「色彩の魔術師」Mika Pikazoさんとのお仕事(前編) | ワンダちゃんNEXT DOORプロジェクト 開発スタッフブログ

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7月9日(火)ごろ発売予定のワンフェス ガイドブック内の該当記事を読んでいただければその旨は記載されていますが、じつは本プロジェクトが本格的にスタートする'16年以前から、Mika Pikazoさんには「仮に彼女がオファーを受けていただけるのであれば絶対にお仕事をお願いしたい」と思っていたんですね。
というのもそれぐらい彼女の描くキャラクターには魅力があったし、何より、その色彩感覚の豊かさはちょっとほかのイラストレーターさんとは別次元にあったと。

上記した7月9日(火)ごろ発売予定のワンフェス ガイドブック内には彼女のイラスト=本プロジェクト以外の仕事ぶりもモノクロ画像で掲載させていただいているのですが……ぶっちゃけ、それでは彼女の凄さは絶体に分からない!

というわけでこの場では、我々がMika Pikazoさんにベタ惚れしたプライベートのお仕事イラストを3点ほどカラーで紹介させていただこうと思います。

まずは、「……おおお、これぞMika Pikazoさん!」という1枚。
 

▲「これこそが彼女の資質の具現化です!」と言い切ってしまうとたぶんMika Pikazoさんに怒られてしまうと思うのですが、これだけビビッドな色(当然補色も含みます)を多用しながら、生き生きとしたキャラクターを描ける人はそういないはず


そして、続いてお見せしたいのは、「Mika Pikazoさんの色彩感覚の“幅”はこんなにもあるんです!」というのを検証する、やはり本プロジェクト以外のお仕事でのイラスト2点。

 

▲左側のイラストは上に掲載したイラスト以上に「Mika Pikazoさんの色彩感覚の凄さ」が強調された1枚。1枚のイラスト内にここまで補色が使用されているのに全然気にならない……というか、むしろ心地よさを感じるのはちょっと(よい意味で)異常。まるで'60年代後半におけるサイケデリック・ムーヴメントを'10年代風にアップデイトしたような衝撃を覚えます。対して右側のイラストは、意図的に色数を抑えて同系色のペールトーン(淡い色調)のみでまとめ上げた1枚。「……色彩コントロールに対してどれだけ器用なんだよっ!」とツッコミたくなる、いや、ツッコまざるを得ないところです


さて。そんなMika Pikazoさんに『ワンダちゃんNEXT DOORプロジェクト』FILE:08用のイラストをオファーした際には、これまでの担当イラストレーターさんと同様に「フィギュア化用の設計図的なものにならないように、まずは好き勝手に数枚ラフスケッチを描いてみてください」というものでした。

その後ラフスケッチが5点(カラーバリエーションが含まれていたため厳密に言うと4点)送られてきたのですが、そのどれもが「非常にフィギュア向きなデザインなのに、“フィギュア化用の設計図的なもの”にはなっていない」という非常にハイクオリティーなものだったのです。

 

▲これがいちばん最初に上がってきたラフスケッチ4点。「ものによってはちょっとセクシー過ぎるけれど、ただし仮に立体化した際に360度ぐるりと回すとどこから見ても見栄えがよい」というクライアント側からのリクエストに見事応じたラフスケッチであることが分かると思います。結果、左上の幾何学模様を多様した案と、右下の狐面を付けた和風の案がセカンドステージへ進むことに

 

 

そしてセカンドステージへ進んだ2案のうち、“ワンダちゃん”というキャラクター性を鑑みた際に、幾何学模様を多様した案へと絞りこむことになったのですが……。

が、こののちに生じてしまった「我々(=海洋堂サイドスタッフ)のバカさ加減」は、次回のブログにて正直に告白したいと思います(滝汗)。

それでは、また次回!