『挿画集成』が書店ではなく、出版社の講談社から送られてきました。
特典がこんなにずっしりした巻だったとは。
第1期は全巻購入予約の特典を逃したものの、第2期の『挿画集成』はその無念さを拭ってありあなる、貴重な資料です。
水木しげる先生の挿画は帯に歌っているとおり、神出鬼没❗️
ゴジラと妖怪キャラクターたち。
30年前のイラストですが、庵野秀明監督の《シン・ゴジラ》も2016年に公開予定だし、ちょっとうれしい。
田辺聖子さんのファンでまずたいていのものは読んでいるのですが、田辺さんと水木さんのコラボは知らなかったなあ。
朔太郎の『猫町』の挿画は誰もが納得の組み合わせでしょう。私がいま連想したのは、体のあちこちに猫の頭が生えてくる水木さんのマンガですが。
『姑獲鳥の夏』小道具!
分量が多かったのは、戦争にまつわる挿画でした。水木さん自身、戦争体験を多くのマンガにしていますが、
ほかの方の戦争のについての挿画もずいぶん多く手がけておいでです。
子どもの頃、特撮怪獣ものやアニメに浸っていましたが《ゲゲゲの鬼太郎》はちょっと異質で、民話のようなところもあるし、妖怪は強いとは思わなかったけれど、
異界に連れて行かれてこちら側に戻ってこられなくなるお話が怖かった。
なぜあんなに隠れ里のヴァリエーションが怖かったのか。
単なる想像ですが、知らない場所に連れて行かれて、戻ってきたら親も知り合いもみんな死んでいなかった、
というのは 戦争 に似ているからじゃないか。隠れ里では腕を砲撃で失ったり、餓死したり、爆死したりしないけど、かけがえのない日常を根こそぎ奪われて、水木さんの言葉を引用すれば、国が国民をいじめている状態だ。小さな子どもたちが親から奪われるのは、子どもが兵隊に取られたり、学童疎開で親元から引き離されるのにも似ているなあ。
学童疎開のほんとうの目的は子どもたちを安全な田舎で守ることではなく、
隣組の竹槍訓練やバケツリレーに子どもがいると邪魔だったからだそうです。これは本で読んで、すごく納得でした。
水木さんのマンガのすべてに戦争体験が投影されているとは言いすぎだと思うけど、
戦争体験抜きには語れないと思う。
非売品でいただいてうれしいですが、何年かして一般発売になって、もっと多くの人が見ても悔しくないですよ。






