
出先からの仕事帰りに、一時間ほど余裕ができたので、十数年前に起きた某連続殺人事件の舞台になった物件Aのことを聞いて回る。事件が起きた時から興味を持ち、ここ1年間も、1人でひっそりと追跡してきた案件だ。場所は北関東の某所。およそ1km圏内まで絞り込んだものの、三度にわたる調査はいずれも失敗している。
証言1:ここらじゃ、聞いたことないねえ。(畑仕事をしていたおばちゃん)
証言2:ああ、○○学校の近くにあると聞いたことがあるかも。なんか別の○○町にもあったみたい。(コンビニのパートさん2名)
別の町にもあったというのは初耳だった。しかし時間の関係からも、まずは学校の近くにあるという、その物件を探しに行く。工事で回り道をしたりしながら、旧道に入り、目指す学校を発見する。たしかにこの近くにあるバイパスは何度も走っていながら、旧道は一度も走ったことがなかった。まさに盲点だった。
変な息苦しさと同時に、突然ふとした勘が働き「こちらにありそうだ」と、車を走らせると、目指す物件はあっけなく見つかった。予想していたのとは違い、農村の集落内にそれは存在していた。全くの意外としかいいようがなかった。
主犯2名には、最高裁による控訴棄却により死刑判決が確定している。殺害された人数は数名だが、釈放済みの共犯者による暴露本によると犠牲者は三十数名にのぼるといわれている。またその裏付けとして、犯人の周辺で大量の行方不明者が出ているのも事実だ。しかし、犠牲者の大多数は物証がないため、立件できたのはわずか数名であり、残りはそのまま行方不明となってしまっている。時間の関係もあったので、状況や潜入ルートなどを確認して、今回は引き上げることにした。
この物件に関しては、また近日中に訪れることができたらと思っている。


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