映画「桜田門外ノ変」を観ました。
司馬遼太郎著の「竜馬がゆく」の中で、桜田門外ノ変が起こらなかったなら、大政奉還はされず、幕府はつぶれていなかった、というようなことが書かれていて、非常に気になっていたので、映画は観たかった。
映画の作り方としては時系列が過去に行ったり戻ったりを繰り返した構成になっていて、それが映画を分かりにくくしているように思われました。
また、ナレーションなどが多くあり、記録映画を観ているようで、映画が楽しく感じられないところがあり、一般的には面白くないと思われてしまう映画ではないでしょうか。
ただ、主役の大沢たかおを筆頭に登場人物がみんな良かった。ちょっと臭い演技の人物がいたけれど概ね良かった。
そこで、登場人物に感情移入もしやすかった。
自分のしたことに意義があったのか自問自答するような最後の頃の主人公の心の葛藤も感じやすかった。
そういう点では、自分にとっては感動する良い映画ではありました。
エンドロールの時に流れるalanの歌が物語の余韻を増長させて、ちょっと胸が熱くなって、幕が閉じた。
エンドロールも合わせて、この映画の終わり方が自分には感動を呼んだ終りになった。
主人公が映画の中で言った言葉で非常に印象的で、これがこの映画の伝えたいことだなと思った言葉がありました。
後でパンフレットを読むと、この言葉がパンフレットに書かれていて、テレビの映画のCMでも使われているらしい。
そのことを知らないで映画を観て、その言葉が印象に残ったということは、しっかり、観た者に言いたいことが伝わったことになる。
「我らは井伊直弼の首一つを奪うために、どれだけ多くの命を道連れにしたのでしょうか」
映画を観た後、すぐに原作の文庫本上下を購入してしまいました。