プロスポーツ選手が、引退後に、スポーツライターになるケースはあまり多くありません。
 
一流シェフが、シェフを引退してフードライターになるケースもあまり多くありません。
 
人気の俳優や映画監督が映画ライターになるケースも、人気ミュージシャンが音楽ライターになるケースも、一流ファッションデザイナーがファッションライターになるケースも、あまり多くない、と言っていいでしょう。
 
なぜなら「専門分野を極める資質」と「専門分野について文章で語る資質」は似て非なるものだからです。
 
ライターとして活動するには、専門分野の知見以外にも、取材力、分析力、編集力、先読み力、論理的思考力、表現力、構成力、キャッチコピー力など、さまざまな能力が必要になります。
 
これは、職業ライターに限ったことではありません。
 
あなたが、仮にその専門分野の達人であっても、そのジャンルについて、分かりやすく、興味深く、説得力のある文章を書けるとは限りません。
 
逆に、仮にあなたがその分野の達人でなかったとしても、取材力、分析力、編集力、先読み力、論理的思考力、表現力、構成力、キャッチコピー力などがあれば、そのジャンルについて語ることは可能です。
 
知識が足りないのであれば、知識のある人から話を聞けばいいのです。書籍や資料から情報収集すればいいのです(どちらも取材力です)。
 
集めた材料を整理したうえで、分かりやすく、そして、興味深く書くことができればいいのです。
 
もちろん、どんな人でも文章力に磨きをかけることはできます。大事なのは、書き手としての自分の資質を見極めたうえで、どこを補い(強化し)、どこを強みとして伸ばしていくのか、目標を明確に定めることです。

ライターを目指す人であれば、なおのこと「資質の見極め」と「目標設定」が重要です。



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