前回、仕事が終わった帰り道に「すばる」を探してみると言った。
そこで、実際に夜空を仰いで、オリオン座を起点に「すばる」を探してみた。
すると、真上の夜空に淡い星の集まり「すばる」を発見した。
ちょっと、夜空を見上げながら感動した。
新しい星を発見した人の気分をほんの少しだけれど味わったような気がした。
こんな気持ちを経験して、その気持ちが忘れられなくて、天体観測をしている人たちは星を眺めるようになるのだろう。
そう思うと、天体観測は始めたら、止められないはずだ。
夜空に浮いている星は神秘的でもある。
じっと見ていると、引き込まれそうで、引き込まれると、遠い大昔にタイムスリップしてしまうような錯覚まで感じる。
大昔の人達と一緒に星を眺めているような気になる。
今は、星を眺めて運勢を決めているわけではない。
だから、一般人には、星の存在の意義は感じられない。
星が突然、夜空から、ひとつ残らずなくなってしまっても、気づかない人もいるだろう。
そんな忘れられている星かもしれないけれど、よく見てみると、怖いくらいに存在感がある。
それも、当然だ。
宇宙が誕生して137億年、太陽は50億年、地球は46億年、となっている。
それに対して、人類は誕生して250万年位だ。
人と比べて、星に存在感があるのは、当然ということになる。
星を眺めて立っていると、そんな気の遠くなるような長い歴史に囲まれて、立っている感じがする。
それは人間という殻を破って、空に向かって飛び出していく感覚だ。
長い長い歴史を旅するためのように宇宙をさまよう感覚だ。
そんなことを感じたら、星を見るのは止められなくなる。
でも、夏はカエルがうるさく鳴いている、こんな田舎でも、夜は真っ暗という訳ではない。
街灯のあかりは道を明るく照らしている。
都会と比べたら、それでも夜は暗いけれど、こちらも星は見えにくくなっている。
夜空を見上げれば、星がいっぱい、という訳にはいかない。
電線などの合い間から星をのそくような状態だ。
深夜の帰り道に、夜空を見上げ、遠く大昔にタイムスリップするのも、むずかしくなりつつあるようだ。