今年の初め頃だろうか、林海峰著「基礎力のつく死活」(マイナビ、2013年)に再チャレンジしたことがあった。しかし、驚いたことに正解がパッとは出てこないのである。

 かつて付けたチェックは2~3もあり、比較的スムーズに解けたように思うのだが、これが歳をとるということかと愕然とした記憶がある。

 同書のはしがきには「たくさんの形を見て、理屈ではなく『目で解ける』ようになってほしい」とあるが、脳の老化からか目では解けなくなってしまっている。この辺りが限界なのかな、もう囲碁はやめようかな、などと思ったりもした。

 

 悶々とした日々の中で、なんとか死活の問題をパターン化、つまり「理屈で解く」ことはできないかと思っていたところ、「欠け眼の急所」、「クシ六」や隅や辺の「一合マス」といったものがあり、徐々にではあるが、このパターンの問題は「目で解く」ことができるようになってきた。

 他にはないのか、と思っていたところ、12月8日の囲碁フォーカス(剱持丈八段「死活空間の見極め」「②スペースの六死八生」)を見ていて、これは我が意を得たりと思った次第である。

 

【図①】 隅の死活の基本形①

 白のスペース(×)を数えるのだが、□の位置が重要となってくる。図①では、単に白石が一線に下がった図を想定する。スペースは6であり、この形は白死、つまり先手でも生きることができない。

 

【図②】 基本形②

 白のスペース(×)は8であり、この形は白生き、つまり、後手でも生きることができる。

 

【図③】 基本形③

 白のスペース(×)は7である。この形は、早い者勝ち、つまり白先なら白生き、黒先なら白死となる。

 

 次回も、以上の理屈を応用して、隅の死活の基本形について少し勉強してみたいと思う。