黒沢ビルの屋上には、小さな温室のような建物があります。
これは、小川眼科に入院施設があった頃、入院患者の子供たちなどに
日光浴をしてもらうためのお部屋だったのだそうです。
屋上で、風雪にさらされる環境で、躯体がすっかり傷んでいたため、
撤去も考えたそうなのですが、文化財に指定されているので、
勝手な撤去もできず、補強をしたんだそう。建物の保存は大変ですね。
今は入院患者さんもいらっしゃらないので、どうも物干しスペースとして
活用されている様子でした(笑)。
階段室の最上階は、窓が多く、とても明るいつくり。
それ程明るい照明が無かった時代の建物は、採光がとてもよく考えられている
ものが多いです。
オーナーのお母様が、華道の先生をされていたそうで、花器が沢山置かれていました。
階段の途中にコロンと置かれていたのは、昔、ビルについていた飾り。
口から水がでるようになってたそうです。
2階の廊下。
2階の手洗い場のタイルはピンクが使われていました。
色々な古い建物を見学してきましたが、こんな風に丸鏡が2つ並んでついている
ものは珍しいので、こちらもパチリ。
ビルの完成前に、小川三知氏が亡くなってしまったからなのか、2階から上の
フロアには、ステンドグラスはありませんでしたが、建物としても、とても魅力ある
建物でしたので、機会があったら、月に1回の見学会へ申し込んで、足を運んで
みてください。
◆◆◆参考◆◆◆
<小川三知のステンドグラスがのこる建物>
●黒沢ビル(湯島)
●日本キリスト教会安藤記念教会(麻布)
●日本キリスト教団安中教会(群馬県安中市)
●山崎別邸(川越)
●柊家旅館(京都)
●宮越正治邸(青森)
<小川三知工房の作品>
●国立科学博物館(デザインは伊東忠太氏)
<元々小川三知のステンドグラスがあった建物>
●慶応義塾大学図書館(三知氏の帰国第1作。S20年5月の空襲で破壊され、その後復元)
参考:「日本のステンドグラス その歴史と魅力」より