幼弱性にご注意を! | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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何のとりえもない平凡で臆病者の神経質者が語る森田的生き方ブログです。

神経質の性格特徴も大詰めになりました。最後はお約束どおり、神経質の幼弱性について述べてみようと思います。

ちなみに『幼弱性』とは、一つの性格傾向を表す言葉ではありません。神経質症の人が陥りやすいいくつかの傾向をひっくるめて表現した言葉です。『幼弱性』とは、平たく言うと『ガキっぽさ』です。

 

 

『幼弱性』には、大きく分けて3つの傾向に分けられます。まず『依存的』であること、次に『観念的』であること、それから『自己中心的』であることです。これらはいずれも子供時代に生じやすい生活態度と言えるでしょう。普通の大人であれば、成長の途中で『幼弱性』を脱ぎ捨て、一人前の大人になるのですが、神経質症になると、神経質性格の良くない点、特に子供じみた態度がクローズアップされるので、特に神経質症の場合は、これから述べる『幼弱性の打破』が、回復の鍵となるのですね。

 

それでは一つずつ、幼弱性の特徴、ないしそれらの克服方法について、述べていきます。

まずは、『依存的傾向』についてです。

一言で言えば、自主性、自立性に欠ける態度と申せましょう。会社で何か失敗をやらかすと、本当は自分のせいなのに、他人のせいにしてしまったり、人間関係がうまく行かないと、すぐに『会社を辞めたい』等と家族に愚痴を言ったりします。

また、何か困難な事案に遭遇すると、自分で何とかしようとせず、すぐに他人や組織に依存してしまう態度です。また、自分には甘く、人には厳しい態度で臨んだりもします。

 

仕事上でも何でも、何か難しい局面に立たされたとき、それに耐えるとか、自分で何とか切り開こうと言った積極的な態度が見られません。何事に関しても人に相談(依存)しないと行動に移せないため、実生活上の行動の幅は極端に狭くなり、それが体験不足を引き起こし、周囲との適応不安を起こして神経質症になってしまうのですね。

 

 

では、どうしたら『依存的傾向』から脱出できるのでしょうか。一言で言うと、自主的な行動の癖をつけることです。どこの社会でも、それそれの場で他の人たちと協力、共同しながら生活していかなければなりません。例えば人に合うのがいやだから、会合に出席しない。それが主婦であれば、わざわざご主人に仕事を休んでもらい、出席してもらう。このような生活態度では、一人前の人間として社会生活は送れません。どんなに不安であろうと、いやであろうと、必要な事には逃げないで自主的に行動することが大切なのです。

 

次に、『観念的傾向』です。

例えば健康でないと、良い生活は出来ない。一つでも病気があると、自分はダメ人間だと思ってしまう。受験に失敗しただけなのに、自分の人生の可能性がなくなってしまったように感じる。このように『かくあるべし』、『ゼロか百か』の考え方が根強く、完全主義の傾向があります。自己防衛が非常に強いのも特徴です。あくまでも理想を求め、現実的な考えが出来ません。これが神経質性格の良い面を生かせない、大きな要因となっているのです。

 

では、『観念性の打破』です。

現実世界では、完全はありえません。健康でなければならない、受験で失敗するようではいけない。と言うのも完全欲ですが、まずここから脱却しなければなりません。完全にやろうとすると、どうしても気分本位になります。人前でスピーチをする時大切なのは、堂々と話すことではなく、分かりやすく話しをすることです。それには事前準備が必要な事もあるでしょう。それでもうまく行かない時がありますが、問題にする必要はまず無いのです。要は、目的に沿った努力をしていくことなんです。

 

 

最後に『自己中心的傾向』です。

自分勝手な態度、いつも自分のことしか考えられません。別の言い方をすれば、主観的考えに捉われ、客観的な考え方ができないのです。したがっていつも『人にどう思われているのか』ばかり気になってしまいます。自分のことばかりですから、人に対する配慮もなく、仕事の進捗も関心の外なので、失敗を重ね、それがますます劣等感を深めます。また神経質者は自分が一番辛く、他はたいした事は無いと考えるなど、他人を思いやる気持ちも少ないものです。

 

『自己中心性の打破』です。

一言で言うと、『人のために尽くす』事です。何も大げさなものではなく、人の立場や気持ちを考えて行動することです。家庭の主婦であれば気持ちはどうあれ、ちゃんと食事の支度をし、ご主人や子供を送り出すことです。夫であれば、家事を全て奥さんに丸投げするのではなく、自分の役割もわきまえることです。このような生活態度を堅持すれば、自分だけに向いていた注意が次第に周囲にも向かうようになってきます。それにしたがって自然と客観的な視点も養成されてくるのです。

 

以上で、『幼弱性』の解説を終わります。まずは自分が小心で負けず嫌いな神経質者であることを、しっかり自覚することです。コレによって今後どのように行動すればよいか見えてまいります。要は自分がどういう性格傾向を持った人間であるか、客観的に把握することなんですね。

以上で『神経質の性格特徴』を終了します。

 

参考・・・『森田理論学習の実際』、『心の再発見』