あなたの「折れそうな心」応援します

 

"HW not C”のススメ


タイトルをご覧になってお気づきの通り、一般によく知られている「5W1H」などのWとHの順序が逆になっています。「何だそれだけか」と思われるかもしれません。しかし、実はこの小さな違いが、あなたの心に大きな変化をもたらすのです。

 

ますはWとHの関係からおさらいしていきましょう。

 

みなさんよくご存じの「5W1H」を例にとると、

 

Who        誰が(人、役職、グループ)
What     何を(目的、目標)
When     いつ(時期、スケジュール、納期)
Where     どこで(場所、位置)
Why        なぜ(理由、動機、必然性)
How        どのように(手段、方法)

 

となります。

 

最近ではこれらに加えて

 

Whom            誰に(相手先、対象)
How much    いくら(費用、コスト)
How many    どのくらい(数量、規模)

 

を加えて「6W3H」にまで拡大した方がよい、といっているビジネス書もあったりします。いずれにしても、直面する課題を細分化し、解決に導こうという考え方に変わりはありません。


以前、筆者が携わっていたあるプロジェクトでは、10年余の間に延べ3,000件ほどの改
善案件の推進サポートを行いましたが、初動時点で十分な原因分析が行われていなかったために、類似案件の再発を引き起こしてしまうということがありました。

(当時の担当者の名誉のために付け加えておくと、研究開発目的の現場では、いわゆる「灰汁出し実験」というものが行われ、そこで起こるであろう未知の現象を見つけ出します。そのような実験では、不具合を予測すること自体がそもそも困難を極めます。上記の数字には、このような実験結果も含まれています)

 

それにしても、初期の「課題バラし」が不十分だと、取り組むべきアクション(対策)にも抜け漏れが生じて、導き出される結論に新たな問題点を(当初から)内包することになります。そうならなためにも、WとHの分解作業は慎重かつ十分に行わなければなりません。

(課題バラしと「PDCA」については、いずれ詳しくお話しする予定にしています)

 

また経験的に言えることは、WHの中では”When”の扱いが軽視される傾向が多いようだということです。


計画段階において、「誰が何をする」は比較的細やかに決められるのですが、肝心の「いつまでに(&どのレベルまで)」やるのか、についての取り決めが緩いために、納期間際に業務量が集中したり、それに引きずられて全体の効率が低下するという現象が再三起きてしまいました。

 

みなさんの職場でも、「誰が」「何を」までは、結構真剣に話し合っていても、「いつまでに」については、案外おざなりになっている、ということはないでしょうか。

 

ここでの教訓は、

 

「プロジェクト管理はスケジュール管理=常にカレンダーとの競争である

 

ということ。

 

時間軸も含めた着地点を意識して全体計画を考えておかないと、後々ひどい目に遭うぞ、ということです。夏休みの宿題に譬えるまでもなく、「わかっちゃいるけど守るのが難しい」というのが〆切です。みなさんは、このようなことの無いよう、大きなものから小さなものまで、スケジュール管理には十分な目配り気配りを怠りなく、日々の業務にが励んでください。

 

「計画は Whenまで漏らさず こまやかに」

 

今日のところはこの辺で。次回から、いよいよ「HWnotC」の本題に入っていきたいと思い
ます。