今日は「オールタイム映画音楽総選挙」の投票結果(投票ベスト30編&番外編)に続いて「ワンダが選ぶ映画音楽ベスト30」をご案内します。本来なら2~3回の長さになりますが今回は一気に行きます!皆さんの投票ではありのままの投票結果をお伝えしましたが、今回は若干私見も交えております。かなりの数の映画と曲を用意して書いたのですが、文字数が6000字を超えてアップが出来ず、泣く泣くカットしました

 

 ベスト5作品(順不動)

 

第三の男/1949年

 

名匠キャロル・リードのフィルム・ノワール作品。テーマ曲は、映画の主人公の名前から「ハリーライムのテーマ」と呼ばれています。アントン・カラスの巧みな演奏に感銘を受けた監督のキャロル・リードは、既にオーケストラの楽曲が用意されていたにもかかわらず、カラスのツィターを映画のBGMとして起用したと言われています。アリダ・ヴァリが木立の中を歩き去るラストシーンはあまりにも有名ですね。ツィターのテーマ曲は誰でも一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。以前通っていたJR恵比寿駅の発着音に使われています。今回はトップ5のグループに入れておりますが順位をつけるなら断トツの1位ですね。みなさんの投票ではベスト10を外して12位タイ。こういう映画や音楽はいつまでも語り継がれていって欲しいですね

 

卒業/1967年

 

若き日のマイク・ニコルズ監督作品。テーマ曲の「サウンド・オフ・サイレンス」をはじめ「ミセス・ロビンソン」「スカボロー・フェア」などのサイモン&ガーファンクルの楽曲が素晴らしいです。映画の中のシーンに曲が溶け込んでいるようでした。ラストに流れる、いわゆる映画音楽に慣れていましたから初めて聴いた時は新鮮でしたね。思い出深い音楽であり映画です。若い頃はお金がなくて友達の家へこの映画のサントラをしょっちゅう聴きに行ってました。以前レビューでも話しましたが、音楽性の高さ、音楽と映像の融合という点では原点になった映画ではないでしょうか。ほくとさんも言ってますが、青春時代に観て聴いた音楽が上位にくるのは仕方ないですね。個人的にも思い入れの強い作品ですからベスト5は外せません!みなさんの投票でも8位と人気でした

 

昼下りの情事/1957年

 

オードリー・ヘプバーン主演のビリー・ワイルダーのロマンティック・コメディ。同じオードリー作品の「ティファニーで朝食を」と最後まで悩みました。単純に曲だけの比較なら圧倒的に「ムーン・リバー」なのですが、個人的には「ムーン・リバー」という曲が有名になり過ぎて独り歩きしている印象です。映画の中での印象度と映画への思い入れの差で「昼下りの情事」をベスト5に入れました。なんといっても「魅惑のワルツ」が効果的に使われています。劇中に富豪フラナガン氏が雇っている4人の楽団が奏でるのがテーマ曲ともいうべき「魅惑のワルツ」のラストの列車のシーンが忘れられません。みなさんの投票ではわずか8票で103位タイでした。集計をしていて「マジか・・」と口から出ましたよ(笑)

 

白い恋人たち/1968年

 

フランスのグルノーブル冬季オリンピックの記録映画。「白い恋人たち」はそのテーマ曲に使われたフランシス・レイの名曲です。以前「思い出の映画音楽」のコーナーでレビューしています。オリンピック映画という枠にとどまらず、その美しいメロディは今も多くの人々に親しまれています。まさに、映画音楽における珠玉の名曲と言ってもいいと思います。名前は知らなくても一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。映画に使われた音楽と認識していない人が多い気がします。事実、僕も映画の存在を知ったのは公開から十数年経ってからで、曲だけはよく知っていました。多分、ラジオなどで何度か聴いて無意識に記憶に刷り込まれていたのでしょうね。投票では、僕のほかにサードで3票は入ったのみでした。是非聴いて欲しい一曲です

 

スティング/1973年

 

ジョージ・ロイ・ヒル監督のアメリカン・ニュー・シネマの代表作。テーマ曲の「ジ・エンターテイナー」は、もともと20世紀初頭のラグタイム曲で、本作に使われて人気が再燃しました。軽快は曲調はしばしばテレビCMなどに使われており、名前は知らなくても曲を聴けばわかる人も多いのではないでしょうか。私事ですが、初めて携帯電話を持った時の着信音に使用していたお気に入りの曲です。みなさんの投票でもベスト10入り(8位)しています。

 

 セカンド5作品(順不動)

 

太陽がいっぱい/1960年

 

映画音楽では常に上位にランクされる名曲のひとつ。最近では知らない若い人が多いと聞き残念な思いです。世紀の二枚目と言われるアラン・ドロンを一躍有名にした映画で、ニーノ・ロータの悲しい旋律がいつまでも耳に残ります。この曲は映画の中のアラン・ドロンそのものですね。決してハッピー・エンドで終わらない悲しい調べでした。ソフィア・ローレンの「ひまわり」と並び、まさに「ザ・映画音楽」の中のひとつです。みなさんの投票では堂々第1位。こういう曲が今でも支持されるのはうれしいですね。先日もBSで放映されており、そういう意味で風化しない映画であり音楽です

 

スタンド・バイ・ミー/1986年

 

ロブ・ライナー監督の青春映画の傑作。劇中には多くの曲が使われていますが、やはりベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」です。イントロを聴いただけで胸が熱くなる名曲で、その後多くのアーティストにカバーされています。毎年、夏になると必ずどこかから聞こえてきます。ベスト5にすべきか最後まで迷いました。みなさんの投票では38点を獲得し12位タイでした。やはり男性には圧倒的に人気がありましたね

 

死刑台のエレベーター/1958年

 

以前レビューしているフランスのルイ・マル監督のデビュー作品で、ジャンヌ・モロー主演の傑作犯罪サスペンス。これが初の映画音楽となった、マイルス・デイビスのクールで緊張感にあふれた即興演奏はあまりにも有名です。大好きな「タクシードライバー」との比較になりましたが、映画の中の音楽の印象度では本作かなと。このタイプの作品は人気にはならないと予想していましたが、根強いファンは多いと思いますよ。光と影の圧巻の映像と全編流れるモダンジャズ、そしてヌーヴェルヴァーグの先駆者ルイ・マルの演出は必見です。みなさんの投票では12点で67位タイ。せっかくこういう機会ですから映画と併せて是非聴いて欲しいですね

 

冒険者たち/1967年

 

アラン・ドロン、リノ・ヴァンチェラ、ジョアンナ・シムカスの冒険青春映画。主題歌「レティシア」はヒロインの名前でもあり劇中何度も繰り返し流れます。まさに「素敵な曲!」で口笛バージョンも印象的でしたね。みなさんの投票では18点で45位タイでした。このクラスの曲はその人が”いつ聴いたか”かでだいぶ順位が変わってきますね。個人的には常にベスト10に挙げる一曲です

 

/1954年

 

フェデリコ・フェリーニ監督の代表作のひとつでアカデミー外国語映画賞を獲得しています。トランペットの悲しい音色を聴くだけで画面のひとつひとつが蘇ってきます。ニーノ・ロータの最高傑作のひとつだと思います。どれも素晴らしいのですが「禁じられた遊び」「鉄道員」との比較になり、どれをセカンド5に入れるか最後まで迷いました

 

ちなみに、ベスト10の中では「道」以外は過去にレビューしておりますので参考にどうぞ!

 

▲第三の男

▲スティング

▲死刑台のエレベーター

 

 サード20作品(順不動)

 

風と共に去りぬ/1939年

 

誰もが知るヴィヴィアン・リーとクラーク・ゲーブルの名作。3時間40分の超大作にふさわしいテーマ曲「タラのテーマ」がこの大作をより高めた印象です。本来ならYouTubeなどではなく劇場で映画を観ながら聴きたいですね。大きな画面から降ってくるような壮大さがあり30年前ならベスト1に推す人も多かったのではないでしょうか。有無を言わせぬ強さがこの映画に相応しい音楽ですね。みなさんの投票でも50点の高得点で7位でした

 

フォロー・ミー/1972年

 

ミア・ファロー主演の異色恋愛物語です。この映画をここまで印象ある映画に押し上げたのは、全編流れるジョン・バリーの曲があったからではないでしょうか。ロンドンの街をトポルの白いコートと白いスクーターがまぶしい。テルマ・キーティングが歌うこの曲を聴いていると誰にでも優しくなれる気がしてきます。みなさんの投票では10点で87位タイ。もともとはベスト5に入れる予定でしたが・・・。以前レビューした時にも話しておりますがもっと評価されてもいい映画であり曲だと思います。是非聴いていただきたいですね

 

大脱走/1963年

 

ジョン・スタージェス監督がオールスターキャストでおくる異色の戦争映画。エルマー・バーンスタイン作曲の「大脱走マーチ」は名曲中の名曲と言われいまだに語りつがれる一曲です。長時間歩いているときには知らず知らずに口づさんでいます。高揚感があっていいですね。みなさんの投票では「シェルブールの雨傘」「炎のランナー」と並んで28点を獲得して22位タイ。意外に人気があり驚きました

 

ひまわり/1970年

 

ヴィクトリオ・デ・シーカ監督とソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニの3人によって作られ、戦争によって切り離された男女の悲哀映画。エンディングの地平線まで続くひまわり畑のシーンは圧巻で映画史に残る名シーンとして有名です。聴いているだけで泣けてくるヘンリー・マンシーニの「ひまわり」。ロシアのウクライナ侵攻で再び話題になっていますが、この映画から50年以上経っているのに人はいったい何を学んでいるのでしょうか。みなさんの投票では「太陽がいっぱい」「ティファニーで朝食を」についで3位でした。映画音楽というと必ず上位にランクされる名曲でやはり外せませんね

 

007・ロシアより愛をこめて/1963年

 

テレンス・ヤング監督の「007シリーズ」第2作目作品。もともとは「007・危機一発」の題名でしたが72年のリバイバル時に「ロシアより愛をこめて」に変更されました。名曲が多い007シリーズ作品の中で迷いましたが、イチ推しはマッド・モンローの「ロシアより愛をこめて」です。個人的には、ジョン・バリーのオーケストラバージョンの方が好きです。みなさんの投票ではわずか3点で200位にも入っておりません。007シリーズはお馴染みの「メインテーマ」のほかにも「ゴールドフィンガー」「ダイヤモンドは永遠に」などすばらしい曲が多いのですが、全体的に評価が低い印象ですね

 

サウンド・オブ・ミュージック/1965年

 

ロバート・ワイズ監督、ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画の名作。映画もすばらしいですが「ドレミの歌」「私のお気に入り」などの名曲がずらり。ラスト近くで家族で歌う「エーデルワイス」が圧巻です。紆余曲折はありますが音楽の力によって救われ、家族の愛を取り戻していく、まさに音楽の力をまざまざと見せつけられた映画です。好きな「ウエストサイド物語」(61年版)との比較で悩みましたが、今もって老若男女に親しまれている「ドレミの歌」「サウンド・オブ・ミュージック」にしました。このクラスは好みの問題ですね。みなさんの投票でも堂々10位でした

 

バグダットカフェ/1987年

 

鮮烈な映像と音楽でミニシアター系作品のはしりになったドイツ映画の秀作。ジェヴェッタ・スティールが歌うテーマ曲「コーリング・ユー」は、映画を知らなくてもメロディは知っている人が多いのではないでしょうか。圧倒的な歌唱と乾いた空気感に魅了されます。みなさんの投票では28位タイでサード投票が多いのが特徴でした

 

禁じられた遊び/1952年

 

ルネ・クレマン監督によるフランスの名作。映画のすばらしさと共に、ナルシソ・イエペスのテーマ曲「禁じられた遊び」(愛のロマンス)は、今や世界中で親しまれているギターの名曲。哀しくも美しいギターの音色は、戦争によって奪われた人々の魂を鎮めるかのような美しい曲です。ラストの「ミシェル!」と叫ぶ声がどこまでも響きます。

 

ティファニーで朝食を/1961年

 

テーマ曲の「ムーン・リバー」は今も語り継がれる名曲のひとつです。アンディ・ウイリアムスの唄が有名ですが個人的にはオーケストラバージョンが好きです。さまざまなバージョンが存在しますが、そもそもこの曲はヘンリー・マンシーニが音域の狭いオードリー・ヘプバーンの為に作られた曲と言われています。映画の中では彼女が歌うほかに12回もこの曲が流れます。「ニューヨークの恋人」「クライム&ダイヤモンド」などの映画の中でも使われています。以前銀座の店にいたころ、知り合いになったティファニーの販売員の女性から、ティファニーの銀座本店の電話の保留音が「ムーン・リバー」だと聞いたことがあります。50才以上で7位、50才未満では3位と幅広い年代に支持され、全体でも58得点で2位でした。さらにサードまでの得票総数では36票で「太陽がいっぱい」を抑えてトップでした

 

2001年宇宙の旅/1968年

 

スタンリー・キューブリック監督のSF映画の傑作。映画音楽と聞いて、このシュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」の荘厳な音楽を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。全編に渡りクラシックの名曲がBGMとして使われており、そのオープニングとして使用されたのが「ツァラトゥストラはかく語りき」の導入部分です。トランペットメロディ、ティンパニのソロが印象的でした。投票では20位と意外に健闘した印象です。30年前ならトップ3に入ったでしょうね

 

オズの魔法使/1939年

 

ヴィクター・フレミング監督作品。ジュディ・ガーランド主演のファンタジー・ミュージカル映画。さまざまな名曲がありますが、一番に思い浮かべるのが「虹の彼方に( Over The Rainbow)」でしょう。いまだに歌い継がれる一曲ですね

 

パルプ・フィクション/1994年

 

タランティーノ監督の異色クライムドラマ。タランティーノ監督の映画の面白さのひとつに音楽がありますが、この映画でもリッキー・ネルソン、チャック・ベリーなどさまざまなアーティストの曲が流れます。中でもタイトルバックに流れる「ミザルー」は衝撃的でした。一度聴いただけで頭の中で回ります(笑)。みなさんの投票では11点で76位タイでした。次いで言うと76位タイは11作品もあって「おもいでの夏」「荒野の七人」「フットルース」「80日間世界一周」「ボルサリーノ」「避暑地の出来事」「マイ・フェア・レディ」ダンサー・インザ・ダーク」「アウトサイダー」などベスト30に入ってもおかしくない名曲揃いでした

 

ジョーズ/1975年

 

ダダダッ ダダダッ ダダダダダダダ〜ご存じ「ジョーズ」のテーマ曲。姿を見せずジョーズ目線で迫りくる恐怖のイメージを表した音が凄いですね。音楽というより効果音に近いのですが、その後恐怖シーンの定番曲になっています。そういう意味では画期的な映画であり音楽でした。個人的には、ジョン・ウィリアムズといえば「スター・ウォーズ」は別格として「E.T.」「ジュラシック・パーク」「シンドラーのリスト」より印象に残った曲です。そういえばキャメロン・ディアス主演の「ホリデイ」の中でジャック・ブラックがこの曲を絶賛しているシーンがありました。みなさんの投票では21点で37位タイでした

 

ロミオとジュリエット/1969年

 

レナード・ホワイティング&オリビア・ハッセー版。数あるニーノ・ロータの作曲の中でも人気が高く、映画音楽屈指の名曲と言われています。個人的にはボーカルバージョンよりインストゥルメンタルバージョンの方が曲の良さを表していると思います。みなさんの投票では29点で堂々の21位。ココラブさんからもコメント(投票に影響を及ぼす恐れがあるため、承認を若干遅らせていただきました)がありましたが、公開から54年経った今年、主演の二人が訴訟を起こして物議を醸しています

 

汚れなき悪戯/1955年

 

1955年公開のスペイン映画の名作。何といってもガルボ少年の可愛らしさは反則です。ラストシーンの教会の上にひろがる雲と「マルセリーノの唄」には泣けます。みなさんの投票ではわずか7点で120位タイでした。参考までに、この120位は15作並んで「王様と私」「ラ・ブーム」「ラストコンサート」「自転車泥棒」「ラベンダーの咲く庭で」「ブルース・ブラザーズ」「OK牧場の決闘」などそうそうたる名曲、映画が並んでいます。いずれにしてもこのクラスはどこを切り取っても素晴らしい音楽ばかりです

 

荒野の用心棒/1964年

 

セルジオ・レオーネ監督の傑作マカロニ・ウェスタン。西部劇では「リオ・ブラボー」「荒野の七人」「OK牧場の決闘」「シェーン」「夕陽のガンマン」「ウエスタン」「続・夕陽のガンマン」など名曲が多いですが、真っ先に浮かんだのがこの映画の主題歌、エンニオ・モリコーネの「さすらの口笛」でした。哀愁ある曲にしびれましたね~当時口笛でよく吹いておりました。みなさんの投票では6点の135位。古き良き西部劇音楽と一線を画したモリコーネの音楽は新鮮でした

 

エクソシスト/1973年

 

70年代を席巻したオカルト映画の先駆的映画です。繰り返されるピアノが、怖さ助長するテーマ曲の「チューブラー・ベルズ」。この分野では「13日の金曜日」「サスペリア」と並んで音楽のレベルも高かったです。みなさんの投票では12人の得票で14点、59位でした。多分ベスト100には入らないだろうと予想していましたが意外に人気でしたね

 

トップガン/1986年

 

「トップガン・マーベリック」の大ヒットで再燃した「トップガン」ですが、その代名詞と言われる曲がご存じ「デンジャーゾーン」。劇中では他にもいい曲がたくさんありますが

この曲は外せません。トムキャットのエンジン音と共に流れる曲のカッコよさは言葉では言い表せません。みなさんの投票では38点で堂々の12位。当初ではセカンド5に入れる予定でしたが・・・

 

戦場のメリークリスマス/1983年

 

大島渚が監督した日本、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの合作映画。デヴィット・ボウイ、ビートたけしなどの異色キャストで話題になりましたが、何といっても坂本龍一の主題歌に尽きます。たしかフィギアスケートの安藤美姫がこの曲を使ったことがありました。フィギアスケートにはこの他「ロミオとジュリエット」や「ゴッドファーザー」「パリのアメリカ人」など名曲が多く使われています。投票でも18位で幅広い年代から支持されていた印象です。音楽のすばらしさは認めますが、映画との相性を考えると個人的にはイマイチかと

 

カサブランカ/1942年

 

ハンフリー・ボガート&イングリッド・バーグマンの世紀の恋愛ドラマ。数々の名セリフでも知られ「君の瞳に乾杯」は有名。テーマ曲の「時の過ぎゆくままに」(As Time Goes By)は映画音楽では鉄板ではないでしょうか。劇中には他にもいい曲が多いですが、ドイツ軍将校が歌う「ラインの守り」に対してフランス人たちが歌う「ラ・マルセイエーズ」も印象深いですね。大好きな映画で何度も再見しておりますが、俳優やセリフのインパクトと比較すると若干音楽が弱いかと(素晴らしい音楽とは思います)。みなさんの投票では「ある愛の詩」「サタデーナイトフィーバー」「シェーン」「戦場にかける橋」などと並んで19点の41位。いずれ劣らぬ名曲揃いなのですが惜しくもベスト30には入らなかったです。素晴らしき映画音楽に乾杯!

 

以上が「ワンダの選ぶ映画音楽ベスト30!」みなさんとの投票と大きくは違わないとは思いますが、順位については若干上下がありました。やはり映画の観た時期、作品や曲についての思い入れの違いは当然ありますね。個人的にはベスト100くらいまではほとんど差がありません。みなさん同様絞り込むのに苦労しました

 

ここから先は、一応番外としておりますがベスト30と差はありません。ベスト30を100本くらい連ねたい作品ばかりです

 

 番外作品(順不動)

 

80日間世界一周/1956年

第29回アカデミー賞で作品賞など5部門獲得した名作。

ヴィクター・ヤング作曲の「Around the World」は、単に映画音楽としてだけでなくCMや旅行のイメージに使われることが多く「兼高かおる世界の旅」のテーマ曲にも長らく使われていました。小学生のころ、1人で近所の名画座にこっそり見に行き感激した思い出があります

 

小さな恋のメロディ/1971年

50代以上の人には鉄板の映画ではないでしょうか。マーク・レスター&トレーシー・ハイド主演の少年少女の恋を瑞々しく描いた作品。ビージーズの歌が全編を流れ、とりわけテーマ曲「メロディ・フェア」は今聴いても当時に戻れる気がします。30年前ならベスト10に入れていたかもしれません

 

明日に向かって撃て!/1969年

なぜこの作品が残っていたのだろう?「ワンダのベスト30」はみなさんの投票で気が変わらないように、事前に自身で決めていましたが完全に漏れておりました。セカンド5に入れたかったですねえ~映画はジョージ・ロイ・ヒル監督作品でアメリカン・ニュー・シネマの傑作のひとつ。大好きな映画なのでやはり思い入れが強いですね。ポール・ニューマンとキャサリン・ロスが自転車に乗るシーンで流れるB・J・トーマスの「雨にぬれても」が忘れられないですね

 

雨に唄えば/1952年

ミュージカル映画史上最高傑作とも言われる作品。ジーン・ケリーが雨の中でタップダンスを踊りながらこの曲を歌うシーンは誰もが知っている名シーンだと思います。映画音楽を語る上でやはりこの曲は外せません

 

シング・ストリート・未来へのうた/2016年

「once ダブリンの街角で」「はじまりのうた」などの大人気音楽映画を手掛けたジョン・カーニー監督作品。それらの映画音楽も素晴らしかったですが、個人的には本作が一番好きです。80年代のブリティッシュ曲と、爽やかな佳曲揃いのオリジナル曲との構成いい。ここ数年の音楽映画では断トツではないでしょうか

 

ウエストサイド物語/1961年

ナタリー・ウッド、リチャード・ベイマー主演のミュージカルロマンス。「トゥナイト」「マリア」「アメリカ」「クール」など、映画の中で歌われる曲は多くの人を魅了しました。映画音楽ではやはりこの映画は外せません。ベスト30に入れたかったですね~

 

雨の訪問者/1970年

ルネ・クレマン監督、チャールズ・ブロンソン主演のサスペンス映画。セベリーヌが歌う「雨の訪問者のテーマ」もいいですが、個人的には、雨を連想させる寂しげな「雨の訪問者のワルツ」の方ががおすすめです。このころのフランシス・レイの曲は切なくて素晴らしいです。投票ではわずか14票の59位タイ。きっとブロンソンは天国で泣いていると思いますよ(笑)

 

ゴースト・ニューヨークの幻/1990年

パトリック・スウェイジ&デミ・ムーアのファンタジー映画。主題歌の「アンチェインド・メロディ」を推すひとも多いのではないでしょうか。泣ける映画の定番ですがこの曲でさらに泣けること必至です。曲はもう大好きなのですがパトリック・スウェイジがちょっと・・

 

追憶/1973年

シドニー・ポラック監督作品。ロバート・レッドフォード&バーバラ・ストライサンドのラブストーリー。バーバラ・ストライサンドが歌う主題歌「追憶」は多くのアーティストにカバーされている名曲です。贔屓のレッドフォードの映画なのでこれ以上下げるわけにはいきません

 

ニューシネマ・パラダイス/1988年

イタリアの名監督ジュゼッペ・トルナトーレによる映画愛あふれる名作。「荒野の用心棒」などマカロニウェスタンの曲を多く手掛けたエンニオ・モリコーネの音楽がすばらしい。みなさんの投票では5位。意外といっては失礼ですがちょっとびっくりしました。いろいろな意見はあると思いますがやはり「完全版」を観るべきだと思います

 

男と女/1966年

クロード・ルルーシュによるフランスの恋愛映画。当時殆ど無名だったクロード・ルルーシュとフランシス・レイを一気に世界的に有名にした作品で、映像と音楽が完璧に一体化しています。 “ダバダバダ~”のスキャットのテーマ曲はあまりのも有名です。アヌーク・エーメのムートン姿に堕ちました

 

サタデーナイトフィーバー/1977年

音楽と映画を融合させたこの映画は、1960年代のディスコブームを再燃させます。劇中に挿入された「ステイン・アライヴ」などのビージーズのディスコサウンドは新鮮でしたねえ。70年代の大きなムーブメントにディスコサウンドがありますが、この作品は、まさに頂点を極め音楽ジャンルの壁を突き破ったと思いますよ。そして、この音楽の流れは「フラッシュダンス」「フットルース」へと続いていきます

 

おもいでの夏/1971年

ロバート・マリガン監督の、思春期の少年のひと夏の経験を描いた青春映画。薄汚い東京下町の名画座で見ました。その時聴いたミシェル・ルグランの美しい音楽は多分生涯忘れられないでしょうね。サード20には入れたかったのですが代わりに落とす作品がなかったです。ソフトフォーカスの淡い映像とミシェル・ルグランの甘美な音楽は是非体感してもらいたいですね。ミシェル・ルグラン屈指の名曲なのですが投票では76位タイ、思ったより伸びなかったですね

 

避暑地の出来事/1959年

映画音楽というよりインストゥルメンタル曲のスタンダートナンバーですね。夜聴くと気持ちよく眠れそうです。映画と結びつかなかった人が多いと思いますがたぶん聴いたことはあると思いますよ

 

月に囚われた男/2009年

デヴィッド・ボウイの息子であるダンカン・ジョーンズの映画デビュー作で、超低予算映画としても有名です。映画としてはいろいろ思うところはありましたがクリント・マンセルの音楽はちょっと衝撃的でした。妙に不安感を感じるのですがクセになります

 

すいません、番外はまだまだ紹介しきれずまだまだ続きます。けっこう漏れていた作品、忘れていた作品も多いです

 

▲王様と私

▲刑事

▲愛と青春の旅立ち

▲ライムライト

▲タクシードライバー

▲ブーベの恋人

▲チャイナタウン

▲シンドラーのリスト

 

「シェーン」n”遥かなる山の呼び声”

「王様と私」の”Shall we dance?”

「旅情」の”Summertime In Venice”

「南太平洋」の”バリハイ”

「刑事」の”死ぬほど愛して”(アモーレ・ミオ)

「めぐり逢い」の”過ぎし日の恋”

「プリティ・イーマン」主題歌

「華麗なる賭け」の”風のささやき”

「天使にラブソングを・・」

「スターウォーズ」テーマ曲

「炎のランナー」の”ヴァンゲリス”

「地獄の黙示録」の”ワルキューレの騎行”

「初恋のきた道」胡弓の音色が絶品です

「タクシードライバー」テーマ曲

「愛と青春の旅立ち」主題歌

「ライムライト」

「ブーベの恋人」

などなど

 

今回、作品を選んだポイントはもちろん好きな音楽に他ならないですが、比較的王道の映画音楽(作曲家によるテーマ曲や挿入曲)を中心に選んでいます。いろいろな考え方はありますが「インディージョーンズ」「ミッション・インポッシブル」「スターウォーズ」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ビバリーヒルズ・コップ」などのシリーズモノについてのテーマ曲は好きな曲も多いですが若干順位を下げています。同じことは「ミュージカル」や「音楽映画」にも言えます。ただし、選んだ映画はすべて観ています

 

皆さんの投票では、女性が多かったせいか西部劇、アクション、ホラーが若干ワリを食った印象で、ドラマ、ラブストーリーが強かった印象です。特に西部劇は名曲が多いわりには苦戦していました。「シェーン」が最上位で45位、次いで「荒野の七人」が76位、「荒野の決闘」が109位、「荒野の用心棒」が135位、「夕陽のガンマン」「腰抜け二挺拳銃」が224位、あの「黄色いリボン」が2点で259位でした。そのほか「大砂塵」「荒野の1ドル銀貨」などが1点でした。この他でも名曲が多い「007シリーズ」はあまり人気がなかった印象です

 

ここから先は皆さんの投票で思い出した映画や、忘れて漏れた作品を少し(かなり用意したのですが文字数オーバーでかなりカットしました)

 

●日曜はダメよ/1960

ラララララララ、ランララ、ランララ、ラララララ~♪

すっかり忘れてましたメリナ・メリクーリの「日曜はダメよ」。軽快な曲で海に飛び込むシーンを思い出しました。この曲も映画好きな方なら聞き覚えがあるのではないでしょうか。松虫草さんとメッセからの70年代の女性からの投票でした

 

●大いなる西部/1958

グレゴリー・ペックとチャールトン・ヘストンの西部劇。ジェローム・モロスの名曲。すいません、コロッと忘れていました

 

●ピアノ・レッスン/1993

ニュージーランド出身のジェーン・カンピオン監督の秀作。ピアノソロ「楽しみを希う心」は印象的でした。14得点で59位、さすがです

 

●花様年華/2000

梅林茂の「夢二のテーマ」は91年沢田研二主演の映画「夢二」にも使われていたミステリアスな曲です

 

●スカイ・ハイ/1975

ジミー・ウォング主演の香港のアクション映画。失礼ながら映画自体はそんなに印象に残らなかったですがジグソーの「スカイ・ハイ」は有名。数年後、プロレスのビル・マスカラスの登場曲で再ブレイクします。ココラブさんの投票で思い出しました

 

その他にも「ヘアー」「ある日どこかで」「みじかくも美しく燃え」「アウトサイダー」「さらば青春の光」など忘れていた曲がいっぱいで書ききれません(笑)ひとまずこれで「映画音楽総選挙」を終了します。ありがとうございました。何かの機会があったら是非またやりたいですね

 

「恋のサバイバル」(I Will Survive)

 

先日、映画「プリシラ」を再見した時に思い出した曲!映画音楽ではなくグロリア・ゲイナーが1978年にリリースし大ヒットしたディスコソング。強烈なインパクトのある曲で「プリシラ」のほかにも「バタフライ・キス」「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」「おとなの事情」など多く映画に効果的に使われていましたね