保護猫のオレ ウォン

夏のあっつい日の午後。


いつものように天井近くの木箱の中で身を潜めてたオレ。

今日はカフェのオープン日で、小さな子供が苦手なオレは、隠れてたんや。

カフェに入るなり、オレのところに真っ直ぐ近づいてきて、

脚立登ってオレにチュール差し出した女子大生があったんや。

オレ、人間は怖いけど、チュールは好きやで。

その女子大生は、オレだけにチュールをくれて、
制限時間の一時間、オレにずっと話しかけてくれたんや。

その女子がお母さんとかいうおばさんに
「スンちゃん、もう時間よ。」
って言われてたから、その子の名前は スンちゃんやとわかったんや、

スンちゃんは、その後、スタッフさん達と話をして帰ってもた。

オレ、またスンちゃんが来てくれるような気がしたんや。でもオレ、その夜寝で起きたら、もうスンちゃんのこと、忘れて記憶の彼方になってた。