井坂幸太郎さんの小説は本屋大賞に何度もノミネートされて人気もあるのに、自分は読んでいなかった。
だから、いつか読んでみようと思っていた。
こんなに人気があるのだから、面白いはずだ、と思っていた。
そんな思いから、以前、読んでみようと思い立って「重力ピエロ」を読んだことがある。
すると、思い通りではなかった。
自分には、小説の中で書かれているうんちくが鼻についた。
ちょっと楽しめなかった。
自分は井坂ワールドに入れないと思った。
残念だけど、井坂ファンの仲間にはなれないと思った。
だって、有名な「重力ピエロ」を読んでみたんだから。
それで面白いと思えなかったら、井坂ワールドは自分には向いていないということになる。
だから、井坂幸太郎さんの小説は話題になっても自分は読まないだろうと思っていた。
それが、今回あるきっかけから、「ゴールデンスランバー」を読むことになった。
すると、これが面白い。
今頃、こんなこと言っていると、井坂ファンには笑われるだろうが、とにかく面白い。
すごく、というわけではないけれども、読んでいて終りはどういう終りからなのだろうか、というのが気になってしょうがなかった。
終わり方が良かった。
ある面悲惨だけれども、さわやかだった。
気持ちがよくなる終わり方で思わずもう一度読み直して、爽快感を再度味わった。
いろいろな伏線がつながって、最後は気分よく終わることができた。
久しぶりに、本を読み終わってうれしくなった。
この分だと、井坂ワールドに浸りそうだ。