家の前の道路で、ここ1ヶ月位、深夜に舗装工事が行われている。
初めて、深夜工事を知った時は驚いた。
仕事が終わって深夜、暗い細い道を歩いて、家の前の道路に出たら、そこだけ別世界になっていた。
2.5m位の高さの提灯のお化けみたいな照明が、バッテリーの音をたてながら、10m間隔位に置かれている。
昼のようとは言わないが、夜ではなくなっている。
機械の音はガタガタと、深夜の闇を砕くごとく、轟音とさえ言える深夜にはほど遠い音をたてている。
その中をヘルメットをかぶった人達が動いている。
何か映画のワンシーーンを観ているような錯覚におちいるような風景だ。
ブレードランナーの現代社会版、マッドマックスの地下に住む人間が、深夜地上に出てきている。
そんな感じの空間だ。
そこだけ別世界と感じてしまうのは、何故だろうか。
本当は、あたりは寝静まっているはずの深夜。
夜の世界に強制的に昼の明るさを作って、昼のように轟音と共に動き回る人と機械。
そこが別世界になるのは当然だ。
人間の体は、夜には眠るようになっているはずなので、血液などもゆっくりと流れようとして、眠る準備をしているはずだ。
そこに、昼のような明るい刺激を与えると、逆にテンションが上がってしまうような気がする。
暗い闇に昼のような明るい光が、煌々と照らされるだけで、気分が高揚してくる。
昔、この道路の両脇に、初めて街灯が数多く灯った時に、家から飛び出して明るさに興奮したことを思い出した。
当時は、これで夜がなくなったと思った。
夜、スーパーなどに買い物に行くと、昼に行くのと違って、なぜか気分が高揚し、楽しさを感じてしまうような気がする。
ドンキホーテなど、昼より夜のお客が多いと聞いたが、確かにそれは言えると思う。
体は寝ようとしているのに、それに反抗するのは、きっと楽しいのだろう。
反抗することで、気分が高揚するのかもしれない。