塾において小学生で、希望者は「わくわく文庫」という朗読を聞きながら本を読む速読トレーニングをしています。
そして、その後に読んだ本についての感想文を書いています。
この感想文についてですが、驚くことに小学5年生ぐらいでも、はじめに感想文を何も書けない子どもがいることです。
そういう子どもには、こちらの方で本について何が出てきたのか、それが何をしたのか、というようなことを聞き出して、それを書くように促します。
それでも、答えることはできますが、書けないという子どももいます。
文章を書くということは、頭の中で物事をまとめて、それを書く行為だと考えます。
そのように考えると、頭の中で物事をまとめる力がないと文章を書けないことになります。
しかし、書いてから、まとめるのだと考えると、文章は書きやすくなります。
しかも、小学生においては書いた後、文章をまとめる必要もなく、ただ、感じたことを書くだけでよい、とすると、文章はもっと書きやすくなります。
読書感想文は国語の力をつける意味でもよい方法です。
しかし、本を読むこと自体を嫌いにしてしまう要因のひとつにもなります。
読書感想文を書くために本を読むことは苦痛になります。
国語の力をつけるために、本を読んだならば、必ず読書感想文を書かなければならないという状態になると、本を好きで読んでいた子供も本を読むことが嫌いになってしまう可能性もあるでしょう。
しかし、だからといって文章を書くという行為を放棄してしまうことは、やはり、国語の力をつける意味でも得策ではありません。
そう考えると、肩肘張らないで、とにかく思ったことを文章で表すことでよい。
文章を書くことにまず慣れることが必要なのだ、というスタンスで文章を書くようにするとよいでしょう。
そして、読書感想文として本を読んで思ったことをただ羅列するということは逆に文章を書きやすくします。
読書感想文を本を読んだメモと考えると文章も書きやすく、思ったことも頭の中から出やすくなります。