いつも私がすきなタイプの映画ではなかったけれど、藤田嗣治の描こうとした日本のよさはこういうものだったのかなあと考えながら見ていた。
前半のエコール・ド・パリの有頂天時代の「フジタの夜」の花魁道中のどんちゃん騒ぎも、衣裳やメイク、美術がよくて楽しめたけれど、
後半の日本の田舎の風景をじっくり描いた方が監督の見せたい部分だったのかも。
エコール・ド・パリ時代に、
ザッキンをたっぷりに、ドンゲン、ユトリロのおじさんも、とウィットに富んだモンパルナスのカクテルをつくるシーンもおもしろかったなあ。スーチンがムッツリしていて、わかるわかると。
聖戦美術展のために集められた画家たちの中で、あ、猪熊弦一郎!と思える髭の若者がいたけど、そうだったのかな。
隅々までワンシーンが絵画のような映画だったです。