
川上弘美さんの本の近くにあって、オレンジ色の装丁だから(いまオレンジブームが甚だしいのです)という理由で借りてきた本。
思いっきり男女差別的発想かもしれないけれど、
男性が貧乏生活やサバイバル、自給自足を本にすることはよくあるけれど、
女性ではあまりない気がする。
売れないだろう、というマーケティング上の問題なのか、女性には節約や手作り生活は似合っても光熱費など一切かからないような非文明生活は相応しくないからか。または、種の保存本能は女性の方がたくましく、
大人しく清貧に甘んじてなんかいるものか、稼ぐわよ、戦うわよ現実と、
ということなのか。
女性らしさというときれいに着飾ったり、手芸や料理や掃除などがすきだとか、態度が楚々として女らしい、というイメージを持っている人もいるでしょうが、
私は第一にたくましさだと思うなあ。そんでもって、私はあんまり女らしくないなあと思うのは、
サバイバル的なビンボー生活にひどく惹かれるからだ。
といっても、
悪いが私はビンボー料理については年季が入っているので、
土鍋でごはんを炊いたら美味かったとか、すいとんの作り方とか、テレビを思い切って捨てたなんて、
どうとも思わないわ(笑)。すいとんの作り方なら、生地をねかせないとダメよーと言いたいくらいのものだ。
私はそんなにビンボーだと思ったことがなかったんだけど、書いてあるほとんどのことに、
そこまでやりますか、と思わなかったところをみると、
ビンボーは私の方?と笑ってしまった。
女性の節約やビンボー話は具体的でリアル。
でも、ファンタジーがない(笑)。
この本は中途半端なビンボー生活ですが、
農家の水没した稲を刈って、代わりに米を一俵半もらったり、
低額煙草に切り替えようとか(禁煙した方が医療費のかかる生活習慣病のリスクを抑えられますよと言いたくなる。中途半端だ)、
冷蔵庫を持たない暮らしこそエコだとか、
(缶詰を利用しようというわけだ。旬の安い野菜を冷凍保存する方がいいと思う)
うーん、もうちょっとー、
と思いながらも、ビンボーへの憧れを生きている自分を嬉しげに書いていて、
ビンボーを恨むとか(でもビンボーと言っても楽しめるレベルだしなあ)、
社会悪を糾弾するとかではなく、
自ら選び取った暮らしに自足しているのが可愛いのでした。
作者のプロフィールを見たら、昭和49年生まれ。
なるほど、ビンボーに関する感覚の違いはジェネレーションギャップか。
また、田舎暮らしというその田舎が、私からすればほとんど東京なのがしゃらくさいのでした。
んー、貧乏ぐらし、田舎ぐらし本ってどうしてこう、、、、。
ま、可愛いから許す(笑)!
(書いていることがめんこいんです)