire Theatre,Liverpool,UK

 December
  03 The Hippodrome,Birmingham,UK
  04 The Hippodrome,Birmingham,UK
  05 The Hippodrome,Birmingham,UK
  09 The Palace Theatre,Manchester,UK
  10 The Palace Theatre,Manchester,UK
  13 The Hippodrome,Bristol,UK
  14 The Hippodrome,Bristol,UK

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