桜のフィナーレ | 気象予報士のさくらコラム

桜のフィナーレ

岡村真美子です。

「今年の冬~春にかけてはとにかく寒暖の差が激しい。」
2010年を現時点で振り返ってみると、とにかくこのような印象を受けます。

強い寒気によって随分と我々人間は振り回されていますが、
今年のサクラ前線も、例年にない北上模様を作り出しました。
というのも、サクラの開花前線のテンポが過去に例を見ないほど
西・東・北ではっきりと分かれています。

今年の開花日と過去10年間の開花日の平均との差を振り返ってみますと・・・
【西日本】
福岡 3月14日(-6日)
高知 3月10日(-10日)
大阪 3月21日(-5日)
名古屋3月18日(-6日)
【東日本】
東京 3月22日(-1日)
横浜 3月22日(-1日)
甲府 3月20日(-4日)
前橋 4月01日(+3日)
宇都宮4月02日(+4日)
水戸 4月02日(+4日)
新潟 4月11日(+4日)
【北日本】(4月26日までの開花地点)
秋田 4月24日(+8日)
盛岡 4月25日(+7日)
仙台 4月13日(+4日)
山形 4月19日(+5日)
(-は平年より早い、+は平年より遅い)

明らかにサクラ前線は北上と共に歩みが遅くなっていますよね。

これは、今年の波のある気温変化によるものと考えられます。

$気象予報士のさくらコラム
・2月下旬~3月上旬の暖かさ→西日本での早い開花
・3月下旬の寒さ→東日本で足踏み
・4月中旬の寒さ→北日本で遅い開花



さて、
「開花日の平年差」に南北で違いがあるのは過去にあまり例を見ないことですが、
一方、開花~満開までの日数は平年、北と南で違いがあるようです。

まず、平均気温を参考に大まかに地域を下記のように区切りました。
◆札幌
◆東北・北陸(17地点)
◆東日本(高地を除く16地点)
◆西日本(四国・九州を除く26地点)
◆四国・九州(11地点)

この区分で、開花から満開までの平均日数を
調べてみた結果がこちら↓

札幌・・・3日
東北・北陸・・・・4.8日
東日本・・・7.1日
西日本・・・7.6日
四国・九州・・8.3日

北へ行くほど開花~満開までの期間が短いのです。

北東北での桜の見ごろはまだまだこれから。
大型連休に弘前や角館、北上など北国の桜の名所へ行かれると言う方も多いのでは。

東北地方の開花は現時点で遅れているため、
満開も平年より遅めが予想されます。
ただし、現段階での一ヶ月予報を参考にしますと
満開の頃は気温も平年並みとなる予想。
例年通り、開花から満開までの期間は短いペースで進みそうです。
最新の開花状況と相談しながら
2010年桜のフィナーレをお楽しみください!