ずいぶん昔のこと、東京立川の映画館で観たい映画が上映されるので立川に行った。
映画館がどこにあるのかも知らないで行ったので、立川駅の周辺を歩き回って映画館を探した。
見つからないので人に聞くしかないと思った時、信号待ちで立っていた前の二人組の会話が聞こえてきた。
一人が通りを指さしながら
「あそこの映画館の前を通って……。」
その姿はまるで僕に「映画館はあそこにあるよ。」
と教えてくれているようだった。
図書館でよく本を借りていたころの話。
10冊くらい本を図書館で借りて自宅に戻って借りてきた本を見ると、借りた覚えがない本が一冊あった。
著者名は僕が知らない人だった。
その本を読んで、その後、その人の書いた別の本をすべて借りたり、購入したりして読んだ。
映画館の時に感じた。
一生懸命がんばっていれば道が開ける。
見えない力が引いてくれる。
一生懸命がんばることが必要だ。
図書館の時に感じた。
自分に必要なものは目の前に突然現れる。
それが自分に必要なものか、どうか。
それが分かるか、どうかだ。