気象予報士のさくらコラム -5ページ目

ナニワの春の風物詩・「造幣局の通り抜け」

大阪の片平敦です。

大阪の桜にも、あちこちに名所がありますが
造幣局・桜の通り抜け」は特に有名でしょう!
僕も大阪に来て早5年、毎年必ず訪れています。

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毎年4月に開かれるこの「桜の通り抜け」、
なんと明治16(1883)年から行われているイベントだそうです。

毎年桜の咲く時期になると1週間だけ、
造幣局構内の500m以上の桜並木を一般に開放するんですが、
期間中は50万人以上もの見物客が訪れ、大賑わいになるんですよ!

ソメイヨシノよりも遅咲きの品種が多いので、
お花見をしそびれた方でも、まだ間に合うのが嬉しい!

だいたいソメイヨシノの満開時期よりも1~2週間後が見ごろ で、
その時期を狙って「通り抜け」の開放期間も設定されています。

すぐ横を流れる大川にはソメイヨシノが並んでいるのですが、
「通り抜け」の桜はソメイヨシノにも、120品種以上とさまざま。
350本を越える桜の木が、豪華な桜のトンネルを作っています。
(「大手毬」のような八重の桜や「関山」のような色の濃い桜は、特に華やかです)

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中には、花の色が黄色や緑といった珍しい品種があったり、
毎年「今年の花」を決めて注目したり、何年来ても飽きることはありません。

僕のオススメは、平日の夜。
休日はやはりどうしても大勢の人で込み合ってしまうのですが、
平日の夜は休日に比べると、ゆっくりのんびり観桜できます。

そして、その桜の幻想的なこと…。
桜のトンネルの下から眺めると、
暗い夜空に白や薄い赤の花がぼやっと浮かび上がります。

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(おととし2008年の夜桜のようす。「今年の桜」は普賢象でした)

関西の春の風物詩、今年はどんな桜に会えるのか、今から楽しみです。
(今年の「通り抜け」の期間は、3月中旬ごろに決定予定だそうです)

サクラサイタ 沖縄より

日本最南端の沖縄で天気予報を担当しています、崎濱綾子です。
日本一桜の開花が早い沖縄は、今まさに満開の時期!

桜の開花予想は主にソメイヨシノが基準になっていますが
沖縄の桜は『寒緋桜(カンヒザクラ)』といいます。
気象予報士のさくらコラム
〔画像:沖縄本島北部 八重岳(やえだけ)の桜〕

緋寒桜(ヒカンザクラ)と呼ぶ事もありますが、『彼岸桜(ヒガンザクラ)』と間違いやすい、
また、悲観するという言葉を連想させる、などから
一般的には『寒緋桜(カンヒザクラ)』と呼んでいます。
ちなみに、桜ってバラ科なんですよ。

桜**【沖縄に花見の習慣はない】桜**

特徴は濃いピンク色で、下向きに咲きます。
花が散るときはポトっと地面に落ちる為『桜吹雪』はありません。
また、桜の木の下でわいわいというような花見の習慣はなく、
車で桜並木をドライブするか、散歩をしながら桜を楽しみます。
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桜**【サクラ前線南下】桜**
冬でも暖かい沖縄は気温が下がりやすい沖縄本島北部から開花。
つまり、沖縄ではサクラ前線は南下します。
$気象予報士のさくらコラム-okinawa sakura 1
今シーズンの開花は、1974年からの観測史上最速。
去年の大晦日に開花しました。
ただ、開花の進み具合は遅れていて
今年は2月中旬頃まで楽しめそうですよ。(例年は2月上旬頃まで)

2月といえばプロ野球のキャンプシーズン。野球2
きょうキャンプイン!。
12球団中9球団が沖縄でキャンプをします。

全国からプロ野球ファンが集まる沖縄。
キャンプ地めぐりの予定に沖縄のサクラまつりを入れてみてはいかがでしょうか?

【追記】
きょう那覇でカンヒザクラ満開!
(去年より3日早く、昨シーズンより9日遅い)

東京の桜と都市化

 杉江勇次です。


 このところ東京の桜の開花には、
 明らかに都市化の影響か?
 と思われる傾向が出てきています。


 1989年以降(平成元年)で、
 東京の桜の開花した曜日をまとめてみると、
  日(1)、月(1)、火(4)、水(2)、木(5)、金(4)、土(4)
 となっていて、
 週の半ば~後半にかけて多く開花していることが分かります。


 更に、1994年以降に限定すると
 この傾向が一段と顕著になり、
  日(1)、月(0)、火(2)、水(1)、木(5)、金(4)、土(3) と、
 過去16年間のうち、
 実に12回もの開花が木金土の3日間に集中しています。

 もちろん単なる偶然の可能性もありますが、
 もしかしたら都市化と深い関係があるのかもしれません。
  
 東京などの大都市では人間活動のサイクル
 (自動車の排熱やオフィス街の稼動など)の影響で、
 平均すれば、週が明けるとともに気温が高くなり、
 木曜~金曜頃にピークを迎えます。

 そして、日曜頃は都市部での熱の発生が最も少なくなり、
 一番気温が下がる傾向にあるのです。
 桜はこの影響を受けているのかもしれません。
 
 桜にしてみれば、
 いつ咲いてもおかしくない状態(開花直前)になった時、
 少しでも暖かい時(週の後半)に咲きたいと思うのは
 当然かもしれないですからね。




 
 さて、今年の予想に少し触れると、
 3月後半に木金土となるのは、
 18日、19日、20日及び、
 25日、26日、27日。

 そして、今回(第一回)発表になった東京の開花予想日は、
 3月24日、これは水曜日!

 ちょっと微妙なところですが、
 開花がまだ2ヶ月ほど先なために、
 今後の気温経過によっては、
 予想が多少前後する可能性も考えられます。
 
 果たして、東京の桜は、
 今年も都市化と桜の法則通りに進むのか?
 はたまた、独自路線を突き進むのか?
 
 今後の予想も含めて、
 皆さん注目してみて下さい。


Photo by Kazuya Takahashi