愛犬が前脚を上げて固まるこんな姿をすることは
ありますか?
葵は、散歩中や家以外の場所でよくこのポーズを
します。
恐怖・不安の表れと捉えています。
このポーズをした時、私がすることはまず
周りを確認して、音にも耳を澄まします。
この時は、車に乗せた瞬間にこのポーズ。
道路向かいで、トラックから荷物を降ろしていた
ドライバーさんが発泡スチロールを解体していて
時々、パーンと発砲音がしていました。
葵の苦手な音

身体がカチコチに固まっているので、少し声を
かけて、撫でてやりエンジンをかけてオーディオ
の音を上げて発砲音を遮りました

音に敏感で無ければ、気づきもしない程の大きさ
の音。
何が起きているか知っている人間からすれば
ただの…生活音に紛れてしまうような
気にもしない音。
それが葵にとっては、
得体の知れない恐怖刺激なんです

社会化期にペットショップにいて
様々な音に触れていない葵。
5ヶ月になった頃「音シャイ」に気づいたのは
ノック式のボールペンの芯を出した時の
「カチッ」という小さな音に反応したこと

その子その子、性格や元々持った性質があって
同じように育てて上手くいく事、いかない事が
出てくるのは当たり前。
だから、
「先住犬は手がかからないこだった」=良い子
では、ないんですよね。
その子に合った育て方があり。
何か起きた時の対処も様々だってことです。
いつも落ち着いていて、誰に触られてもじーっと
していられるタイプだったマユノスケ(右)
未去勢の雄犬に会った時、以外は興奮せずに
絶対的な信用があった素晴らしいこ

でも、葵よりも手をかけてはいません

彼の性格であり、幼少期は実家で暮らし、兄貴の柴雑種を慕い、のんびり暮らしていたからかも。
犬を育てるには、よく観察してあげることが
大切です。
いつもこんなポーズをするな?とか。
いつもこんな時に吠えるな?とか。
それが守ってやらなければいけない時なのか?
その行動を正してやらなければいけないのか?
私は犬たちのそんなボディサインや周りの状況を
見て、聞いていてアドバイスをさせて貰います

だから、出張レッスンはいつもの環境で何が
起きているのか?確認が出来るのが良い所です

先日、とある公園で休憩中
こんな話題をしているグループがいました
「家の外に向かって吠え立てることがある」
「ちゃんと訓練士さんに来て貰ってアドバイスを
貰った」
「訓練士さんには、吠えたら大きな音を立てて
止めさせるように言われた」
「何回かは言うことを聞いたけど又吠えるように
なった」
そして、そのこは犬が見える度に激しく吠えたて
とても興奮していました

飼い主さんは、止められないばかりか止めようと
すると…咬まれる
っと。
っと。堪らず…
「ギュッと抱きしめて背中で相手が見えない
ように、カバーしてあげると良いですよ!」と
お伝えしました。
吠えることが悪いこと
では、無いはずです。
吠えなければならない状況に追い込んでしまって
いることがいけないんです。
そこに気づいていける人を増やしたい

即効性のある対処が凄いことのようになって
いたり、人が努力することを怠けてしまっては
いけないのじゃないかな。
大きな音は嫌悪刺激 であり「怖いから・嫌だから
今している行動を止める」事を狙っているわけで
怖がらせる飼い主になる事を教えているって事
なんです。
それが、実際に犬の躾に悩んでいる人からすると
神業のようになり、「リーダーになった!」
「犬の上に立った!」と犬の心を置き去りにした
考え方で躾を行うようになる

悲しいかなそれに耐えられるのが…犬なんです

でもね。
想像してみれば、もし、葵のようなポールペンの
ノックの音にさえ反応してしまうほどの繊細な心
の持ち主だったら

一緒に暮らす人間が、大きな音で怖がらせてくる
生活をしていたら…。
狂ってしまうでしょうね

心が壊れて、飼い主を信用しなくなるでしょうね

その大きな音で吠えを止める事をされたワンコも
「得体の知れない恐怖から逃れたくて」
追い払いたい気持ちになっていたかもしれない。
「誰も守ってくれなくて自分で対処するしかない」
そう何度も経験しているのだとすると、一緒に
暮らす人がそこに上乗せするように大きな音を
立てたら…?
その人を信用することが出来るでしょうか?
犬の心を置き去りにしない
実際、そのこが他犬に吠え立てた時に
飼い主さんに「守ってあげてください」と
相手から遠ざけるように盾になって貰うと…
その吠えは治まり、飼い主さんのワンコを
止めている力も緩めてあげることが出来て
いました。咬まれてもいません。
それを続けていってくれると良いのだけど

恐らく、ちゃんとした行動原理をお話しして
その方向でワンコに自信をつけていく作業を
根気よく続けなければ、簡単で即効性のある
驚かす・怖がらせる方法を選択してしまうでしょうね

私の所に相談に来てくれてる方ではないだけに、
それ以上のことが言えないのがモドカシイ

葵の怖がる様子を知っている人は少ないの
だけれど。(散歩中でも何度も後ろを振り返って
固まる時もある)
「葵は、うちの子で良かったね…。他の所なら
どをなっていたんだろうね?」と。
主人が言ったことがあります

あまり私を褒めることのない
主人の言葉は
主人の言葉は私のトレーナーとしての方向性を揺るぎないもの
にしてくれた一言なんです

だからね。どんなにグレようが。
叱りつけて、怖がらせて、服従させるなんて

そんな訓練や躾は絶対に必要ない

そう伝え続けます

次は、吠えるワンコのトレーニングで実際に
行っている事を書いてみたいと思います






