ツールド湘南(後) | ライター海江田の 『 シラフでは書けません。 』

ツールド湘南(後)

ツールド湘南、無事完走した。

誰ひとり欠くことなく、それぞれ目標の距離を走り抜いた。


行きは順調そのもので、立川を4名で出発し、多摩市の関戸橋で1名合流、町田市で2名が加わり全員集結。

みんな出で立ちが本格的で、僕とモリータはジーパンだったが、サイクリング専用のかっこよろしいタイツをはいていた。

そこから境川サイクリングロードをひたすら走り、湘南方面を目指す。

朝日に照らされ、きらっきら光る川面を眺めながら走るのは実に爽快な気分だった。


Tさんの入念な下調べによって、10時半には平塚付近に到着。

すると、モリータが疲労のせいで青っ白い顔をしている。

「おい、なんだその顔色は」

「それはおまえ白すぎるぞ」

「この指、何本に見える?」

「チョコ食え、チョコ」

と、世話を焼かれていた。


で、試合が終わって、問題は帰り道。

サイクリングロードはほとんど真っ暗である。

先頭付近を走るヤンキー先生が後方に声を掛けながら、闇夜を疾走する。

「左、人がいますッ」

「了解」

「右、チャリ来ましたッ」

「あいよ、右に自転車あり」

こうして走っていると、なんだか元気が出るから不思議だった。


そして、ようやく町田市にたどり着き、そこから多摩市へと向かう途中、鬼のような坂道が続く。

これが、えぐかった。

僕はもうへろへろの状態である。

Mr全力が僕の後ろを走ってくれている。

がんばれ、とは言わない。

こっちがひいこら懸命に漕いでいるのを知るがゆえの、無言のエールである。

最後は関戸橋を渡ったところで、恒例のヴェルディ締めをやって散会。

めでたし、めでたし。


家の近所に着いたときは、心底ほっとした。

ほとんど力が残っておらず、コンビニの冷蔵庫のドアを開けるのに難儀するほどだった。


湘南戦、ロスタイムに追いつかれたのは残念だったが、いいゲームを見せてもらった。

残すところ、あと3試合だ。