理容室に行った。
午前9時15分頃、理容室の駐車場に車を入れると、後から1台同じように駐車場に車が入ってきた。
駐車場から歩いて1分位の所に理容室はある。
理容室に入ると、中にはお客1人が散髪しているだけだった。
理容師さんは2名いたので、すぐ「どうぞ」と声がかかった。
混んでいる時に読むために本を持参していったのだが、本は必要なかった。
理容師さんが、その本を鏡の横の棚に置いてくれたので、
「混んでいるかと思ったので」
と言わなくても良い言い訳を理容師さんに言う。
「今日は朝方寒かったので、出だしが遅いようですよ」
と理容師さんも話を合わせてくる。
そんな話をしていると、お客さんが1名入ってくる。
どうも、自分の後に駐車場に車を入れてきた人が店内に入ってきたようだ。
その人は雑誌を取ってソファに座る。
ちょっとラッキーと思ってしまう。
ほんの1分の差がこの格差になってしまうなんて、世の中は何て非情にできているのだろう。
そんなことを思いながら、散髪をしてもらっている間に、何とお客さんがあと2名も入ってきた。
もし、自分が10分位遅かったなら、ソファで本でも読みながら、自分の順番まで多くの時間を潰さなければならない状態になっていた。
わずかな時間の差で天国と地獄を味わっていることは、よくあることなのかもしれない。
ただ、そのことを実感していないだけなのだろう。
知らないことが幸せというのはこのようなことかもしれない。
大切な時間を有意義に使うことを真面目に考えてみる必要もある。