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「野溝釜」という名前の茶釜ですが、釜の摘(つまみ)の
形や、蓋の艶と色味が粗い肌の釜とおもしろい対照をなしています。




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真正面から見ると、鐶付の形も独特ですね。
野溝というひとがもっていたという、野溝釜を本歌取りしたような、
見飽きない釜です。

野溝釜

こちらが野溝釜です。

野溝釜についての解説はこちら→野溝釜




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13代目鈴木盛久の野溝釜に描かれているおサルさんは、長谷川等伯の
竹林猿猴図屏風(ちくりんえんこうずびょうぶ)に似ているそうです。

長谷川等伯「竹林猿猴図」

おなじ種類のおサルさんですが、ポーズはちがいますよね。
竹林猿猴図屏風は3点あるそうなので、ほかの屏風なのかもー。



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「難波屋釜」
こちらも持ち主による釜の名称で、大阪の人が持っていた釜に因んでいます。

画像を探して見たのですが、残念ながら。

どういう本歌取りをしたのか知りたかったのですが。

それにしてもこの上半分のマントのような形状と、下の半球のような
組み合わせ、幾何学的なおもしろさがあります。

マントの端なんて切れそうなくらい薄くつくってあります。

この釜は炉から風炉にうつる3月、4月(流派によってちがうらしいです)に
使われる透木釜でして、釜の羽根が特徴です。



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鐶付は遠山でしょうか。

摘がまた松ぼっくりで、形が都会的でシャープなところへ、
松ぼっくりの愛らしさ。しかし寄ってみるとこれが写実的で、

印象が次々変わっていくおもしろさがあります。


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この表面の松葉ですが、すべてへら押しです。
つまり手作業でひとつずつ押してこんな模様をつくったわけです。

アタリをつけてはいてもあとはすべて自分の感覚で押しているそうです。


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そしてこちらはやつれ風炉。

熊谷志衣子さんが、

「この感覚は私にはない」と仰っていたのが印象的でした。


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鐶付の鬼面が龍にも見えますね。


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どんな茶席に遣ったら似合うかなーと思って、

私はバサラ大名が集まっての茶席にあったらいいなあと
思ったのですが。

茶碗も釜も軸も、バサラ統一。どうでしょうか。