保護猫のオレ ウォン
保護猫仲間達はどんどん 本当のおうち に行ったよ。
オレ、それを静かに見てた。
今日はアイツがいなくなる日やな。とか
コイツ、新入りやな。とか、、、
アイツもコイツもどんどん 本当のおうちが決まったよ。
羨ましいとか、オレも行きたいとか、、、
そんな気持ちにはなられへん。
だってオレ、本当のおうち って、なんなのか、知らんから。
運命の出会いは、今から3ヶ月前や。
ひとりの女子大生が、オレに 猫じゃらしで 遊ぼうって、誘ってきたんや。
オレ、子供の頃、猫じゃらしで遊んだ記憶ないから、
これ、おもろいやん!
って思って、つい追いかけてもうた。
その女子大生、一時間の制限時間を全部オレに使ってくれた。
でもオレ、やっぱり人間は怖いんや。
その後は、天井近くの木箱からほとんど出ることができなくなってしまったんや。

