旅行③

私達の話を聞いたおばあさんは、こんな話をしてくれました。

昔からこのあたりは平和なところだったんだよ…それが戦争が始まってから、戦争とは無縁だと思っていたこの村もとうとう召集令がくるようになった…。
その時この村にはとても仲のいい兄弟がいて…歳の離れた兄弟だったけどお兄ちゃんが面倒見がよくて、見てるとほほえましかったそうだよ…。
でもある日お兄ちゃんは召集されて下の子は取り残されてしまった…。
でもそのことがよく分かってなかったみたいで毎日毎日出会った人に聞いてたみたいなんだよ…「お兄ちゃん知らない？」って…みんな「用事が終わったら帰ってくるよ」としか言えなかったらしくてね…その後村は食料不足に悩まされるようになってしまったそうだ…




「…。その子はどうなったんですか？」

「…。死んじゃったんだよ…栄養失調でね…。」

「えっ…」




それからしばらくして戦争は終わった…。でもお兄ちゃんは帰ってこなかった。
それからというもの…幽霊騒ぎが絶えなくなったらしいんだよ…「お兄ちゃん知らない？」って何人も聞かれたそうだよ…。




「だからお部屋にお札を貼ったんですか？」

「実はね…部屋だけじゃなく本当は村全体にいくつか貼ってあるそうだよ。」

「そうだったんですね…。」

「かなり古くなってるものだから…驚かせて悪かったね…。この話は私の親から聞いた話だからね…。そりゃお札も古くなって当然だね…。」




この話を聞いて、怖いというよりかは悲しい気持ちになりました。

改めて戦争って嫌だなっとも思いました。

これからはあの子みたいな子が絶対にいないようにしなきゃいけない。そう思います。

その後はなんとなくみんなで近所の神社にお参りに行くことにして、それから迷惑をかけてしまった民宿のお手伝いをして帰りました。

というわけで…怖い話(??)改め、戦争反対日記でした…。

怖い話期待させた方すみませーん(>_<)