シャレード(1963年)、見てきました~
まずオープニングの矢印やサイケな色調のアニメーション?が印象的。
いまだから新鮮なのか、当時としても斬新なのかそこはわかりませんが。
で、いきなり列車から放り出された惨殺死体のアップ。話の展開が速い!
殺されたのは主人公レジーナ(ヘップバーン)の富裕な夫。しかし別れるつもりでいて、
女友達とスキーにきていたのだった。
そこで女友達の息子のイタズラがきっかけで知り合ったのがケーリー・グラント演じるジョシュア。
金持ちだった夫は実は政府から盗んだ巨額の金を独り占めしようとして仲間たちに追われ、中の誰かに殺害されたらしい。
不気味な男たちに追われ、金の在り処を責められるヒロイン。
ジョシュアに助けられ、切り抜けるも、夫はどこにお金を隠したのか?
アメリカ大使館のバーソロミューにも呼び出され、夫の遺品であるバッグを仔細に調べるが…
ウォルター・マッソー演じるバーソロミューはどことなく親しみのもてるキャラクターで気に入っていたんですが。
サスペンス映画ではありますが、ジバンシィ×ヘップバーンですからファッショナブル。
ボリューミーな巻き上げた髪、ヘップバーンの清楚な雰囲気を引き立てる大きな真珠のイヤリング、
脚をいちばんうつくしく見せるいわゆシャネル丈のセミタイト、トップコートは首の長い女性にしか似合わないスタンドカラーにラグランスリーブ。
ま、見慣れるとワンパターンだなとも思うんですが、徹底してヘップバーンにしか似合わない、独特なスタイルを繰り出すわけですよ。
色も焦げ茶を白で薄めたベージュのクラウン型の帽子に白のトップコート、真珠のイヤリングと揃えた質感のサテンの白の長手袋、
あるいは真っ赤なコートに白のやはりクラウン型の帽子、
ジョシュアを追跡する場面ではアイボリーのショート丈のトレンチに同じ生地のネッカチーフをして黒のボリューミーなセルサングラス。
色も基本的な色で2色プラスアクセントカラーといったおしゃれの教科書みたいなものばかりなんだが
背景がパリで着ているのが姿勢がきれいで動きのしなやかなヘップバーンでしょ、ストーリーはそんなに錯綜していないから動くファッションブックを堪能できるわけだ。
肝心の巨額(なのかな?1963年当時の25万ドルっていまの1億?10億?でも人が4人も殺されたわけだし、もっとか?)の隠し資産だけど、
例の残されたバッグのなかの意外なものが…。
でもこれ、多湖輝の「頭の体操」で読んだことがあった気がするんだよなあ。
だから最初から分かってしまいました(笑)。
1929年生まれのオードリー・ヘップバーンは当時34歳(撮影時は33歳か?)。
にしては、妖精のような雰囲気でコメディにはピッタリだけど、
ケーリー・グラントをどうも誘っているらしいセリフの数々が、お嬢ちゃん無理しちゃって、
に見えて仕方ないんですよね。
ヘップバーンは170cmですから、そんなに小さくみえるわけはないのに、
バレエをやっていたからなのか、重力を感じさせないところが肉感的じゃないのかも。
監督が「雨に唄えば」のスタンリー・ドーネンですから、ボーイッシュな少女みたいな女優を使いたかったんだろうか。
何場面か、あ、中原淳一の少女!と思うようなところがあったり。
ところで私は昔の洋画のジョークがさっぱり分からなくて(現代のは分かる)、
これがジョークなのか怒ってるのかイヤミなのか、といつも判断に困る。
今回もそうだったんだけど、バーソロミューだけはよーくわかった。表情の流れが腑に落ちる俳優とそうじゃない俳優がいるってことなんでしょうか。
そして残念なことにいい男が全然分からなくて、
ケーリー・グラントが全然ピンとこなかった。ヒュー・グラントなら、
今週おぼえた英語でいえば、
Bull's eye(命中)!
なんだけど。
午前10時の映画祭、来週は「麗しのサブリナ」。
もっとはやくに見始めばよかったんだけど、午前10時の映画祭は3回目の今回で終了なんだそうです
といっても2011年はそんな気になれなかったし、ま、「道」をはじめ貴重な映画体験ができたのでよかった。
ではでは☆
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