　例えば、次の手筋の問題もそうだが、どうも読みが続かないのである。歳のせいなのか、あるいはそれだけの頭しか持ち合わせていなかったのか、悩むところである。

【図①】

　（設問）目外しから派生する定石形。白１は３、黒１が一般定石。白１には、黒２、あるいは黒Aのツケで圧迫し、隅の白が少しつらいという評価です。白３、５と出切る反発は、白無理気味な手段ですが・・・。隅の白に対し、黒からどんな手があるでしょうか？　

【図②】

　ロの箇所に白の大きなキズがあるから、黒１ハネで何か手になりそうに思う。白２オサエに黒３キリは当然。そして、白イと黒１子を取りに来たら黒ロで両アタリの狙いである。

　しかし、そんなことは白は百も承知のこと。

【図③】

　したがって、白１と当然のごとくここにツイでくる。

　この後の手としては、黒イのアテに白ロのツギ、黒ハのアタリなのだが、この辺りで頭の中の画像がぼやけてくるのである。そして、次第に消えていく。つまり、読みが続かなくなってしまうのである。手数にして10手程度だろうか。

　「三段合格の手筋150題」には、20手程度の読みを必要とする問題が数問あり、いずれも「読みが続かない」ため解けない、という悲しい現実を突きつけられてしまった。棋力アップもこの辺りが限界なのかと思ってしまう。

　画像の処理は右脳の働きだそうで、右脳を鍛えるための「残像トレーニング」というものがある。今、この「残像トレーニング」を試しているところであるが、まだ、目に見えて効果というものは出てはきていない。

　それとも、もう歳なので意味がないのかも、とも思ってしまうが、何もしないよりマシかな、とわずかな望みを託している。

【図④】

　途中の変化を含めて、ここまで読めて正解なのだが、はたして私の頭（右脳）は、まだ成長することができるのだろうか、そして三段の壁を超えることができるのだろうか。

【参考・引用図書等】

・「三段合格の手筋150題」（日本棋院、2016年）