2011年本屋大賞受賞作の「謎解きはディナーのあとで」を読んだ。
昨年の受賞作「天地明察」を読んだ後は、少し爽やかな心地よさを感じた。
今回の読後には、本屋大賞はおしまいだ、と思った。
本屋大賞というのは全国の書店員さんが本を読んで、これはおすすめだ、みんなに読んでもらいたい、と思った本を投票で選出しているはずだ。
その結果が、今回の「謎解きはディナーのあとで」になったということは、本当に本好きの人がこれをどうしても読んでほしいと思っていることになる。
どう考えても納得がいかない。
ただ、ベストセラーを何でもいいから作りたかったとしか思えない。
ここで、ワンプッシュすれば、バカ売れする本が今回の大賞受賞作だった、と言い換えた方が当てはまるのではないのだろうか。
さて、「謎解きはディナーのあとで」について、これはミステリーとうたっているけれども、そもそもミステリーと言える内容ではない。
いくつもの事柄が絡み合わされて、ひとつの事件が形成され、それを解きほぐしていくというような内容ではない。
謎を解いていくミステリーの持つ楽しみがそもそも描かれていない。
軽いノリで読んでいって、そのまま簡単に読み終わってしまう。
ただ、それだけのことという感じ。
けれども、主人公はじめ、登場人物の設定は面白いので、キャラ設定をしっかりして、テレビドラマにするとよいだろう。
逆にテレビドラマならば十分楽しむことができる。
テレビドラマの脚本としては面白い。
ミステリーの小説と考えてしまうと疑問だし、不満がいっぱいになってしまう。