おはようございます。
さっき、2時に10時まで眠ったような充実感で起きたのですが錯覚でした。いまもう眠い(笑)。
井伏鱒二の蛙の詩が好きなのですが、蛙のあの変な詩、と思って買った詩集に、
有名な「サヨナラ」ダケガ人生ダの訳詩もあり、唐詩の訳(于武陵(うぶりょう)の詩「勧酒」)だったことを知りました。
てか私もテキトーな思い込みで生きているので菊池寛だと思っていた。菊池寛って言いそうじゃないですか。芥川龍之介の葬式の後、火葬場を振り返って煙が高く上がっているのを見ながら莨に火をつけて、「サヨナラダケガジンセイダ」、なんて。あくまで妄想ですが。
ハナニアラシノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケガジンセイダ
と、
林芙美子の
花の命は短くて
苦しきことのみ多かりき
が対句のようだな、とずっと思っていたら、
二人が因島に遊んだ時に芙美子がもらした言葉から来ていたそうです。
「『左様なら左様なら』と手を振った。林さんも頻りに手を振ってゐたが、いきなり船室に駆けこんで、『人生は左様ならだけね』と云うと同時に泣き伏した。そのせりふと云ひ挙動と云ひ、見てゐて照れくさくなって来た。何とも嫌だと思つた。しかし後になつて私は于武陵の『勧酒』といふ漢詩を訳す際、『人生足別離』を『サヨナラダケガ人生ダ』と和訳した。無論、林さんのせりふを意識してゐたわけである。」(『因島半歳記』)
林芙美子の詩の全文はこちら。
風も吹くなり
雲も光るなり
生きてゐる幸福(しあわせ)は
波間の鷗のごとく
漂渺とたゞよひ
生きてゐる幸福は
あなたも知ってゐる
私もよく知ってゐる
花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり
林芙美子
花の命は も、
「サヨナラ」ダケガ人生ダも、
そこだけクローズアップするとセンチメンタルすぎて私は違うなあと思っていたんだけど、
全体を知るとまた違う感想を持つもので。
そして最後の2行、
風も吹くなり
雲も光るなり
に、美内すずえの、
「はるかなる風と光」を思い出すわけです。
風と光はナポレオン閣下が主人公の少女に問いかけた言葉ですが。
画像はすべて私が撮ったやつで、2015年8月に桜島を訪れた時のものです〜
冒険について書こうと思っていたのになぜか林芙美子。桐野夏生の「ナニカアル」も副読本にぜひ!
では今日も冒険野郎な一日に立ち向かってきます!
よい一日を♪