「闇金ウシジマくん」を読むとすると内容がグロテスクで眉をひそめる人が多いだろう。
あまり、おおっぴらに読んでいると言えない感じがする。
第1巻を代表に、はじめの頃は金が返せない人間に対してはとことん落ちる所まで落として金を返済させるウシジマくん。
金を借りたら、利子を払うのがやっとで、そのうち利子も払えなくなり、どんどん深みにはまっていく人間。
そんな人間達の裏社会の関係を描いている。
知らないことばかりで、裏ではこんなことが起こっているのか。
と、おもわず思ってしまう。
本当はどうなのか知らないけれど。
ありえることかも、なんて思わせる。
金を借りるのに、トサン(10日で3割の利子)、トゴ(10日で5割の利子)で借りるのだから返せるわけがない。
金がないので闇金から借りて、金が返せなくて人間でなくなる。
そんな状況がはじめの頃のエピソードには多く描かれていた。
だからはじめの頃は話の完結時の後味はよくない。
でも、本当にこんなことあるのだろうか。
ないだろうけれど、ありそうだ。
というような感じにさせるところが面白い。
絵も背景などが写真を観るようで写実的で上手い。
コマ割りも映画のワンシーンを見るような感じがする。
ひとつのエピソードが大体20話ぐらいで終わるようになっている。
だんだんと巻が進むごとにエピソードの完結時は何か気分的には前向きになれるような内容で終わるようになってきているようだ。
清々しさを感じるような時もある。
その点が、始めの頃とは変わってきている。
24・25巻では、「生活保護くん」という題で生活保護受給者を主人公にした内容で、闇金自体の話は薄い。
主人公の自活への芽生えの話で内容的には今までと比べると闇金の怖さは前面には出てきていない。
終わりが少し前向きにしよとしているところ変に意識的で、逆に今までよりもダークさが薄くてパワーダウンしている感じがする。
個人的には「サラリーマンくん」が何か変に共感できるところもあって印象に残った。。