小学2年生の算数は4月中旬から「時こくと時間」の単元を学習します。
(学図、啓林、教出採択教科書の場合)
この単元で、一定数の小学2年生が算数を嫌いだという思いを持ってしまう恐れがあります。
「時こく」については、小学1年生でも学習しているので、その延長上にあり、それほどむずかしいと感じません。
しかし、「時間」という概念が理解しにくいのです。
大人にとって、「時間」は日常生活において常時普通に使っていることなので、誰でも簡単に理解できるようになっています。
午後1時から2時間後に人と待ち合わせの約束をすれば、午後3時に会うということが 当たり前のことのように分かります。
それが小学2年生の子どもには分かりにくいのです。
自分の子どもが小学2年生で、午後1時から2時間後が何時か分からないとすると、思わず子どもに向かって言ってしまう言葉があります。
「そんなことも分からないの!」
その言葉で子どもは萎縮して、「時間」は ますます分からなくなります。
その結果、算数も嫌いになってしまいます。
そもそも、小学2年生といっても、4月はまだ2年生になりたてです。
小学1年生が終了した段階と考えてもよい時期です。
小学1年生では、たし算、ひき算の筆算はまだ学習していません。
100までの数の計算も繰り上がり、繰り下がりもなく、30+2、43-1のような計算までです。
2けたのたし算、ひき算の筆算は「時こくと時間」の後に学習することになっています。
(学図、啓林、教出採択教科書の場合)
2けたのたし算、ひき算の筆算の学習をした後に、「時間」を学習すると「時間」に対する理解度が違ってきます。
筆算をすると「たす」「ひく」の概念がつきやすく、実感として時間前後の感覚が分かりやすいようです。
これは頭の中だけで計算するのではなく、書く、見るという行為が加わったことによる効果と思われます。
ですから、2けたのたし算、ひき算の筆算を学習していない段階での「時間」の学習は子ども達にとっては理解しがたいものになります。
7時15分から25分後の時こくを求める問題も2けたのたし算が筆算でできれば15+25=40の計算をして、7時40分と求めることができます。
しかし、その計算がまだできない段階です。
そのことを大人は認識してあげなければなりません。
2023/04/16
