採点というものは | ライター海江田の 『 シラフでは書けません。 』

採点というものは

何度やっても、こなれない仕事がある。

専門誌の採点が、それだ。


今年、編集部の人手がJ2まで回らないとき、「採点だけお願いね」というケースが増えてきた。

やってみると、これがたいそう難しい。

プレーを評価するのは仕事の一部ではあるけど、数値で示すとなると話は別。

恐れ多い気持ちになる。


10点満点の場合、だいたい5.5~6ポイントが平均値らしい。

どうにも手に負えないのが、GKだ。

とりたてて見せ場がなかった。

しかし、ポジショニングやコーチングが優れているのかもしれない。

決定的なシュートをビシバシ止めた。

準備の甘さゆえ、ピンチを招いた可能性もある。


ヴェルディの選手に対しては、縦の比較(前節のプレーなど)ができる。

だが、対戦相手は情報が乏しく、十分に目が行き届かないことも。

悪いなァと思いつつ、確証の薄い点をつけざるを得ない。


公平性は大事だが、だいたい自分のチーム側に評価が辛くなる。

期待の大きい選手も同じ。

甘い顔はできない。


最近になって、わかったこと。

出来の悪いゲームほど、個々の評価で悩まずに済む。

横浜FC戦は、久しぶりに困った。

ベストではないが、現状の力を出し切ったと思う。


いいゲームには、プレーの奥を想像させられる。

助けて、助けられて、目立たないところに潰れ役がいて、その犠牲を周囲が生かそうとしたり。

きっと、そういったことがあるのだろう、と。

だから、悩むのだ。