「伝わらない文章」や「興味をもてない文章」に共通している傾向のひとつが、「誰に向けて書かれたものか」がよくわからない、というものです。

 

「この文章は、誰に向けて書いたんですか?」と書き手に質問したくなる文章にも、しばしば出会います。

 

実際に質問してみると、多くの場合、その文章を書いた本人も「えっとー、それは……いろいろな人です」「そう言われると、そうですね……」のように、あいまいな答え方をします。

 

つまり、文章を届ける相手(読者ターゲット)について、あまり(まったく?)考えていないのです。

 

文章を書くときには、読む人が誰なのか、つまり、読者ターゲットを明確にする必要があります。

 

読者ターゲットが明確なほど、伝わりやすく、興味をもたれやすい文章になります。

 

以下は、文章の種類別のターゲット例です。

 

■ラブレター

→好きな相手

 

■大学生が書く小論文

→添削をする教授

 

■履歴書

→企業(バイト先)の採用面接官

 

■飲食店のメニュー

→お客さん 

 

■営業会議に提出する企画書

→決裁権のある上司(営業部長など)

 

ターゲットを明確にするメリットは、想像以上に大きいです。

 

たとえば、都内でもとくにサラリーマンの多い新橋駅近くの居酒屋に、次のようなフードメニューが張ってあったとします。

 

<1>生ビール+おつまみ3点セット1500円

 

<2>サラリーマンお疲れさま感謝セット(生ビール+おつまみ3点)1500円

 

ターゲットがよく見えているのは<2>ではないでしょうか。

 

ターゲットを明確にすると、文章の方向性がはっきりします。ターゲットに内容が刺さりやすくなります。

 

すると、書き手が得られるリターンも大きくなります。