岩波少年文庫
「耳なし芳一」が読みたくなって、借りてきました。
夏ですから。
私が小泉八雲をはじめて読んだのは、
赤江爆の『八雲が、殺した』がきっかけだったなあ。
芳一自身も、みなしごと明記されてはいないのですが、
その琵琶の腕を見込まれて、寺に住むようになったというのは、
みなしごだったからではないかしら。
あやかしの声に導かれて、
安徳天皇の墓碑の前で、
壇ノ浦の琵琶の弾き語りを奏していた芳一。
非常に孤独でさみしい気持ちが芳一の心の底にあって、
そこが亡霊たちにつけこまれてしまったのではないか…
青白い鬼火が夥しくゆらめいている墓場の光景を
想像するだけでぞっとしますが、
芳一は亡くなった両親のいるところへ、
連れて行ってほしかった…のかもしれない。
ハーンの来歴については無知だったのですが、
(ギリシャ人とイギリス人のハーフ、くらいは聞いたことが
あったのですが)
父親がまず、母子を捨て、母も故郷のギリシャへ還り、
ハーン少年は裕福な大叔母に引き取られて育つのですが、
やがて、大叔母が破産し、17歳のハーンは自活の道を
探すことになります…
ハーンと芳一の境涯が重なってみえるのは、考え過ぎでしょうか。
夏と言えば、怪談。
オススメの怪談、ホラーがありましたらぜひ。
